エンターテインメント・ウェブマガジン
2017年に主演・大竹しのぶ、栗山民也演出で上演され、第52回紀伊國屋演劇賞の個人賞を受賞した、舞台「フェードル」が1月8日から再演される。ギリシャ悲劇「ヒッポリュトス」から題材を得た本作は、義理の息子に恋をしたことから悲劇へと向かう女性の姿を美しく、破滅的な激情を表現しながら描く。主人公のフェードルを演じる大竹に、本作の魅力、そしてフェードルを演じることの楽しさを語ってもらった。
初演の幕が開いてすぐに、栗山さんが再演をしたいとおっしゃっていたんです。栗山さんは、すごく手応えを感じていたのかもしれません。私自身は、ただただフェードルを演じるのが楽しかったので、再演が実現したことも、再びフェードルという役を演じられることもうれしかったです。
それは、もちろん変わります。イッポリットが若くなったということが大きいかもしれないです。そりゃ、アリシーを選びますよね(笑)。でも、それでもフェードルはイッポリットが好きでたまらない。その姿は、より悲しいですし、恋に狂ってしまった様子を表現しやすいようにも思います。もちろん、演技をしている間は、そういったことは考えませんが、客観的に見たら、その悲しさが際立つのではないでしょうか。ただ、具体的に、相手が変わるから、再演だからこうしようということは考えていないです。
この作品に出てくる人物はみんな、すごくストレートに感情を表現します。突然乙女になったり、相手の態度を見て瞬時に発狂したり…。それが青春っぽいんです(笑)。そういう戯曲はあまりないですし、分かりやすく感情を表現できるのは演じていて面白いです。
それから、この作品は、ギリシャ悲劇をモチーフに作られていますが、ギリシャ悲劇は演劇の原点だと思っているので、そういった意味でも面白さがあります。2003年に(同じくギリシャ悲劇を題材にした)「エレクトラ」という作品に出演させていただいたのですが、その作品に出演したときに、「これが演劇なんだ」と感じました。舞台上には何の装置もなく、ただそこに立って、役者の肉体と感情だけでみんなを引っ張っていくというのが、とてつもなく面白かった。最近の演劇では、映像を使ったり、音楽を使ったりと舞台の見せ方にもいろいろな手法を用いることが多いですが、役者の声と肉体だけでその世界を作り出すというのは、役者にとって最高の面白さがあると思います。そして、それができるのがギリシャ悲劇などの古典作品なんだと思います。
この作品で言えば、とにかくストーリーがスピーディーだということ。フェードルの周りで起こる出来事が、次々と描かれているので、感情も目まぐるしく変わっていきます。旦那さんが死んじゃった。ラッキー。私はイッポリットが好き。権力もあげる。そうしたら、旦那さんが生きて帰ってきた。じゃあ…というように、とにかくすごいスピード感があるんです。なので、感情が乗り遅れないようにしなければいけない。常に感情を爆発させられるような状態を保たなければいけないので、そこは大変ではありますね。
栗山さんのお稽古の進め方がすごく早いので、(再演から参加した)さおりちゃんや遣都くんたちは大変だと思います。この作品は、いわゆる「せりふ劇」なので、スピードのある稽古だと、「どうしよう」ってなってしまうんですよ。私たちも初演のときはそうだったので、慰めたり励ましたりしながら、日々、稽古しています(笑)。でも、2人とも、「すごく楽しい」って言っています。遣都くんなんか「できないところがあるから楽しい。やっていることが楽しい。見ているのも楽しい。注意されるのも楽しい。こういうのが自分に合っていると思う。好きです」と言っていたので、うれしくなりました。演劇の原点とも言えるギリシャ悲劇の作品を好きだと言えるなんて、本当にお芝居が好きなんだと思います。だから、キラキラしていますよ、稽古場でも。でも、それは、遣都くんだけではなくて、この座組み、みんながそうなんだと思います。意識が同じ人間が集まると、稽古場の空気が澄みわたるんです。ベテランも若手も関係なく、ただ芝居が好き、いいものを作りたいという思いが一致した稽古場は、空気がきれいです。
映画2026年11月3日
東京に初めて結成された身体障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」創設の実話に基づく奇跡の物語『4アウト ─もう一度、プレイボール─』が、11月6日から全国公開となる。 戦力外通告を受け、失意の日々を送っていた元社会人野球選手の矢上雄一 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年10月31日
山崎育三郎が主演するミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が2027年1月8日から上演される。本作は、ジョニー・デップ主演で2004年に公開された映画『Finding Neverland』(邦題『ネバーランド』)を元に作られたミュ … 続きを読む
映画2026年10月31日
「ディスクロージャー・デイ」(10月1日公開)★★★★ 宇宙人の存在を知った人類は… 地球外生命体を巡る秘密と、その開示に迫るスティーブン・スピルバーグ監督のSFサスペンス。「未知との遭遇」から約50年。宇宙からの来訪者を描いてきた監督が … 続きを読む
映画2026年10月30日
1983年に公開されるや否や観客の熱狂的な支持を集めた『竜二』。直後に主演・脚本の金子正次が急逝したことも重なり、伝説的作品として時代を超えて語り継がれてきた。その伝説が、新たに『RYUJI 竜二』として令和の現代によみがえる(10/30 … 続きを読む
ドラマ2026年10月30日
横浜流星が主演するドラマ「LOST10」が、毎週金曜午後10時からTBS系で放送中だ。本作は、横浜と映画『国宝』以来の再タッグとなる奥寺佐渡子氏が脚本を担当し、「Nのために」「最愛」などを手掛けた塚原あゆ子監督らのチームが制作するヒューマ … 続きを読む