エンターテインメント・ウェブマガジン
確かに、現代を描きたいという意識はそれほどないかもしれないですね。でも、時代の変化には興味がある。ただし、時代の変化によって起きる社会問題を斬るつもりは全くない。物事の良し悪しや自分の判断を押し付けることが、一番映画的でないと思うから。それでも、自分が社会に対して思っていることがつい台本のせりふになって出てきたりして、テーマになってしまうことはありますし、対比にも確かに興味があります。それは近代ではなくても、家に歴史本があるのでたまに開いて、中世のヨーロッパと現代を対比させて想像したりすることは好きです。人間の何が変わって何が変わらないのかと。
対比は娯楽の要素としては、確かに強いですよね。でも、特に最近は、このテーマを際立たせるために対比させようという意識はあまりない。今は変化の過渡期だから、個人の感情が後回しにされる。善いことと悪いことが決めつけられる時代になってきている気がします。だけど人間って、本来さまざまな感情があるもの。それなのに今は、完璧な善人だけが求められる。善しかない人間なんていないことは誰だって分かっているはずなのに。社会が求めるものと個人の感情がかけ離れている気がするので、それを脚本にしたいという思いは強いです。
それはアーティストや報道メディアにも言えることですけど、自由に表現できなくなってきているというか、何が本当の多様性なのか誰にも分からなくなってきている気がします。
(取材・文・写真/外山真也)
映画2025年12月28日
【日本映画】 邦画界は、今年も『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『チェンソーマン レゼ篇』『名探偵コナン 隻眼の残像』など、アニメーション作品が興行成績の上位を占めたが、実写映画でも大ヒット作が生まれた。歌舞伎を題材とした … 続きを読む
ドラマ2025年12月26日
▽家族を世話する母 ムン・ソリは、「クイーンメーカー」(23年)や「私たちの人生レース」(同)のように、女性の主体性や自分らしさを打ち出す役を担い、エンパワーメントの姿を体現してきた。だが「おつかれさま」では、“肩書きのない母”を真 … 続きを読む
映画2025年12月24日
-この映画は、ちょっとフランス映画みたいなところがありましたね。 分かります。私もそう思いました。確かにそういう味わいがありますね。最初の撮影が、矢添と2人で、部屋で紅茶を飲んでいるシーンだったんですけど、プレイバックしてモニターを見た時 … 続きを読む
映画2025年12月23日
-12年という時間が、そういう皆さんの固い絆を作り上げたわけですね。そんな作品に出合える機会は、俳優人生の中でめったにないことだと思いますが、皆さんにとって「緊急取調室」シリーズとはどんな存在でしょうか。 天海 12年という時間とエネルギー … 続きを読む
映画2025年12月20日
『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(12月19日公開) 友人の結婚式で知り合ったデビッドとサラは、レンタカーのカーナビに導かれ奇妙なドアにたどり着く。そのドアの先は、それぞれの「人生で一番やり直したい日」につながっていた。“ … 続きを読む