エンターテインメント・ウェブマガジン
2020年3月に公演途中で中止となったミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」が8月26日から再演される。本作は、映画『リトルマーメイド』や『美女と野獣』などの音楽を手掛け、アカデミー賞をはじめ、数々の賞を受賞したハワード・アシュマンとアラン・メンケンの名コンビが、1960年の同名ホラー映画をミュージカル化。20年の公演に続き、主人公のさえない青年・シーモア役をWキャストで演じる、鈴木拡樹と三浦宏規に、再演が決まった思いや意気込みを聞いた。
鈴木 昨年は、一度、幕を開けることができましたのでホッとする思いもありましたが、作品を届けることができなかったお客さまがたくさんいらっしゃいました。(当時)完全に納得したかというとそうではありませんでしたが、今回、1年という短いスパンで再び上演できる機会を頂けて、あの日の続きができることをうれしく思っています。あのときの時間が再び動き出すという感覚で、今、稽古に臨んでいます。
三浦 昨年は、さまざまなカンパニーが幕を開けることすらできないという状況だったので、その中で12回上演できたことは本当によかったと思います。ですが、地方公演もかなわず、途中で中止になってしまったことには残念で悔しい気持ちが強くて…。自粛期間中もその悔しい思いが湧いてきました。あれから1年と少しですが、熱が冷めやらぬままに再演できることは非常にうれしく思っています。
鈴木 作品の意図するシーンで笑いが起きていましたし、楽しさを継続してうまく流れていったので、ステージからもお客さんの笑顔が見られましたし、頂く拍手もすごく温かった。そういう意味では、一つの正解として成り立っていたのかなとは思います。
三浦 僕も、やってきたことがお客さんに届いているんだなという感覚はありました。公演数が少なかったからこそ、自分の記憶が美化されているのかもしれませんが(笑)。
鈴木 個人の課題は山積みだったしね。
三浦 それはもうなくなることなんてないですよね。ですが、12回しか公演できなかったので、僕たちだけでなく、お客さまの中でもプレミア感があったんだと思います。
鈴木 僕は、これまでミュージカルにあまり出演してこなかったので、歌の強化をしたいと思っていました。例えば、ビブラートという歌唱法を自然な表現として出すのは僕にはまだ難しかったんです。なので、昨年はストレートに感情をぶつけ、真っすぐに歌い上げていたのですが、やはりビブラートで歌った方が伝わりやすいところもあるので、今回はそれにも挑戦して、形として取り入れられたらと思っています。
三浦 僕はもうあり過ぎて、あり過ぎて…。1公演が終わるごとに、あそこが、ここがといっぱい出てくるんです。それはどの作品でもそうですし、それが楽しさでもやりがいでもあるのですが。特に今、稽古をしていると山のように出てくるので…。より良いものを作るためにも、もっとたくさんの自分の粗を探して、より深く考えて稽古をしていきたいと思っています。
鈴木 三浦くん自身が持っている柔らかさがシーモアにも表れていて、それが人を引きつけると思います。お客さんが愛しやすいシーモアだからこそ、応援しやすいと僕は分析しています。
三浦 拡樹さんのシーモアには、知的さを感じます。シーモアはそれほど賢い人物ではないと思いますが、植物に関してだけは詳しい。拡樹さんが演じるとその知識に説得力があるんです。それ以外は、挙動があまりにも不思議で不恰好なので、その対比も楽しいです。
三浦 そうなんです。それまで僕は、お花屋さんに行ってお花を買うという発想もない人生だったんですが、昨年、役作りのために、お花屋さんに行って、お花を買ってラッピングしてもらったことがあったんです。そのときは、お花を飾る花瓶すら持っていなかったので、ペットボトルに入れていたほどだったんですが、この作品に出演したことで、僕の中でお花屋さんに入るという敷居が非常に下がったように思います。なので、お花屋さんにフラッと行って、気になったお花を買うことができるようになったのは、この作品のおかげです。
映画2025年5月17日
テレ東系で毎週月~金、朝7時30分から放送中の乳幼児向け番組「シナぷしゅ」の映画化第2弾。番組のメインキャラクター「ぷしゅぷしゅ」と相棒「にゅう」が、バカンスで訪れた「どんぐりアイランド」を舞台に繰り広げる冒険をオリジナルストーリーで描き … 続きを読む
映画2025年5月16日
『サブスタンス』(5月16日公開) 50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによってレギュラー番組を降ろされたことから、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、禁断の再生医療「サブスタンス= … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年5月16日
世界中で大ヒットを記録した「梨泰院クラス」が、初めてミュージカル化される。主人公のパク・セロイを演じるのは小瀧望。日本・韓国・アメリカのクリエーターが集結し、さまざまな人種が混じり合う自由な街・梨泰院で権力格差や理不尽な出来事に立ち向かう … 続きを読む
映画2025年5月15日
トム・クルーズ主演の大ヒットスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が、5月23日の公開に先駆けて17日から先行上映される。前作『ミッション:インポッシブル/デッ … 続きを読む
映画2025年5月12日
人生に迷いながらソープ嬢として働く若い女性・加那と、彼女に介護されることになった認知症の祖母・紀江の交流を明るくポップなタッチで描いたユニークな映画『うぉっしゅ』が絶賛公開中だ。 本作で、加那を演じる若手注目株の中尾有伽と共に、紀江役で … 続きを読む