【インタビュー】舞台「ハルシオン・デイズ2020」南沢奈央「こういった時代だからこそエンタメで心を癒やしてもらえたら」

2020年10月30日 / 13:15

 演出家・鴻上尚史による定期公演の第18弾「ハルシオン・デイズ2020」が、10月31日から開幕する。本作は、絶望と救済、希望をテーマに、Twitterの「#自殺」で出会った4人の登場人物たちの物語。柿澤勇人、南沢奈央、須藤蓮、石井一孝が出演する。鴻上作品へは2度目の出演となる南沢に、稽古場の様子や公演への思いを聞いた。

南沢奈央、稽古中の様子(撮影:田中亜紀)

-現在、稽古中かと思いますが、手応えは感じていますか。

 すごく面白い舞台になりそうです。毎日、純粋に稽古を楽しんでいます。作品のあらすじなどを読むと、「自殺」や「自粛警察」などの重い言葉が出てきますが、作品全体のトーンとしては、明るく、笑いたっぷりの舞台なので、楽しい作品になっていると思います。

-今回、南沢さんが演じる役柄について教えてください。

 私は谷川和美という元スクールカウンセラーの役です。高校で生徒の悩みを聞く仕事をしていたのですが、カウンセリングをしていた生徒が自殺してしまい、それ以降、その生徒の幻を作り出してしまいます。どうにか乗り越えようと、自殺しようとしている人を次こそ救おうと一生懸命になっています。

-どんなところに重点をおいて演じていますか。

 ステージ上には4人しかいないので、テンポの速い会話で物語が展開していきます。でも、テンポを重視してしまうと言葉が流れてしまって、重みがなくなってしまうんです。カウンセラーという役柄上も、人の言葉を聞くということが大切だと思うので、相手の話から気持ちをくみ取ろうとする姿勢を見せていきたいと思います。

-鴻上さんとは、今回が2度目の顔合わせになりますね。

 はい。4年ぶりになりますが、またご一緒させていただきたいと思っていたので、「やっときた!」とうれしかったです。鴻上さんの「トランス」という作品が大好きで、いつか出演させていただきたいと思っていたのですが、「ハルシオン・デイズ」はその「トランス」の姉妹作ということだったので、ワクワクしました。それから、新型コロナウイルスの影響を受けて、出演予定だった舞台が中止になってしまうということが続いていたので、こういった時期にお話を頂けたこと自体が本当にうれしかったです。

-最初に脚本を読んだとき、本作のどこに魅力を感じましたか。

 「ハルシオン・デイズ」は、16年前に初演されていますが、そのときの作品とは全くの別物に書き上げられています。今現在の日本を表すかのように、コロナの時代で新たに生まれた苦しさも描かれていて、全ての人が共感できる物語になっていると思います。鴻上さんの作品は最終的にポジティブな気持ちになれる作品が多いのですが、この作品も同じで、最後まで見ていただければ、きっと生きていこうというエネルギーが湧いてくると思います。私自身も脚本を読んで励まされました。もっと強いエネルギーを持って頑張らなきゃいけないなと思わせてくれる作品だったので、お客さまにもそう思っていただける作品になるように頑張っています。

-身構えずに見られる作品になりそうですね。

 はい。劇中には「おふざけポイント」もたくさんありますので、たくさん笑っていただけると思います。今回、稽古をしていて、お芝居や物語に没頭していると、普段のつらいことも忘れて心が癒やされるということを改めて感じたので、こういった時代だからこそエンタメで心を癒やしてもらえたらうれしいです。

-コロナによる状況の変化を経験したことによって、南沢さんご自身の舞台や芝居に懸ける思いも変わりましたか。

 お芝居をしたい、舞台に立ちたいという気持ちがどんどん湧いてきて、私はこんなにもお芝居が好きだったんだということに気付きました。それから、表現する場がないことのつらさも感じ、改めて自分が何をしたいのか、どうしていきたいのかに気付けた、ある意味ではいい機会だったなとは思います。

-主演の柿澤勇人さんとは初共演になりますが、柿澤さんの印象を教えてください。

 ミュージカルのイメージが強かったのですが、今回、(ストレートプレーで)お芝居をしている姿を見たら、お芝居も本当にうまくて何でもできる方なんだと思いました。コメディーも似合うんです。鴻上さんからのオーダーに、瞬時に、臨機応変に応えて、お芝居をどんどん変えていくので、本当に素晴らしい役者さんだと思います。

 
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