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NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。幕末から昭和にかけて、最後の将軍・徳川慶喜に仕えた後、実業家として500を超える企業に携わった“日本資本主義の父”渋沢栄一の生涯を描く物語だ。本作で主人公・栄一(吉沢亮)の生涯の相棒として、共に激動の時代を歩んでいくのが、いとこの喜作。演じる高良健吾が、撮影の舞台裏や役に込めた思いを語ってくれた。
まず、渋沢栄一のことをよく知らなかったので、当然、喜作のことも知りませんでした。そこで、渋沢栄一がどんな人なのか調べてみたんです。そうしたら、「なぜこういう人が存在したことを、今まで知らなかったんだろう?」とびっくりしました。そのいとこを演じられるということで、うれしかったです。
僕は以前、幕末に亡くなった人物を演じたことがある(2015年「花燃ゆ」の高杉晋作役)ので、信念を貫くことの美学や潔さ、格好良さがあることは分かります。ただ、そういう生き方をして、若くして命を落とす人も多かった。でも栄一は、「どうすればこの国がよくなるのか、それが何のためになるのか、誰のためになるのか」ということを考え、先の先を見ることができた。自分の真ん中にあるものを大切にして、たとえそのときは「裏切り」と思われても、その先にあるものを信じられる強さがあった。それは才能と言ってもいいと思いますが、そういうところに引かれました。そんな栄一のそばにいたからこそ、喜作も生き延びられたんだろうな…と。
喜作だけでなく、血洗島の渋沢一族全員に対して言えることですが、みんな真っすぐで、素直で、国を思う気持ちがすごく強い。それは、栄一も惇忠(田辺誠一)も長七郎(満島真之介)も平九郎(岡田健史)も、みんな同じ。そういう気持ちを持ちながらも、まだ何者でもないかわいらしい青年たちがどんなふうに変わっていくのか。その成長をこれから表現していくことになります。そういう意味では、血洗島にいる序盤は、まだ何者でもない少年っぽさが見どころだと思っています。
最初のうちはふざけています。説得力がないふざけ方ですね。国を思って自分たちがやることに対して、勢いはあっても説得力がないので、その軽さや説得力のなさ、みたいなものを大事にして。年上の喜作は「自分が兄貴分で、栄一は弟だ」と言っていますが、僕自身はその辺はあまり意識していません。単に栄一よりも二つ年上というだけで、変に威張るわけでもなく「兄貴だ、弟分だ」と言っているだけじゃないかな、と。むしろ、喜作が栄一に甘えている節もあるので、逆にそこを意識するようにしています。
「最初のうちは、とにかくわちゃわちゃやろう」と話しています。わちゃわちゃやっているかわいらしい2人が、国のために行動するようになるにつれ、だんだん説得力が増し、お互いの関係性も変わっていく。そういう姿が切なくなったり、頼もしくなったりするはずなので。だから、とにかく最初のうちはふざけるところはふざけようと。「ここまでやって大丈夫かな?」ということは考えず、思い切りふざけるようにしています。吉沢くんは、人柄も正直なので、一緒にいて楽ですし、気持ちがいいです。
ずっと変わらないのは、「気持ちのいいやつ」ということです。ただ、言っていることや思いに行動が伴って、次第に説得力が増してきました。栄一と喜作は、どちらも気持ちがいい人間で、直情型で突っ走るタイプ。でも、2人の間でその方向性にだんだんズレが生じていく。それがこの先の見どころになっていくのかな、と思います。
例えば、「花燃ゆ」の高杉晋作で言えば、根は変わらないとしても、最初からみんなが知っている人物ではないはずです。それがだんだん、みんなが知っている人物になっていく。そういう成長や変化をいかに演じていくか。今回は喜作として、そういう部分を楽しんでいきたいと思っています。
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