【インタビュー】「23階の笑い」小手伸也 三谷幸喜演出の舞台で「全力で恩返しをするときがきた」

2020年11月25日 / 08:00

 -演じるに当たって、特別に意識しているところは?

  ニール・サイモンという偉大な作家の作品を演じるということは、僕にとって大きなハードルでもありますし、それを三谷さんが演出すると考えると、緊張で身動きが取れなくなるので、できるだけフラットな気持ちで演じようと思っています。恩返しをしようとか、何かを得ようとか、そういったこともいったんは置いておいて、三谷さんの手のひらの上で踊らされて、それにただ委ねればいいんじゃないかな、と。ただ、翻訳劇ですので、反応の仕方や体を使ったジェスチャーなどは、欧米の感覚に自分を染めていこうとは思っています。欧米人の癖というんでしょうか。それは大事にしたいですね。今年は、僕、それをドラマ「SUITS」で8カ月間もかけてやってきましたから(笑)。そのときの感覚は、そのまま生かせると思います。

 -改めて、本作の見どころを。

  この作品は、群像劇で、多彩なキャラクターが登場します。それらを演じるのは、瀬戸康史さんをはじめとした実力のある俳優の方々です。劇中は、同時にあちこちでさまざまなことが繰り広げられているので、目が足りないと思います。誰に注目するかによっても印象が変わる作品なので、そういう意味では全員が主役です。群像劇のさまを楽しんでもらえればうれしいです。

 それから、笑いを作る人たちがどういう意気込みで作っているのかという、業界の裏側を楽しんでもらえるとも思います。大きな事件が起きるわけではありませんが、面白いものを作りたい人たちが、一心不乱に頭を寄せ合って、ひたむきに頑張っているさまは、実は今の状況にもすごく合っています。(作品の舞台となっている)50年代は、テレビに検閲が入ったりと、政治がエンタメに侵食してきて、業界ががんじがらめになっていった時代でした。今年、新型コロナウイルスが流行したことで、エンタメ業界にはさまざまな制限が加わりましたが、それでも楽しんでもらえる作品を届けたいという、ピュアで強い業界人たちの思いは、この作品の登場人物たちに共通するものがあると思います。そんな彼らの思いを感じ取っていただける作品になるのではと思っております。

(取材・文・写真/嶋田真己)

「23階の笑い」の出演者たち

 「23階の笑い」は12月5日~27日、都内・世田谷パブリックシアターで上演。
公式サイト http://www.siscompany.com/23f/

 

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