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2002年にフランスで発刊され、世界中でベストセラーとなった小説『ぼくの名前はズッキーニ』。孤独な少年ズッキーニが、厳しい現実の中でも、前向きに生きようとする姿を描いたこの小説は、アニメーション映画化され、アカデミー賞長編アニメーション部門の候補となるなど、各国の映画賞をにぎわせた。今回、世界で初めて舞台化されることが決定し、2月28日から、都内・よみうり大手町ホールで上演される。主人公・ズッキーニを演じる辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)が、養護施設で出会うカミーユを演じる川島海荷に、本作の見どころ、さらには舞台に立つことへの思いを聞いた。
舞台に何回か出演させていただいているうちに、生の演劇に出る楽しさに気付いてきたので、舞台にまた出演できることがうれしく、身が引き締まる思いでした。
今回の舞台では、大人が子どもを演じるというところもポイントになっているのかなと思います。自然と、子どもに見える瞬間があったり、逆に子どもなのに、冷静に、大人よりも俯瞰して物ごとを見ているところもあって、不思議な感覚があります。私自身、この作品に気付かされることもあったので、大人の私たちが考えさせられる作品になったらいいなと思っています。
どこまで子どもっぽくすればいいのか、今、探りながらお稽古をしていますが、自分の子ども心を引っ張り出して演じられたらと思っています。でも、お稽古に入ってから、普段の自分も子どもっぽくなった気がします(笑)。独り言を言っていたり、役に引きずられているところがあるのかもしれません(笑)。
カミーユは、人に甘えるのが苦手な不器用な子なのかなと思いました。ズッキーニは、真っすぐで、思ったことをすぐ口に出すタイプですが、カミーユは思っていることを1回飲み込むんです。それは、多分、彼女の背景や家庭環境から生じているのですが、そこは子どもらしくないところでもあると思います。演じるに当たっては、ズッキーニや施設の皆さん、大人の人たちの関係性が大事になってくると思うので、そこを大切にしたいと考えています。
公演中止という悔しい思いもしましたが、年末には2人芝居もやらせていただいて、鍛えられたと思います。映像のお仕事に比べて、舞台はお稽古で毎日キャストの皆さんとご一緒して、ディスカッションをしながら作っていくので、密な関係性が作れます。その中での物作りの楽しさが分かるようになりました。
やはり舞台は、後ろの方まで届けなくてはいけないので、そこが大きな違いだと思います。ドラマの場合、あまり大きな動作はないので、表情で思いを伝えます。ですが、舞台の場合は、表情だけでは後ろの方にまで伝えられないと思うので、雰囲気や動作、せりふの言い回しも大切になってくるのだと思います。今回は私も伝えることを意識して、自分を開放して頑張ろうと思っています。
辰巳さんとは本作が初共演ですが、稽古初日にお会いしたときから本当に気さくな方だと感じました。初めましてじゃないのかなと思わせてくれるぐらい、壁のない方で安心しました。それから、お芝居が好きだという思いが伝わってきて、熱量が高く、周りを明るくしてくれるので、なんて気持ちのいい方なんだろうと思いました。
随所でいろいろとありましたが、昨年末に女優のお友達と2人で企画した舞台「PINT」は、私の中で大きな作品でした。今までの私だったら絶対にやらなかったことだと思いますし、お芝居がより好きになったきっかけでもありました。
そういうわけではないんです。昨年は、出演予定だった作品が中止になってしまったり、やりたいことが思うようにできないことが続いて、モヤモヤしていて…。それに加えて、舞台を見に行って、生のお芝居が自分の生活の刺激になっていることを感じて、私もいい作品を届けたいという思いが湧いてきて、やるなら今だと思いつきで周りの方に伝えたのがきっかけでした。企画からすべて行ったので、作り上げる大変さを実感しましたが、すごくいい勉強になったと思います。全力でやれば何かが伝わるんだということも感じましたし、これまで以上に達成感を味わえました。もちろん、その分、緊張も大きかったですし、心配で眠れない日もありましたが、舞台のことだけを考える日々が続いて、全力を出し切れたと思います。
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