エンターテインメント・ウェブマガジン
女性に対してストーカー気質があった義時のことを、お客さんがちゃんと「気持ち悪い」と言ってくれるのもうれしかったです。初めは「気持ち悪い」で、途中から「怖い」、「あいつヤバイ」という感じになってきて。48回やらせてもらって、北条義時という人を「好きだ」とか「いいね」と言われることのないまま来たのが、すごくいいなと。最終回まで北条義時をやっていく上で、僕に不快な思いや、怒りを感じるお客さんが多ければ多いほど、役者冥利(みょうり)に尽きるというか。そういう評価をもらえていることが、自分にとってものすごく励みになっています。
そういうキャラクターをやれてよかったと思う一方で、「振り返ってみてください。こいつも結構いいやつだったんです」という思いもあるんです。第1回からいろんなボタンの掛け違いやストレスやプレッシャーがどんどん積み重なって、今の彼になってしまっただけで。三谷(幸喜/脚本)さんが「人間はそんなに急に変わるわけじゃない」とおっしゃっていたように、じわじわと何かが彼の中をむしばんでいく様子をこの作品では丁寧に描けたと思っています。だから、前半は「大泉のせい」だったものが、「小栗のせい」になったとしたら、こんな痛快なことはありません。
大河ドラマの主演は、またいつかやりたいと思っています。今の日本の環境では、こんなふうに1年4~5カ月、ノンストップで48回を撮って、一人の人物を描いていける場所は、他にありませんから。その際、できれば今回と同じように、あまり皆さんの先入観がない人物を演じられたらとは思います。有名な人物は、みんないろんな意見があるから、たぶんしんどいと思うんです。今回、僕がここまで楽しめたのは、「みんな義時のこと、そんなに知らないでしょ」と言えるところも大きいので。こんなこと言うと、次の松本(潤/「どうする家康」主演)くんにものすごく申し訳ないんですけど(笑)。
もうすぐ吉田鋼太郎さんとの舞台の稽古が始まるんですけど、その舞台が終わったら一度、きちんと自分の今後を考える時間を作らなければと考えています。興味をそそられるようなお話もいくつか頂いているので、そういうものもひっくるめて、今後、どういう形で役者として生きていくのか、決めていかなきゃと思っています。
(取材・文/井上健一)
映画2025年8月15日
-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む
映画2025年8月14日
-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。 2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは 日本の伝 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月11日
-本作はドラマ制作の現場が舞台の物語で、いとうさんはドラマ主演俳優の癖のあるマネジャー役です。 いとう 役者さんのマネジャーさんについて正直知らないこともありますが、ある意味役者をよく見せたい、役者の魅力を伝えたいという芯は想像できます。た … 続きを読む
映画2025年8月10日
また、ジョン・ウィリアムズ作曲のオリジナルテーマ曲の流用は、先に公開された『スーパーマン』同様絶大な効果があり、恐怖とユーモアの同居は、スピルバーグが得意とする演出法だ。 また、「以前から、フィルムで撮影し、自然な映画的な質感を表現した … 続きを読む