エンターテインメント・ウェブマガジン
小林 考え過ぎないことじゃないですかね。これを始めたらこの先どうなるかとか考えずに、とりあえず行動してみる。私は、なるべく気楽に生きようと思っているので…。松重さんはどうですか?
松重 俳優でこうやってお仕事を頂いて、お金も頂いているんですけど、大した仕事をしてないなと思っているんですよ。
小林 でも結構な肉体労働だと思うときもありますよ。
松重 俳優は頂いたせりふをカメラの前で言えばいいといえばそれだけ。仕事以外にも世の中にはいろいろと面白いことがあるんじゃないかと考えると、人生残り少なくなってきているんで、やりたいことを自分の心に素直にやろうと思っている。隕石にでも、何にでもぶつかってみたいなと。
小林 新しく何かを始めたとか?
松重 最近は面倒くさいことをやろうと思って。音楽もサブスクリプションでスマホから直接聴けるようになったけれども、あえてレコードを聴くとか。コーヒーも布ドリップでちゃんと出す。車もあえてマニュアル車に乗る。ひげそりも電気とか5枚刃とか、何でそんなに便利にするんだろうと思って、両刃のT字でやるとすごく気持ちがいいことに気付いた。血も出るし、大変なんですよ。でも、便利にしたことで失っていくプロセスがある。このプロセスが豊かだったのにな、ということを忘れかけているので、新しく始めるというよりも逆に回帰しているのが、最近の僕のブームですね。
小林 人生って、ゆったり続いていく中で、少しずつ変わりながら進んでいくもの。私は出来上がった作品を見て、人生というものの時間の流れのいとおしさというか、人生を肯定する目線を感じました。星座が季節で変わっていくように、人生もゆっくりいろいろと景色を変えていくみたいなことを。奇跡は特別なことではなくて、それに気付けるかどうか。隕石にぶつかることも、その捉え方によって、人生の豊かさは変わっていく。
松重 今、ここ2年以上コロナっていうすさまじいものにぶつかっているんですけど、それをどう捉えるかは受け止め方による。時間がたって、「あんなこともあってね、みんなマスクしていたんだよ」ということが奇妙なエピソードとして残っていく。そういう捉え方もあるんじゃないか。人生って、何が起きてもプラスに換えていけばいいんじゃないかというのが、平山監督が長年映画を撮ってこられた結論。最終的にこういうものを撮りたかったんだなと。ありふれたところにいろんな奇跡が転がっているし、「それが人生だよ」といえる応援歌になっている気がします。
(取材・文・写真/外山真也)
2026年9月29日
K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む
映画2026年9月29日
-おばあちゃん役の風吹ジュンさんとの印象に残ったエピソードがあれば。 とても面倒見のいい方で、何か聞いたら何でも返してくれるし、気を使ってくださいました。本当は僕が気を使わなければいけないのに、風吹さんの方から、「大丈夫よ。頑張ろうね」っ … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年9月29日
向井理が主演するM&Oplaysプロデュース「ブランク」が、10月3日から開幕する。本作は、2023年に本多劇場で上演した「リムジン」に続き、向井と倉持裕が再びタッグを組んで贈る新作公演。ある弁護士事務所を舞台に、そこで繰り広げら … 続きを読む
ドラマ2026年9月28日
-そんな珠の父・清治は、現代ではありえないほど娘に厳しく接しますね。 厳しい父親の話は、宇野千代さんの著書にも書かれていることです。現代の視点で見るとつらい話ではありますが、当時の家父長制の下では、ああいう側面があったことは事実です。ただ … 続きを読む
ドラマ2026年9月26日
-劇中では、渡部篤郎さん演じる珠の父・清治が強烈な存在感を放っています。珠と清治の関係も物語の重要なカギになりそうですが、2人の関係をどのように捉えていますか。 実際のお父様は、宇野千代さんが「ドストエフスキーの小説に出てくる狂人のよ … 続きを読む