小栗旬「三谷幸喜さんの脚本でできたことがありがたかった」「鎌倉殿の13人」クランクアップ後の心境を語る(後編)【「鎌倉殿の13人」インタビュー】

2022年11月20日 / 20:50

 NHKで放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。物語はいよいよクライマックスに差し掛かりつつあるが、一足先に全48話の撮影を終えた主演の小栗旬(北条義時役)が、脚本の三谷幸喜や、共演者とのエピソードを中心に作品を振り返ってくれた。

北条義時役の小栗旬 (C)NHK

-クランクアップ後、三谷さんとはどんなやりとりをしましたか。

 クランクアップの翌日、「全部終わりました。やり切ってきました」とメールをしたら、三谷さんから「ご苦労さまでした」みたいな返事がきました。やっている間は、出来上がったものをご覧になった三谷さんから、時々、「あそこのシーン、最高でした」とか、「あそこの表情が素晴らしかったです」みたいなメールをもらっていたんですけど、終わった後はそんな一通ずつのやりとりだけです。

-そうでしたか。

 ただ最終日は、僕と小池栄子ちゃんの2人だけの撮影だったので、前日から「僕たち2人しか体験しない状態だね」なんて言いながら、2人でものすごくそわそわしてしまい、栄子ちゃんと「ちゃんと眠れていますか」みたいなメールのやりとりをしていたんです。その流れで、僕が三谷さんに「眠れません」とメールしたら、三谷さんから「前日に言うことじゃないかもしれないけど、小栗さんは完璧な義時だったから、安心して明日を迎えてください」みたいな返事を頂いたので、「すてきなメッセージですね」と返したら、「寝起きにしては、なかなか気の利いたこと書いたでしょ」という返事が来ました(笑)。

-小池さんのほか、義時の盟友・三浦義村役の山本耕史さんなどは、クランクインから最後まで一緒に現場を過ごしてきたと思いますが、その印象はいかがでしたか。

 耕史さんや栄子ちゃんは「きっとこういうふうに旬くんは考えているんだろうな」とよく理解した上で、的確に自分のキャラクターを表現するためのリアクションを取ってくれるんです。だから、自分が怖がらせるような芝居をしたり、大きくキャラクターを見せたりする必要がないんです。そういう相手とお芝居をすると、無理しなくていいんだなと思う瞬間がいっぱいありました。そういう意味で、他の方たちも含め、今回は共演者の方々にすごく助けられました。

-中でも、小池さん演じる姉の政子は、義時が鎌倉や北条家を守っていく上で不可欠な存在でしたが、2人の関係をどう捉えていましたか。

 政子のおかげで北条の人たちは人生が変わってしまったので、そこには思うことが、いろいろありなんですけど…。ただやっぱり、義時としては、ずっと一緒に過ごしてきて、「いいことはいい、悪いことは悪い」という基準が、昔から変わらない政子は、守りたいものの一つだったんじゃないかと。これはあくまで「鎌倉殿の13人」の中での話ですが、「義時が最後まで守りたかったものは、何だろう?」と考えたとき、政子や息子の泰時(坂口健太郎)のそういう純粋さではなかったのかなと。

-というと?

 要は、昔の自分を見ているような感じだったと思うんです。本当は自分も政子や泰時のような考え方をしていたのに、それができなくなってしまった。だから、自分に楯突いてくる彼らを見て、「100パーセント守りたい」、「これを屈折させるわけにはいかない」と思った。それが、義時が最後まで守り抜こうとしたものだったのかなと。そこは、僕の中でも肝だったかもしれません。それを真っすぐに演じてくれる栄子ちゃんや坂口くんとのお芝居も、楽しかったです。

-坂口さんが登場する後半は、物語のトーンも重くなり、共演者の顔ぶれも変わってきましたが、現場の雰囲気は、前半とどう変わりましたか。

 基本的にほぼ変わっていない気がするんですが…。ただ、前半は現場の中で僕がだいぶ若い方だったんですけど、後半は急にお兄さんにならなければいけなくなり、「面倒くさいな」と思っていました(笑)。というのは冗談ですけど、周りより比較的年下でいられるときって、楽なんです。先輩方や、それこそ“大御所”と言われる方もいらっしゃる前半は、「現場の在り方」みたいなものに、それほど気を使わずに済んだので。でも後半、だんだん若い人たちが増えてくると、彼らが背負わなければいけないテーマみたいなものもいっぱい出てくる。そういうときは、できる限り環境をよくしてあげたいですから。もちろん、そういうことに気を使いながら過ごすのも、自分が好きでやっていることなんですけど。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

小林虎之介「名前と同じ『虎』の字が入った役名に、ご縁を感じています」連続テレビ小説初出演で、主人公の幼なじみを好演中【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年4月23日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。田中ひかるの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』を原案に、明治時代、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)という2人のナースの冒険物語 … 続きを読む

浦井健治が演じる童磨がついに本格参戦!「童磨を本当に愛し抜いて演じられたら」舞台「鬼滅の刃」其ノ陸 柱稽古・無限城 突入【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月23日

 舞台「鬼滅の刃」其ノ陸 柱稽古・無限城 突入が6月13日から上演される。原作漫画「鬼滅の刃」はコミックスの全世界累計発行部数が2億2000万部を突破。その大人気作品の舞台化で、シリーズ6作目となる本作では、柱稽古、そして無限城の戦いを描く … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第15回「姉川大合戦」登場人物それぞれの覚悟が示された合戦【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月22日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。4月19日に放送された第15回「姉川大合 … 続きを読む

ドラマ「惡の華」鈴木福&あの、互いの印象を語る「熱量が一緒だなと…」「こんなにお調子者でボケるとは」【インタビュー】

ドラマ2026年4月21日

 鈴木福とあのがW主演するドラマ「惡の華」が毎週木曜24時からテレ東系で放送中だ。押見修造氏の同名漫画をドラマ化した本作は、少年・少女の「不安」「葛藤」「痛み」など、思春期の心の変化を描いた壮絶な青春物語。ある日、ひょんなことから憧れのクラ … 続きを読む

礼真琴&柚希礼音が宝塚歌劇団退団後、初共演「力を合わせて頑張りたい」 「BOOP! The Musical」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月21日

 礼真琴と柚希礼音が出演する「BOOP! The Musical」が5月27日に開幕する。本作は、1930年代にアメリカで誕生したアニメーションキャラクター「ベティー ブープTM」が、白黒アニメーションの世界から、カラフルで活気あふれる現代 … 続きを読む

page top