【インタビュー】『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』朝夏まなと「ジョーの生き方には勇気をもらいました」

2020年10月13日 / 12:00

 第92回アカデミー賞(R)で衣装デザイン賞を受賞した他、作品賞、主演女優賞など6部門にノミネートされた映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』がデジタル先行配信中、ブルーレイ&DVDが10月14日に発売される。ブルーレイ&DVDでは、劇場公開時には見られなかった日本語吹き替え版の他、豪華特典映像も収録。その中で、ジョー役を担当した朝夏まなとに、声優初挑戦への思いや本作の見どころを聞いた。

ジョー役を担当した朝夏まなと

-初めてのアフレコはいかがでしたか。

 私が収録をする前日に、ほかの声優さん方がとっていらっしゃるのを見学に行かせていただいたのですが、プロの皆さんのお仕事は本当に素晴らしくて、これは大変だと改めて感じました。普段の演技では、自分のタイミングで芝居をしているので、(画面の中の)役者さんに合わせて話さなくてはいけないというのはやはり大変な作業だな、と。実際に収録が始まってからも、役者さんの呼吸やタイミングをつかんで言葉を発するということになかなか慣れなかったのですが、やっていくうちに少しずつ、こんな感じなのかな、という感覚は持てるようになりました。

-アフレコで苦労したシーンは?

 四姉妹がそろうシーンでは、みんながランダムに話す場面も多いんです。なので、自分が話すべきタイミングを逃してしまって(苦笑)。そのタイミングを捉えるのがすごく難しかったです。

-印象に残ったシーンを教えてください。

 いろいろとありますが、ローリーがジョーに告白しようとするけれども、それをやめてと説得するシーンは印象に残っています。私がアフレコをしたときには、すでに(ローリー役の)入野(自由)さんのお声が入っていて、それに合わせて録音したのですが、そのシーンはあまり秒数やタイミングを意識せず、自然な掛け合いができたように思います。

-やはり、声に演技を乗せるというのは、舞台やミュージカルとはまた違ったものなんですね。

 全然違いました。声の演技の方が、より繊細な部分があるように思います。ただ、声に集中する分、気にするところが少なくなるとも思いますが。

-それは、例えばどういう点で?

 舞台ですと、全身を見られているので、例えば、振り返り方一つでも、そのときの心情に合わせて動きを変えたりします。ですが、声の演技では、画面の女優さんの表情からくみ取ったものに集中して演技をするという感じを受けました。

-アフレコをして楽しかったことは?

 舞台では描かれていない場面が映画では描かれていたので、それはすごく新鮮でした。例えば、ジョーが編集者のダッシュウッドさんに会いにいくシーンも、舞台では歌で表現されていて、一人で二役やるんです。なので、リアルにダッシュウッドさんと会話をするのは初めてで、面白かったです。それから、映画に出演している俳優さんたちとお芝居をしている気分になれるのも楽しかったです。メリル・ストリープさんやティモシー・シャラメさんとお芝居ができる機会はそうそうないと思いますが、会話しているような感覚になれました(笑)。

-では、役作りはいかがでしたか。ジョーは、舞台でも演じた役なので、入りやすかったのではないですか。

 舞台でも演じていますし、(原作)小説も読んでいたので、イメージはつきやすかったです。ジョーは、自分の夢でもあった小説家になることで、家族みんなを楽にさせてあげたいという強い意志を持っていて、絶対にそれを諦めない強さのある女性です。私は、舞台で演じる上で、その意志の強さを大事にしていたのですが、今回、この作品を見て(ジョーを演じた)シアーシャ・ローナンさんにも同じものを感じました。そういう意味では、ジョーというキャラクターの根本的な部分についてはしっかりと捉えることができていたと思います。ただ、吹き替えの場合は、自分が演じるというよりは、シアーシャさんに気持ちも沿わせていくという作業が必要だと感じました。

-ジョーの魅力はどこにあると思いますか。

 ジョーは変わっていってしまうことへの恐れが強い女性で、四姉妹でずっと一緒に過ごしていたいし、ローリーとはずっと友達でいたい。でも、若草の頃を過ぎれば、みんな大人になってしまって、そのままでいることはできません。だから、多くの人が、大人になるにつれて、いろいろなことを受け入れたり、あるいは手放したり、諦めていくのですが、ジョーは、周りが変わっていっても諦めず、自分の意志を貫きます。ジョーを演じていて、そうした彼女の生き方には勇気をもらいましたし、私もそうやって生きていかないといけないなと感じました。

-現代にも通じる理想の女性像ですよね。

 そうですね。(原作の)『若草物語』が執筆された時代は、女性にはさまざまな権限がなく、働くよりも、結婚をして家庭に入るという時代でしたが、今、女性の社会進出が当たり前になっても、女性の権利の問題や女性蔑視などの問題は、ずっと続いている課題なんだと思います。

 
  • 1
  • 2

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山口馬木也 柴田勝家の最期は「不思議な体験でした」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年8月30日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。8月30日放 … 続きを読む

パク・ジョンミン「一人二役は想像以上に大変でした」韓国のヒットメーカーが「ガス人間」に続いて送り出すサスペンス・ミステリーで熱演『顔 -かお-』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 日本でも話題を集めた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)やエグゼクティブプロデューサー&脚本を務めたNetflix「ガス人間」も大ヒットした韓国のヒットメーカー、ヨン・サンホ。その最新監督作『顔 -かお-』が8月28日から全国公開 … 続きを読む

【映画コラム】「生き残る」とは何か『ラスト・サバイバー』『シェルター』が描く極限の人間ドラマ

映画2026年8月28日

『ラスト・サバイバー』(8月28日公開)  謎のパンデミックによって人類の大半が死滅し、生き残った者たちが奪い合い、殺し合う荒廃した世界。  パイロットのヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)は、元軍人のバングリー(ジョシュ・ブローリン)と共同戦 … 続きを読む

安田章大「僕が演じられたのは、のんちゃんのおかげ」のん「安田さんとの出会いは衝撃でした」自閉スペクトラム症の兄とその妹役で初共演『平行と垂直』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 自閉スペクトラム症(ASD)の大貴は、清掃の仕事に就き、周囲のサポートを受けながら自立した生活を送っている。一方、妹の希は、心理カウンセラーとして働きながら大貴を支えて暮らしていた。長い間、変わることなく続いてきた兄妹の日常は、希の結婚話 … 続きを読む

井桁弘恵、幼少期のバレエの経験が今の「度胸」に 「バレエの魅力をもっと伝えたい」「SWAN -Ballet cross Reading-」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年8月28日

 ドラマ「そこから先は地獄」(日本テレビ)で主演を務め、映画『教場 Requiem』など数々の映画やドラマに出演、「おしゃれクリップ」(日本テレビ)ではMCも務める井桁弘恵。9月4日から上演される「SWAN -Ballet cross Re … 続きを読む

page top