山田杏奈&奥平大兼「自然な芝居ができて、すごくいい現場になった」“密室型”青春ミステリーでW主演【インタビュー】

2022年11月4日 / 08:00

 “平成のエラリー・クイーン”の異名を持つ作家・青崎有吾の小説を原作とした「WOWOWオリジナルドラマ 早朝始発の殺風景」が11月4日から放送される。本作は、早朝の始発電車や放課後のファミレス、観覧車の中などの日常の中で、その風景が一瞬にして変化し、展開する高校生たちの“5つ”の密室会話劇。始発電車で偶然出会うクラスメートの殺風景役の山田杏奈と加藤木役の奥平大兼に本作の見どころや学生時代の思い出などを聞いた。

山田杏奈(左/ヘアメーク:菅長ふみ/スタイリング:中井彩乃)と奥平大兼(ヘアメーク:速水昭仁/スタイリング:伊藤省吾(sitor) (C)エンタメOVO

-お二人は、共にWOWOWドラマ初主演となります。出演が決まったときの心境を教えてください。

奥平 他の作品でも主演だからといって特別に意気込んだりすることはないので、普段通り頑張ろうという感じでした。いい意味で、いつも通りにやっていました。

山田 私はWOWOWのドラマには何作品か出演させていただいているのですが、これまでは年上の方に混じってお芝居をさせていただくことが多かったので、今回は主演で、しかも同年代の俳優が多い作品ということに新鮮さを感じました。そういう意味で、いつもよりも考えることは多かったと思いますし、奥平くんと一緒にお芝居できるのも楽しみでした。

-脚本を読んだときの感想は?

奥平 僕は、初めは自分が演じる役を意識しないで読むようにしているので、そういう目線で読むと、掛け合いが面白い作品だなと思いました。その後、いざ自分が加藤木を演じることを意識しながら読むと、これをどんなふうに撮影するんだろうというのがすごく楽しみでした。山田さんがさっき言ったように、同世代のキャストが多かったというのも楽しみなところでした。

-奥平さんは「初めて台本を読んだときに、特殊なシーンが目に止まりました。台本を読みながら、『このシーンはどうなるんだろうと』などと一人で考えて楽しんでいました」とコメントを出していましたが、特殊なシーンとはどんなシーンですか。

奥平 日常を描いた物語ではあるのですが、普段は体験しないようなシーンが多いなと思ったんです。特に物語の後半ではそういうシーンがいろいろとあって(笑)。そうしたシーンはどこで撮影するかというのも大事だと思うので、撮影場所に行くのが楽しみでした。

-山田さんは、脚本を読んでどんな感想を抱きましたか。

山田 私は、もともと会話の中で真実を見つけていくというテーマの作品が大好きなので、この台本も本当に楽しく読ませていただきました。原作のキャッチコピーに「青春は気まずさでできた密室だ」というワードがありますが、まさにその“気まずい時間”が描かれていて、これをどう表現するのだろうとすごく楽しみでした。

-山田さんが演じる殺風景はある思いを抱えて、始発電車に乗っているという女子高生ですが、そうした「何かを抱えた」役を演じる面白さはありましたか。

山田 殺風景は、笑わないんです。彼女がどうして感情を表に出さないのかという理由が物語の中でだんだんと描かれていくので、そのバックグラウンドを考えながらお芝居をするのは難しくもあり、楽しくもありました。何が彼女の原動力になっているのかを考えながら演じました。

-奥平さんは、そうした山田さんの演技に反応する形で役を作っていったのですか。

奥平 そうですね。僕が最初にお芝居を教えてもらったときに、「現場に入るまで何も考えるな」と教わったので、今はそのやり方を貫きたいと思っています。それが正解なのかは分かりませんし、いつか(その考えも)変わるかもしれませんが、現場で、相手のせりふを聞いたときに感じる感情を大切にして、ナチュラルに自分のせりふを言いたい。なので、殺風景だけの撮影シーンを見たり、殺風景がどんなせりふを言うのかを全て覚えたりはしないようにしていました。今回、殺風景は、何をしてくるか分からない人物で、予想外のことを言ってくるので、そうした僕のやり方がよかったのかなと思います。

山田 私も、その相手のせりふを覚え過ぎないというのはすごくよく分かります。そのときに感じたことが演技のヒントになるんですよね。殺風景は相手をよく見ていて、相手に合わせて動く人物だったので、今回はまた違いましたが。でも、奥平くんがすごくフレッシュな反応をしてくれるので、私も一緒に自然な芝居ができて、すごくいい現場になったと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】異領域を融合する舞台芸術、演出家イ・インボの挑戦

舞台・ミュージカル2025年7月3日

 グローバルな広がりを見せるKカルチャー。日韓国交正常化60周年を記念し、6月28日に大阪市内で上演された「職人の時間 光と風」は、数ある韓国公演の中でも異彩を放っていた。文化をただ“見せる”のではなく、伝統×現代、職人×芸人、工芸×舞台芸 … 続きを読む

毎熊克哉「桐島が最後に何で名乗ったのかも観客の皆さんが自由に想像してくれるんじゃないかと思いました」『「桐島です」』【インタビュー】 

映画2025年7月3日

 1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を、高橋伴明監督が映画化した『「桐島です」』が、7月4日から全国公開される。本作で主人公の桐島聡を演じた毎熊克哉に話を聞いた。 -桐島 … 続きを読む

磯村勇斗&堀田真由、ともにデビュー10年を迎え「挑戦の年になる」 ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」【インタビュー】

ドラマ2025年7月2日

 磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。6月29日放送の第25回「灰の雨降る日本橋」では、浅間山の噴火によっ … 続きを読む

Willfriends

page top