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映画『ロストケア』Special Screeningイベントが6日、東京都内で行われ、出演者の松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、主題歌を担当した森山直太朗と前田哲監督が登壇した。
本作は、日本の介護を巡る問題に鋭く切り込んだ、葉真中顕氏のデビュー小説を映画化。介護士でありながら、42人をあやめた殺人犯を松山、その彼を裁こうとする検事を長澤が演じた。
この日は、森山が本作のために書き下ろした主題歌「さもありなん」を生歌唱。客席で聞き入った松山は「僕のボキャブラリーの言葉全部を合わせても足りないぐらいの突き抜けた感動があって…」と感激の面持ち。
長澤も「これを生で聞けて良かった。ケンちゃんと同じで本当に感動しました」と笑顔を見せた。
また、5日に38歳の誕生日を迎えた松山のためにサプライズで特製ケーキが登場。バースデーソングで祝福された松山は、誕生日当日の過ごし方を問われると、「違うドラマの撮影が終わって、帰って1人でゲームをやっていました。なので(今日は)とてもうれしいです」と語った。
妻の小雪と3人の子どもたちは現在、東京を離れて自然の中で暮らしている。松山は「ちなみに去年もそうだったのですが、まだ家族から『誕生日おめでとう』の連絡は来ていません。去年は6日に連絡が来たけど、今年は記録を更新しそうです」と笑わせた。
本作の企画段階から携わってきた松山。「この映画を通して伝えたいこと」を問われると、「いつかは皆さんも僕も死んでいく。そしてその前に体がきっと動かなくなる。もしかしたら最愛の人、自分の親がそういう状態になるかもしれない。介護というものと向き合わざるを得ないときが必ず出てくると思うんです」とコメント。
「天災に備えが必要なように、自分の人生の終わらせ方にも備えが必要。劇中では『穴に落ちた』と表現していますが、その穴に落ちる前に行政がどういう仕組みで網を張っているのか、セーフティネットについて勉強していかないと手遅れになる可能性がある。そういったことを家族や夫婦、友達同士でも共有していくこと、孤独にさせないことが大切なんです」と語った。
映画は3月24日から公開。