天才数学者の頭脳戦が舞台に 「アルキメデスの大戦」鈴木拡樹&宮崎秋人【インタビュー】

2022年7月23日 / 08:00

 数学者の視点から第2次世界大戦を描いた、三田紀房の漫画『アルキメデスの大戦』。2019年には山崎貴監督によって映画化され、大きな話題を呼んだ作品が舞台化され、10月1日に開幕する。主人公の天才数学者・櫂直(かい・ただし)を演じる鈴木拡樹と、櫂を補佐する海軍少尉・田中正二郎を演じる宮崎秋人に、本作の見どころや公演への意気込みを聞いた。

宮崎秋人(左/ヘアメーク:野中真紀子(é clat)/スタイリスト:青木紀一郎)と鈴木拡樹(ヘアメーク:AKI/スタイリスト:中村美保) (C)エンタメOVO

-2020年6月に上演予定だった本作ですが、新型コロナの影響により全公演が中止に。今回、約2年の時を経て、待望の上演となります。改めて、本作への思いを聞かせてください。

鈴木 2年前は稽古すらできない状態で、不完全燃焼のまま終わってしまいましたが、こうして当時とほぼ同じキャストで再び上演できることになりました。リベンジする価値のある作品だと思いますし、全公演完走を目指し、コロナ禍を乗り越えたと思っていただける作品にしたいと思います。

宮崎 まずは、こうしてまたキャストたちが集まって公演ができることにうれしさを感じています。ロシアやウクライナのこともあり、今は2年前では考えられなかった世界情勢で、この作品がより身近に感じることになってしまうのは悲しいことではありますが、こうしたときだからこそ、使命感を強く持って公演に挑むことができると思いますので、しっかりと皆さんにお届けできたらと思います。

-脚本を読んでどんなところに魅力を感じましたか。

鈴木 この時代背景の作品で、日本国内の造船に対する賛否を描いた物語はあまりないと思います。世界規模の大戦が起こっている中、造船という一つのものに焦点を当てているので、そこがこの作品ならではの魅力で、きっと楽しんでいただけると思います。

宮崎 僕はこれまで戦争映画はたくさん見てきて、やはり「戦艦大和」は当時の象徴だったり希望だったりした面もあるのだと思います。それを否定する立場の人物も出てくるのが今回の作品です。角度が変われば彼らの正義も起こった事象の見え方も変わってきます。改めて、戦争について考えさせられる作品だと思いました。

鈴木 本当に考えさせられる作品なんですが、莫大(ばくだい)な量のせりふなんですよね(笑)。映画も見ていたので、もちろん、想像はしていたんですが、度肝を抜かれました(笑)。今回、僕が演じる櫂は、行動するよりも計算してから動くという、理系タイプの人間で、淡々とそのせりふを話します。僕自身は、文系で、こうした役柄を演じるのも初めてなので、真逆な人物を演じることを楽しめるところまで稽古をしていきたいと思います。

宮崎 会話で紡がれていく作品なので、いろいろな人との会話を楽しめたらと思っています。それから、僕が演じる田中は、櫂と出会うことによってどんどん変わっていき、最後は力を合わせて成し遂げようとします。その成長を作品の中でしっかり見せられたらと思いますし、自分を出す男ではないけれども、垣間見える部分はたくさんあるので、そこもいやらしくないように出していけたらと思っています。

-全公演が中止となってしまった20年から2年がたちましたが、この2年間で自身の中でどんなところに成長や変化を感じていますか。

鈴木 先日まで出演していた舞台は、僕にとって約半年ぶりの舞台でした。これまでは、舞台に出演しない期間がこんなにも長かったことはないんですよ。半年も空いたのは初めてだったので、改めて舞台の楽しさを実感しましたし、お客さまが劇場に来てくださることに、そして演劇ができることにありがたさを感じました。なので、そういう思いは、2年前に比べて強くなっているかなと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「ラムネモンキー」「今回は山下達郎の『クリスマスイブ』が効いてたね」「事件の鍵は都市開発にあるのでは」

ドラマ2026年2月26日

 「ラムネモンキー」(フジテレビ系)の第7話が、25日に放送された。  本作は、かつての恩師の失踪事件の謎が3人の大人を再起動させる「1988青春回収ヒューマンコメディー」。反町隆史、大森南朋、津田健次郎主演。脚本は古沢良太氏。(*以下、ネ … 続きを読む

ゴーマン・シャノン・眞陽(まひな)「ブレンダン・フレイザーさんは、心も体も大きな太陽みたいな存在の人です」『レンタル・ファミリー』【インタビュー】

映画2026年2月26日

 東京で暮らす落ちぶれた俳優のフィリップが、レンタル・ファミリーの仕事を通して自分自身を見つめ直していく姿を描く『レンタル・ファミリー』が2月27日から全国公開される。『ザ・ホエール』でアカデミー主演男優賞に輝いたブレンダン・フレイザーが主 … 続きを読む

渡辺大知「僕が演じた駒井という人物そのものがカメラの役割を果たしています」『道行き』【インタビュー】

映画2026年2月23日

 大阪から奈良に移住してきた青年・駒井は、御所市に代々暮らす老人・梅本から購入した古民家の改修工事を進めている。たびたび様子を見に訪れる梅本が語る昔の町や家に流れてきた時間の話が、駒井に大切な風景を思い出させる。『おばけ』でPFFアワード2 … 続きを読む

吉田恵里香氏「寅子の視点では描けなかったものを、どれだけ描けるか」「虎に翼」スピンオフに込めた脚本家の思い「山田轟法律事務所」【インタビュー】

ドラマ2026年2月23日

 2024年に放送されたNHKの連続テレビ小説「虎に翼」。女性として日本で初めて法曹界に飛び込んだ佐田寅子(伊藤沙莉)の歩みを描いた物語は大きな反響を呼ぶと共に、第62回ギャラクシー賞テレビ部門大賞に輝くなど、高い評価を受けた。そのスピンオ … 続きを読む

【映画コラム】2月前半の公開映画から『ほどなく、お別れです』『クライム101』『ブゴニア』

映画2026年2月21日

『ほどなく、お別れです』(2月6日公開)  就職活動に苦戦する美空(浜辺美波)には、亡くなった人の姿が見え、声を聞くことができるという秘密があった。そんな彼女の能力に気付いた葬祭プランナーの漆原(目黒蓮)は、美空を葬祭プランナーの道へといざ … 続きを読む

Willfriends

page top