【インタビュー】舞台「千と千尋の神隠し」醍醐虎汰朗&三浦宏規、ハクは「美しさの中にはかなさが混在している存在」

2022年1月5日 / 10:00

-演じる上で、ハクと千尋の関係性をどう考えていますか。

三浦 千尋を通して見るハクは頼もしい存在だと思います。最初に千尋に手を差し伸べたのがハクで、それだけに千尋にとってはきっとすごく大きな存在です。格好良くて美しい。龍になった姿は特に、美しさの中にはかなさが混在しているように思います。ハクは、自分も帰ることができていないのに、千尋を助けてあげている。本当は帰りたいという思いも持っていて、その切なさやはかなさが彼の魅力にもつながっているんだろうなと思います。

醍醐 僕も同じように感じていました。やはり、この作品は千尋に感情移入して、千尋の目線で展開していく物語なので、必然的に千尋を助ける存在は格好いいものです。所作一つ取っても、王道の格好良さがありますし、単純に顔も格好いい(笑)。本当に演じるのが難しい役だと思いますが頑張ります。

-醍醐さんは今回、帝国劇場の舞台に初めて立つことになりますね。

醍醐 この業界にいる人ならば、誰もが知っている「帝国劇場」なので、すごく幸せに思いますし、同時に多少の怖さも感じています。皆さんから「足がすくむぞ」と脅されているので(笑)。ただ、僕は基本的にポジティブな性格なので、「何とかなるだろう」という気持ちで、自分を信じていきたいと思います。

三浦 いや、本当に足がすくむんですよ(笑)。舞台という仕事をやればやるほど、どんどんすくんでいくんだろうと思います。偉大さを感じる劇場です。それから、「帝国劇場で『千と千尋』をやるよ」と伝えると、皆さまから「ミュージカルでしょう?」と言われるのですが、この作品はミュージカルではないとのことです! そこはこの場で言っておかないと、と思います(笑)。

(取材・文・写真/嶋田真己)

舞台「千と千尋の神隠し」

 舞台「千と千尋の神隠し」は、3月2日~29日に都内・帝国劇場(2月28日・3月1日はプレビュー公演)ほか、大阪、福岡、北海道、愛知で上演。
公式サイト https://www.tohostage.com/spirited_away/

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことが嬉しい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

-それが変わってきたということでしょうか。  物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。  やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む

【週末映画コラム】『トップガン マーヴェリック』と兄弟のような『F1(R)/エフワン』/過酷な救急医療現場にリアルに迫った『アスファルト・シティ』

映画2025年6月27日

『アスファルト・シティ』(6月27日公開)  犯罪と暴力が横行するニューヨークのハーレム。クロス(タイ・シェリダン)は医学部への入学を目指し勉学に励む一方で救急救命隊員として働き始める。  ベテラン隊員のラット(ショーン・ペン)とバディを組 … 続きを読む

桐山照史「ジュリエットは時生でなければできない」 柄本時生、「見ていいよ」の言葉で「女子になれた」 「泣くロミオと怒るジュリエット2025」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年6月25日

-5年前の初演が初共演でしたが、お互いの印象は? 桐山 同じ事務所の人たちでも同級生が少ないんですよ。なので、ようやく同い年の役者さんとご一緒できるとすごくうれしかった記憶があります。初演が終わってからはそれほど頻繁に連絡を取っていたわけで … 続きを読む

Willfriends

page top