【インタビュー】舞台「時子さんのトキ」高橋由美子 共演の鈴木拡樹を「いい感じに転がしてあげたい」

2020年9月4日 / 08:21

 「20世紀最後の正統派アイドル」として人気を博し、今年で歌手デビュー30周年を迎え、女優としても活躍する高橋由美子が、9月11日から上演される舞台「時子さんのトキ」に主演する。本作は、劇団「ONEOR8」主宰で、脚本・演出家の田村孝裕が手掛ける新作舞台。離婚後、路上シンガーの男に疎遠になってしまった息子を重ねて人生を狂わせていく女性・時子の姿を描く。高橋に、本作の魅力や、歌手デビュー30周年を迎えての思いなどを聞いた。

時子役の高橋由美子

-新型コロナウイルスによる大変な状況の中で、歌手デビュー30周年を迎え、そして、本作の開幕を間近に控えていますが、現在の心境は?

 出演のお話を頂いたときは、こんなに大変な状況になるとは思っていなかったので、私が主演でいいのか、という思いは正直なところありました。だけど、田村さんという面白い作品を手掛けている人と一緒に演劇ができるという喜びの方が勝ったというのはありました。

-歌手デビュー30周年に舞台出演となりますが、本作はどのような作品ですか。

 現代も含めながら、過去にさかのぼったりして、人の嫌な部分を見せられるんだけど、笑っちゃう、みたいな作品です。それによって、少し心がほわっとしたり、キュンとなったりするんですけど、そういうものを、会話劇中心でつむぎ出していくんです。でも、そこに斬新にモノローグを挟んでいくことによって、ただ単に会話劇だけで面白さを引き出していく作品ではないなと感じています。

-時子は、離婚後に一人で暮らしていて、時子の心の隙間を埋める男・翔真と関係を持っていくというという大胆な役どころですが、ご自身と比べてどのようなキャラクターだと思いますか。

 時子については、当て書きで台本を書いていると聞いていたのですが、時子の、これと決めたらすぐ行動に移すというところは自分と重なります(笑)。時子の、ささいなことでもすごく食い下がってディスカッションをするところは、自分では似ていないと思っているのですが、私を知っている人からすると、そういうところも似ているそうです(笑)。言われてみると、一人でお酒を飲みに行って、カウンターに座っている初対面の人たちと会話をしながら飲むのが好きで、そこで、そういうディスカッションをしていました(笑)。残念ながら、今のご時世ではできないですが。

-時子は高橋さんとほぼ同年代の役柄ですね。

 そうです。ただ、時子は結婚をして、子どもがいるという設定なので、そこは私にとって経験のない部分でもあります。そういったところは経験のある方に聞いて、作りあげていこうと思っています。それから、そういう外から見えるところより、もっと内面的なエグいところで、田村さんは芝居を作っていこうとされているような気がするので、そこは田村さんに委ねながら作っていきたいと考えています。翔真との関係についても、難しいところです。「翔真がミュージシャンとして本当は売れてほしくない。だけど、うまくはいってほしいと時子は思っている」と田村さんから聞いていて、複雑で大変な感じがしています(笑)。

-翔真役と時子の息子・登喜(トキ)役の二役を演じる鈴木拡樹さんの印象は?

 かわいいぐらい本当に真面目です(笑)。鈴木くんがインタビューで、演劇や自分のスタイルについて一生懸命に語っていたのですが、自分も演劇を始めた頃に同じような思いを持っていたなと懐かしい思いで聞いていました。息子というには少し大きい気がしますけど、彼が演じる上で、遊びやすいように、いい感じに転がしてあげることができれば、もっと面白いことになるのかなと思っています。

-新型コロナウイルスの影響で、稽古にも今までとは違う大変さを感じていますか。

 コロナの影響があっても、稽古場の雰囲気は以前とさほど変わらずに、雰囲気が暗いということはないです。和気あいあいと芝居は作っています。ただ、稽古中もソーシャルディスタンスを保つことと、マスクとフェースシールドをしなければいけないので、演じる上での距離がうまく測れなくて、きちんと演劇ができているのかが分かりにくいんです。実際に、みんなと芝居を作れているという現状はすごくありがたく感じてはいるんですけど、新しい稽古スタイルには、やりながらなじんでいくしかないのかなとは思っています。

-アイドルとして、そして歌手として30周年を迎えて、どのような気持ちですか。

 2020年に30周年だなというのは数年前からうすうす感じていました(笑)。それで、去年ぐらいから、30周年にライブをやりたいという気持ちがあったんですが、コロナの影響でライブを開催できなくなってしまったんです。それで、何かできないかということを考えていたときに、ベストアルバムを出させていただけることになりました。

 
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