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こんなに長い時間、一つの役に取り組むのは初めてです。一人の人生を演じ切ることも、これまでにない経験です。その上で、「麒麟がくる」の織田信長という面白い人物を、皆さんと一緒に構築していく。この経験は、自分にとってものすごい宝だと思っています。こんなにじっくり役を作り上げることは、なかなかできませんから。
自分の中では、現場の空気の軸だと思っています。皆さんで芝居を組み立てていくときも常に冷静なので、自分も冷静でいられますし、どこか全体を客観視されているところもあるので、見守られている空気を感じます。だから自分は、その中で思いっきり暴れることができる。そういう安心感があります。
最初から最後まで変わらなかった人、というふうにしたいと思っています。「本能寺の変だから」と変に意気込むことなく、ブレずに、今までの信長で挑みたいなと。光秀との関係性も、友情を含めてどんどん構築されていくので、どう盛り上がり、どんな切ない場面になるのか。自分自身とても楽しみにしています。
(取材・文/井上健一)
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