エンターテインメント・ウェブマガジン
ムロツヨシが主演する「連続ドラマW 雨に消えた向日葵」が、7月24日から放送・配信スタートする。本作は、吉川英梨の同名小説『雨に消えた向日葵』(幻冬社文庫刊)を原作に、ある少女失踪事件の真相を追う刑事・奈良健市と、失踪した少女・石岡葵の家族の苦悩と執念の日々を描いたヒューマンミステリー。今回、ムロが演じた奈良は、「喜劇ばっかりやってきた」と話すムロにとって、まさに“新境地”となる、捜査に執念を燃やす刑事という役どころだ。作品への思いや役者としての信念などを聞いた。
僕もこの役を頂いたときはびっくりしました。脚本を読んでも笑わせる必要もないし、そもそも笑うところがない作品でしたので。ただ、こういった役を皆さんに見ていただくにはいい機会だったんじゃないかとは思います。よく、パブリックイメージといいますが、それは僕の一面でしかありません。僕は、20代から演劇をやっていて、「喜劇」と呼ばれる作品に出演していましたが、今回は、僕がその「喜劇」で培ってきた芝居を皆さまにじっくりと見ていただけたらと思っています。
奈良は、妹が事件に巻き込まれてしまったという、僕たちが普通に生きていたらあまりないバックボーンを持っています。そのバックボーンがあるからこそ、妹に対する思い、家族に対する思いがあり、それが刑事という仕事に就いた理由につながっていきます。なので、そこは演じる上で忘れてはいけないところだと感じました。ただ、僕の経験にはないものだったので、それをしっかりと重くとらえるべきなのか、それとも重過ぎずに考えるべきなのか。それから、使命感からくる正義感なのか、正義感があるからこそ背負ってしまう使命感なのか。そうしたバランスを考えながら演じるようにしていました。奈良には、本当に心休まる時間がないんですよ。全てのものを背負って、真っすぐにやりきって、事件に向かっていくというのは、彼のすごいところだと思います。とても難しく、きつい役でした。
監督が「昭和の刑事ドラマっぽさを出したい」とおっしゃっていて、僕も大賛成でしたので、新しい刑事ドラマというよりは昭和っぽさは出ているのではないかと思います。この数年、僕たちがテレビという媒体ではどちらかというと避けてきた、例えばたばこを吸うシーンなどはまさにそれだと思います。
ただ、取り調べに関しては、今回は現代の物語なので、昭和のドラマにありがちな声を荒げる芝居ではなく、冷静に問い詰めるようにしました。これまでも、喜劇では取り調べのシーンを数多くやらせていただきましたが、今回は本当にシリアスに、さまざまな犯人や被疑者と向き合うシーンを演じさせていただいたので、難しくもあり、やりがいがありました。
僕はこれまで喜劇に出演することが多かったので、例えていうならば、素晴らしい変化球投手たちとはいろいろなキャッチボールや対戦をしてきました。ですが、佐藤さんは、ひたすら真っすぐなボールで勝負してくるので、面白かったです。佐藤さんのストレートを間近で見ると、やっぱり伸びてくるんですよ。初速から終速までの速度が伸びるというのは、こういうことをいうんだな、と。本当に今回は、佐藤さんとのキャッチボールが楽しくできました。
「喜劇をやっていたから今の役が生きた」というよりは、どのお芝居もいろいろな要素の上で成り立っているものなので、実は何も変わらないんだと思います。喜劇の中にも悲劇があったり、何げない日常会話のシーンもありますから。こうしてお話する上では、「喜劇をやっている」という言い方をしていますが、実は、演じる上ではカテゴライズはしていないんですよ。与えられた環境、せりふ、ストーリーを背負わせてもらってやることは何も変わらない。ただ、皆さんのイメージとは違う役を演じることでギャップは楽しんでいただけるのではないかなとは思います。
ドラマ2025年12月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語も、残すは12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」の … 続きを読む
ドラマ2025年12月14日
NHKの大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」を持ってついに完結し … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月13日
稲垣吾郎が、2026年2月7日から開幕するPARCO PRODUCE 2026「プレゼント・ラフター」で傑作ラブコメディーに挑む。本作は、劇作、俳優、作詞、作曲、映画監督と多彩な才能を発揮したマルチアーティスト、ノエル・カワードによるラブ … 続きを読む
映画2025年12月12日
イギリスで最初の原作絵本が誕生してから80周年を迎えた人気児童向けアニメ「きかんしゃトーマス」の劇場版『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』が12月12日から全国公開された。シリーズ初のクリスマスムービーと … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月10日
元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む