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阿部寛が、犯罪捜査一筋の一課から警察の音楽隊へ飛ばされた“鬼刑事”を演じる映画『異動辞令は音楽隊!』。『ミッドナイトスワン』(20)の内田英治監督によるオリジナル脚本が斬新だ。音楽映画の高揚感を取り入れた刑事ものか、はたまた刑事もののサスペンスやスリルに満ちた音楽映画か。8月26日(金)の公開を前に、監督に話を聞いた。
こんなに盛り上がるんだ! というぐらい、お客さんもいっぱい入って上映も盛り上がりましたが、何より阿部さんがスターだということを改めて実感しました。異国なのに観客を沸かせることができる。やっぱり『テルマエ・ロマエ』の力が大きいと思うんですけど、外国でも十分に通用するオーラを持っていると思いました。今までに受賞している方々が、イ・ビョンホンとかドニー・イェンとか、すごいメンツなんで、阿部さんがこの作品で日本人初としてそこに加わったことは、本当にうれしいです。
警察に音楽隊があると知ったときに、それを題材にした小説や映画はありそうだと思ったのですが、調べても見つからなくて。こんないい題材なのに、逆にこれはチャンスだと。警察ものとしても視点が新しいし、しかも警察の音楽隊はニューヨーク市警など、世界中にあるんです。単に音楽隊に焦点を当てるのではなく、主人公を刑事一課という出自にして、事件を解決することに未練を持たせることで、二つの物語が同時進行する展開が最初から浮かびました。音楽隊員が事件を追いかける物語ではファンタジーになっちゃうので、そこをどう成立させるのかには苦労しましたが。やはり、事件の解決と音楽映画としての盛り上がりを最後にリンクさせたかったですから。
警察役が多いことは知っていましたし、最近は特に続いていましたけど、それよりはドラムですね。阿部さんがドラムをたたく姿はカッコいいだろう、という方に意識がいっていました。楽器はドラムかトランペットを考えていたので、阿部さんに決まった時点ですぐにドラムだなと。やっぱり重量級が似合いますよね。
実際に僕が、音楽を通して変わっていく経験をしているので、阿部さんが演じる成瀬という堅物の警察官が音楽というとても柔らかいものに触れて変化していく過程ですね。だからこそ、実際に本人にドラムをたたいてもらって、たたけるようになってもらうことが重要でした。つまり音楽という柔らかいものによって、彼の心がほぐれていく。自分がそうでしたから。僕の場合は、変なふうに映画というものにこだわっていたんですけど、音楽も好きになったことで、映画といってもいろいろあることに気付き、柔らかくなっていった。自分のそういう経験があったので、それを踏まえて作りました。
みんながそうだと思うんですが、最初の頃はなかなかうまくいかなくて。オリジナル企画は通らない、でも映画は撮りたいという葛藤や、大きい映画とか、有名な俳優さんが出ているとか、ブランドにもこだわっていた気がします。それがインディーズでもいいから自分がやりたいことをやる方が映画らしいんじゃないかという考え方にシフトしました。
僕は、逃避としての映画からスタートしています。子どもの頃に。海外から日本に帰ってきて、最初はなじめなかったんです。映画館だけが居心地がよかった。そこから映画にのめり込んでいきました。
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