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女性に対してストーカー気質があった義時のことを、お客さんがちゃんと「気持ち悪い」と言ってくれるのもうれしかったです。初めは「気持ち悪い」で、途中から「怖い」、「あいつヤバイ」という感じになってきて。48回やらせてもらって、北条義時という人を「好きだ」とか「いいね」と言われることのないまま来たのが、すごくいいなと。最終回まで北条義時をやっていく上で、僕に不快な思いや、怒りを感じるお客さんが多ければ多いほど、役者冥利(みょうり)に尽きるというか。そういう評価をもらえていることが、自分にとってものすごく励みになっています。
そういうキャラクターをやれてよかったと思う一方で、「振り返ってみてください。こいつも結構いいやつだったんです」という思いもあるんです。第1回からいろんなボタンの掛け違いやストレスやプレッシャーがどんどん積み重なって、今の彼になってしまっただけで。三谷(幸喜/脚本)さんが「人間はそんなに急に変わるわけじゃない」とおっしゃっていたように、じわじわと何かが彼の中をむしばんでいく様子をこの作品では丁寧に描けたと思っています。だから、前半は「大泉のせい」だったものが、「小栗のせい」になったとしたら、こんな痛快なことはありません。
大河ドラマの主演は、またいつかやりたいと思っています。今の日本の環境では、こんなふうに1年4~5カ月、ノンストップで48回を撮って、一人の人物を描いていける場所は、他にありませんから。その際、できれば今回と同じように、あまり皆さんの先入観がない人物を演じられたらとは思います。有名な人物は、みんないろんな意見があるから、たぶんしんどいと思うんです。今回、僕がここまで楽しめたのは、「みんな義時のこと、そんなに知らないでしょ」と言えるところも大きいので。こんなこと言うと、次の松本(潤/「どうする家康」主演)くんにものすごく申し訳ないんですけど(笑)。
もうすぐ吉田鋼太郎さんとの舞台の稽古が始まるんですけど、その舞台が終わったら一度、きちんと自分の今後を考える時間を作らなければと考えています。興味をそそられるようなお話もいくつか頂いているので、そういうものもひっくるめて、今後、どういう形で役者として生きていくのか、決めていかなきゃと思っています。
(取材・文/井上健一)
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