前田敦子「何に対しても“楽しい”という気持ちは持っていたい」 ドラマ「ウツボラ」で一人二役に挑む【インタビュー】

2023年3月17日 / 08:00

 2012年にグループを卒業後は、俳優として映画やドラマに多数出演し続けている前田敦子。23年も、映画『そして僕は途方に暮れる』や『あつい胸さわぎ』が立て続けに公開された。3月24日から放送・配信される、連続ドラマW-30「ウツボラ」では、美しくミステリアスな双子役に、一人二役で挑む。前田に撮影の裏話や役作りについて、さらには俳優業への思いなどを聞いた。 

前田敦子(ヘアメーク:高橋里帆(HappyStar)/スタイリング:清水恵子(アレンジメントK) (C)エンタメOVO

-中村明日美子さんの大ヒットコミックスのドラマ化です。最初に原作や脚本を読んでどう感じましたか。

 (原作は)美しい絵があってこそ、世界観が確立されている作品だと思っていたのですが、脚本でもそれが忠実に再現されているように感じて、絵がなくても物語が漫画通りに進んでいるのを感じました。作品そのままを映像化しようとしているのが分かり、すてきだと思いました。

-今回一人二役、しかも双子の姉妹を演じるというのは難しかったのでは?

 物語を追っていくと、とても難しく感じますが、その世界をきちんと理解しながら撮影していたので楽しかったです。撮影しながら、新たに発見できたことがたくさんあったんです。原作を読んでいるだけだと分からなかったことが理解できたり…。それは、いち『ウツボラ』ファンとしてとてもうれしい発見でした。

-例えば、どんな発見があったのですか。

 私は今回、「朱」と「桜」という二役を演じたのですが、原作だけを読んでいると、「これはどっちなんだろう」と思うシーンも、撮影のときは、私はどちらを演じているのか理解した上でお芝居ができました。なので、パズルのピースがハマっていく感覚がありました。

-演じ分けはすんなりとできましたか。

 原廣利監督から、「それほど意識して演じ分けなくて大丈夫」と、最初にお声掛けいただいたので、すごくやりやすかったです。意識してしまうと、大げさになってしまうので、普通のテンションで、でも何かが違うという姿をイメージしていました。なので、自分では大きくスイッチを変えてはいないかもしれません。

-「朱」と「桜」の心情を理解できるところはありましたか。

 切ない運命だと思いますし、愛は時にとても複雑で、人間を乱すものだなと思いました。本当に全てが偶然で、運命で…。深い愛がテーマになっていると思ったので、理解はしやすかったです。

-溝呂木役の北村有起哉さんとの撮影はどんな雰囲気でしたか。

 北村さんとは、2022年に舞台でもご一緒しているのですが、「ウツボラ」の撮影が先だったので、初めてお会いしたのはこの現場でした。有起哉さんはすごく元気で、楽しい方なんです。ただ、「ウツボラ」のときは、それほど深いお話もできなかったこともあり、私は(北村は)寡黙な方というイメージを持って撮影できました。それは役柄的にも良かったなと思います。もし、舞台での共演が先だったら、きっと友達のような距離感でお話ししてくださっていたと思うんです。そうしたら、この作品での関係性を演じるのはすごく恥ずかしかったかもしれません(笑)。

-撮影で印象に残っているシーンは?

 屋上から飛び降りるシーンは、思い出に残っています。もちろん合成ではあるのですが、飛び降りる姿は撮影しなければならないので、ある程度は飛び降りないといけなかったんです。初めての体験でしたが、本当に恐怖心が湧いてきて…、キャーと言いながら撮影しました(笑)。いい経験でした。

-撮影現場でのエピソードを教えてください。

 今回、愛知県蒲郡市と幸田町で撮影をさせていただいたのですが、とてもすてきな場所でした。私はいつも地方で撮影があると、地元のスーパーに行って、そこで地元の食材を買うのですが、今回、蒲郡はお魚がおいしくて。撮影の合間にスーパーに行って、お魚をスーパーでさばいてもらって食べていました。それから、トマトやフルーツもおいしかった。蒲郡のスイーツで「あんまき」というものがあるんです。それもすごくおいしくて…おいしいご飯をいただきながら、体をどう調整するかをずっと考えていました(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top