エンターテインメント・ウェブマガジン
確かに、現代を描きたいという意識はそれほどないかもしれないですね。でも、時代の変化には興味がある。ただし、時代の変化によって起きる社会問題を斬るつもりは全くない。物事の良し悪しや自分の判断を押し付けることが、一番映画的でないと思うから。それでも、自分が社会に対して思っていることがつい台本のせりふになって出てきたりして、テーマになってしまうことはありますし、対比にも確かに興味があります。それは近代ではなくても、家に歴史本があるのでたまに開いて、中世のヨーロッパと現代を対比させて想像したりすることは好きです。人間の何が変わって何が変わらないのかと。
対比は娯楽の要素としては、確かに強いですよね。でも、特に最近は、このテーマを際立たせるために対比させようという意識はあまりない。今は変化の過渡期だから、個人の感情が後回しにされる。善いことと悪いことが決めつけられる時代になってきている気がします。だけど人間って、本来さまざまな感情があるもの。それなのに今は、完璧な善人だけが求められる。善しかない人間なんていないことは誰だって分かっているはずなのに。社会が求めるものと個人の感情がかけ離れている気がするので、それを脚本にしたいという思いは強いです。
それはアーティストや報道メディアにも言えることですけど、自由に表現できなくなってきているというか、何が本当の多様性なのか誰にも分からなくなってきている気がします。
(取材・文・写真/外山真也)
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