【インタビュー】映画『みをつくし料理帖』松本穂香「澪はすごいな、と思いながら演じていました」

2020年10月15日 / 11:14

 先にドラマ化もされた高田郁の同名人気時代小説を、角川春樹監督が映画化した『みをつくし料理帖』が10月16日から公開される。さまざまな困難に立ち向かいながらも、店の看板料理を生み出していく料理人の澪を演じた松本穂香に、映画の裏話や、料理についてなどを聞いた。

松本穂香(Photo : Tominaga Tomoko/Hair and Make-up : Oguchi Kana/Stylist : Michihata Ami)

-原作はベストセラー、先にテレビドラマ版(澪役は北川景子、黒木華)もあり、演じる前は相当なプレッシャーがあったのでは?

 角川監督の最後の作品で、そうそうたるメンバーの中で、という点でのプレッシャーはありましたが、先にドラマがあって、というところではあまり感じませんでした。ドラマは見てしまうと気負ってしまうかなと思ったので、あえて見ませんでした。それがかえってよかったのかもしれません。

-本作の大きなポイントの一つは、江戸と上方の料理の味付けの違いです。ご自身は大阪出身で澪と同じなので、言葉遣いに苦労はなく、感情移入もしやすかったと思いますが。

 方言に関しては、つまずくことはありませんでした。私自身は、大阪と東京とのギャップの大きさや、味付けの違いはあまり感じていません。劇中にもところてんが出てきますが、大阪では黒蜜で食べるので、東京に来たときに「ないんだ」とは思いましたが、澪ほどの驚きはありませんでした。澪は敏感な人だと思います。

-今回は、事前に料理学校に通ったと聞きましたが、もともと料理はしていたのでしょうか。

 料理はあまりしていませんでした。今回は、プロの方に基本的な所作から教えていただいて、劇中で使う包丁を使って野菜を切ったり、皮むきをしたりしました。料理人の切り方は、自分が今まで認識していたものとは違っていたりもしたので、そういうところを一から教えていただいて、家で練習をして、また学校に行って、ということを繰り返しました。

-料理人の役をやって、料理を勉強したりもしたので、自分で作ってみたりはしましたか。

 撮影中は、劇中に出てくる料理を、だしから取って、家でも作ったりしました。自粛期間中は、煮物などを作っていました。

-けなげさと一生懸命さ、強さを併せ持ち、周りの人にも恵まれる澪を演じた感想は?

 澪は料理人でお店を持ってやっている人ですが、「私に付いてきて」というタイプではありません。澪が一生懸命に、一心に、料理と向き合っている姿を見て、周りの人も協力したいと思って集まってくるというタイプです。私も、周りの方々を引っ張っていくタイプではないので、できるだけ一生懸命にやって、それで皆さんに「この人だったら」と思ってもらえるようにしたいと思いました。

-澪と自分自身が重なる部分はありましたか。

 「澪はすごいな」と思いながら演じていました。あの若さで「道は一つきり」なんて、覚悟を決めて言える強さがあります。頑張ってそこを演じたい、澪に追い付きたいという気持ちでやっていました。

-角川春樹監督の印象は?

 本読みを何度も重ねてくださり、完全に出来上がった、不安のない状態で撮影に入れたので、とてもありがたかったです。また、撮影に入る前から「澪に成り切るのではなく、穂香のままでいい」とおっしゃっていただいたり、心強い言葉をたくさん頂きました。「女性は褒めて伸ばす」とおっしゃっていたので、現場でも「今日は素晴らしかったよ」と声を掛けてくださったりして、優しく見守ってくださいました。周りの方から「伝説がたくさんあって」と聞いたので、いろんな経験をされた波瀾(はらん)万丈な人生といったら角川監督という印象はあります。私はそういった伝説をあまり知らないまま撮影に入ったので、かえってよかったと思います。

 
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