【インタビュー】ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~うずまきナルト物語~うずまきナルト役・中尾暢樹「ナルトが一筋の光に見えたら」

2021年11月26日 / 08:05

 岸本斉史の漫画『NARUTO-ナルト-』の舞台、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の4年ぶりの新作となる「うずまきナルト物語」が12月4日から上演される。本作では、原作の「ペイン来襲編」「五影編」を中心とした物語を展開。主人公・うずまきナルト役は、初演から同役を演じてきた松岡広大の気持ちを受け継ぐ中尾暢樹が演じ、うちはサスケ役の佐藤流司、春野サクラ役の伊藤優衣、はたけカカシ役の君沢ユウキらが続投する。中尾に、「NARUTO-ナルト-」への思い、ナルトを演じる上で意識していること、そして本作の見どころなどを聞いた。 

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~うずまきナルト物語~ (C)岸本斉史 スコット/集英社 (C)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2021

 -ナルト役で出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。

 子どもの頃から好きだった作品ですし、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」という形で舞台を公演していることも知っていたので、ナルトを演じることができるうれしさと同時に、精いっぱいやらなければいけないというプレッシャーももちろんありました。

-本作のキャラクタービジュアルが発表されたときにも大きな反響があったと思いますが、中尾さんご自身は、撮影で実際に“自分がナルトになったとき”にどんな感想を持ちましたか。

 今回、出演が決まったときに、僕はナルトには似ていないんじゃないかと不安もあったんですが(笑)、衣裳を着てヘアメークをしてもらったらナルトに見えたので、改めてこのカンパニーの技術力の高さを感じました。それと同時に、自分でもナルトに見えたことで安心もしました。

-現在、鋭意稽古中ということですが、ナルトを演じる上でどんなところを意識していますか。

 今回、初めてナルトの父である4代目火影の波風ミナトと話すシーンが出てきます。そのシーンは、特に本作の中でもポイントになると思っています。師匠や仲間、ライバルに対しての表情とはまた違った顔で“家族”と話をすると思うので、それをうまく表現し、さらに(ナルトというキャラクターにも)深みを出していけたらと思っています。

-ナルトに共感を覚えるところはありますか。

 僕自身は、ナルトのように「全員が仲間だから、全員を助けたい」という懐の深さや大きさはありませんし、共感というとあまりないのですが、ナルトの気持ちはストレートなので理解はしやすいです。「里を救いたい」「全員を助けたいんだ」という思いを持ってお芝居に臨むことで、ナルトにも近づいていっている感覚はあります。

-中尾さんは映像作品でも活躍していますが、本作のような2.5次元ミュージカルにおいては、どのように役作りをしていますか。

 例えば、今作であればアニメ化もされているので、そこで発音や声をイメージすることができます。それこそ(ナルトの口癖である)「だってばよ」の言い方も、ファンの方は皆さんご存じだと思います。なので、そこは必須で必要なところだとは思います。ですが、ただ声をまねすればいいとか似せていくということではなく、僕は、ナルトがサスケや自来也に対してどんな思いを持っているのかという、心情的な部分をまずは作っていきます。その人物が抱えている思いや行動論理を自分の中に入れることが、行動や姿勢にも影響してきて、そのキャラクターに近づいていくんだろうと僕は思っています。もちろん、先ほどの「だってばよ」の言い方もそうですが、「このシーンはこの動きでなければ絶対に駄目」という外してはいけないところはあると思います。

-この作品を通して、ご自身のどんな成長を期待していますか。

 今回のストーリーは、特に重いシーンが多いんですよ。その中で、ナルトが一筋の光に見えたらいいなと思って演じています。なので、僕も(気分が)落ち過ぎないように、つらいときも笑って吹き飛ばせるぐらいの思いで演じていけたらと思いますし、そういうパワーをこの作品で身に付けることができたらと思います。それから、舞台作品で主演を務めるのが今回、初なんです。真ん中に立って、ナルトという役を背負うことで、きっと千秋楽を迎えたときには僕自身が大きく成長しているとは思います。

-座長として意識していることは何かありますか。

 僕は、あまりそういうタイプではないので(笑)。稽古場でのまとめ役は、君沢さんなどたくさんの先輩方がしてくださって、僕は甘えさせてもらっています。今回、稽古場に入る前から、がんばり過ぎず、座長を意識し過ぎないで、自分にできることを精いっぱいやろうと決めていました。なので、今はまず自分の演技にしっかりと向き合い、できることをしていきたいと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

南沙良「人間関係に悩む人たちに寄り添えたら」井樫彩監督「南さんは陽彩役にぴったり」期待の新鋭2人が挑んだ鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』【インタビュー】

映画2025年7月4日

 第42 回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃の小説を原作にした鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』が、7月4日公開となる。浪費家の母(河井青葉)に代わってアルバイトで生活を支えながら、奨学金で大学に通う主人公・宮田陽彩が、過酷な境遇を受 … 続きを読む

紅ゆずる、歌舞伎町の女王役に意欲「女王としてのたたずまいや圧倒的な存在感を作っていけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月4日

 2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。  物語の舞台は歌舞 … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】異領域を融合する舞台芸術、演出家イ・インボの挑戦

舞台・ミュージカル2025年7月3日

 グローバルな広がりを見せるKカルチャー。日韓国交正常化60周年を記念し、6月28日に大阪市内で上演された「職人の時間 光と風」は、数ある韓国公演の中でも異彩を放っていた。文化をただ“見せる”のではなく、伝統×現代、職人×芸人、工芸×舞台芸 … 続きを読む

毎熊克哉「桐島が最後に何で名乗ったのかも観客の皆さんが自由に想像してくれるんじゃないかと思いました」『「桐島です」』【インタビュー】 

映画2025年7月3日

 1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を、高橋伴明監督が映画化した『「桐島です」』が、7月4日から全国公開される。本作で主人公の桐島聡を演じた毎熊克哉に話を聞いた。 -桐島 … 続きを読む

磯村勇斗&堀田真由、ともにデビュー10年を迎え「挑戦の年になる」 ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」【インタビュー】

ドラマ2025年7月2日

 磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む

Willfriends

page top