【インタビュー】ドラマ「TOKYO VICE」アンセル・エルゴート「実際に日本に住んだことが、この役のためにとても役立ちました」

2022年4月22日 / 07:00

-渡辺謙さんら、日本人キャストの印象は? 

 (刑事役の)渡辺謙さんと一緒に仕事ができてとても光栄です。私が初めて見た謙さんの映画は『インセプション』(10)でした。謙さんの表情や声の素晴らしさに感動しました。『硫黄島からの手紙』(06)は感動的でした。『明日の記憶』(06)の演技も素晴らしかったと思います。ブロードウェーで見た「王様と私」では、謙さんの歌にしびれました。だから、一緒に仕事ができてとても幸せなんです。

 ほかの皆さんとも一緒に仕事ができてとても楽しかったです。中でも、感情をリアルに表現する(上司役の)菊地凛子さんはとても素晴らしい俳優だと思いました。時々、自然に出る演技にハッとさせられました。そんな自然な凛子さんの演技が強く印象に残っています。それから、(やくざ役の)笠松将さんの演技もとても好きです。笠松さんはとてもクールですが、感情の激しさを表現するシーンもすてきです。不思議な魅力がある俳優です。一度でも将さんの演技を見たら、きっとファンになると思います。また、彼らが英語のせりふを勉強したように、私も日本語のせりふを勉強しました。だから、皆が同じ船に乗っているような気がしました。

-好きな日本映画があれば教えてください。

 黒澤明監督の『用心棒』(61)です。クリント・イーストウッドの『荒野の用心棒』(64)が大好きだったのですが、父が「あれはクロサワの映画が基になっているんだよ」と教えてくれたので、見てみました。それで、クロサワは世界の名監督の一人だと思いました。子どもの頃は西部劇をよく見ましたが、最近は、サムライとか、日本の伝統的なものが大好きになりました。日本について勉強するためにも、とても役に立ちます。

-実は『ベイビー・ドライバー』(17)の時にもインタビューしたのですが、その後、『ウエスト・サイド・ストーリー』はミュージカル、今回はまた全く違う役柄でした。どんどん演じる役柄が広がっていますが、演じ分けのコツは?

 しっかりと準備をすることと、ストーリーに入り込むことが重要です。ただ、自分一人ではなく、コスチュームやヘアメークのように、周りにいるスタッフが、演じるための手助けをしてくれます。だから、俳優という仕事は、皆さんが思うほど大変な仕事ではありません。

-最後にこのドラマの見どころをお願いします。

 渡辺謙さんとのシーンが見どころです。ジェイクと片桐刑事の関係性ややり取りは、見ていてとても面白いと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)HBO Max _ James Lisle

 ハリウッド共同制作オリジナルドラマ「TOKYO VICE」。4月24日(日)WOWOWで独占放送スタート。WOWOWオンデマンドで第1話配信中。

 

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