【インタビュー】「連続ドラマW 華麗なる一族」中井貴一「原作の万俵大介像を大切に」内田有紀「自分が生きてきた全てを高須相子という役にぶつけようと」山崎豊子の傑作に挑戦!

2021年4月16日 / 06:00

-まさに、現場でも大介と鉄平のような感じで?

中井 そうですね。大介を演じていると、鉄平という男の甘さが見えてくるんです。山崎さんの原作には、そういうものがすごくうまく描かれている。その甘さや憂いみたいなものを一生懸命出そうとしている向井くんの姿勢には、とても好感が持てました。彼にぴったりな役であることは、ご覧いただければすぐに分かると思います。

内田 向井くんとは何度か共演したことがありますが、鉄平が大介さんに真正面からぶつかる場面の撮影では、今まで見たことのないような顔をしていたんです。私も精いっぱい、貴一さんに食らいついていきましたが、向井くんも、鉄平が大介に向き合うときの甘さや若さ、哀愁といったものを、現場で爆発させるように、自分の中でいっぱいいっぱいに作ってきている。それを見ると、私もさらに精いっぱい向き合わなければ…という気持ちになって。そういう相乗効果がすごくありました。言ってみれば、いいライバル関係のような感じです。

-半世紀前に生まれた『華麗なる一族』という物語の現代に通じる魅力とはなんでしょうか。

中井 やっぱり、人間の普遍性ってあるんですよね。時代が変われば、着るものや、乗る車、使う電化製品などは変わりますが、人間の本質は変わらない。そういう意味では時代を越え、現代の視聴者の方にも人間味にあふれたドラマとして楽しんでいただけるのではないでしょうか。

内田 原作を読んだとき、「人の不幸は蜜の味」という言葉が頭に浮かんできたんです。華やかな世界の栄光と、そこからの崩壊や転落といった部分が魅力のような気がして。でも、自分で演じてみると、相子には何も恥じることはなく、「ここで精いっぱい生きていく」と覚悟を決めた女性であると思えてきた。高須相子や万俵大介という人に対して、見る側と演じる側とではこんなにも印象が違うのか…と驚きました。人間の本音や正直な部分を包み隠さず体現しているのが大介と相子です。今回は、今の時代に合わせて進化した高須相子と万俵大介になっているので、皆さんに楽しんでいただけるのではないかと思います。

(取材・文/井上健一)

万俵大介役の中井貴一

 

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