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第92回アカデミー賞(R)で衣装デザイン賞を受賞した他、作品賞、主演女優賞など6部門にノミネートされた映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』がデジタル先行配信中、ブルーレイ&DVDが10月14日に発売される。ブルーレイ&DVDでは、劇場公開時には見られなかった日本語吹き替え版の他、豪華特典映像も収録。その中で、ジョー役を担当した朝夏まなとに、声優初挑戦への思いや本作の見どころを聞いた。
私が収録をする前日に、ほかの声優さん方がとっていらっしゃるのを見学に行かせていただいたのですが、プロの皆さんのお仕事は本当に素晴らしくて、これは大変だと改めて感じました。普段の演技では、自分のタイミングで芝居をしているので、(画面の中の)役者さんに合わせて話さなくてはいけないというのはやはり大変な作業だな、と。実際に収録が始まってからも、役者さんの呼吸やタイミングをつかんで言葉を発するということになかなか慣れなかったのですが、やっていくうちに少しずつ、こんな感じなのかな、という感覚は持てるようになりました。
四姉妹がそろうシーンでは、みんながランダムに話す場面も多いんです。なので、自分が話すべきタイミングを逃してしまって(苦笑)。そのタイミングを捉えるのがすごく難しかったです。
いろいろとありますが、ローリーがジョーに告白しようとするけれども、それをやめてと説得するシーンは印象に残っています。私がアフレコをしたときには、すでに(ローリー役の)入野(自由)さんのお声が入っていて、それに合わせて録音したのですが、そのシーンはあまり秒数やタイミングを意識せず、自然な掛け合いができたように思います。
全然違いました。声の演技の方が、より繊細な部分があるように思います。ただ、声に集中する分、気にするところが少なくなるとも思いますが。
舞台ですと、全身を見られているので、例えば、振り返り方一つでも、そのときの心情に合わせて動きを変えたりします。ですが、声の演技では、画面の女優さんの表情からくみ取ったものに集中して演技をするという感じを受けました。
舞台では描かれていない場面が映画では描かれていたので、それはすごく新鮮でした。例えば、ジョーが編集者のダッシュウッドさんに会いにいくシーンも、舞台では歌で表現されていて、一人で二役やるんです。なので、リアルにダッシュウッドさんと会話をするのは初めてで、面白かったです。それから、映画に出演している俳優さんたちとお芝居をしている気分になれるのも楽しかったです。メリル・ストリープさんやティモシー・シャラメさんとお芝居ができる機会はそうそうないと思いますが、会話しているような感覚になれました(笑)。
舞台でも演じていますし、(原作)小説も読んでいたので、イメージはつきやすかったです。ジョーは、自分の夢でもあった小説家になることで、家族みんなを楽にさせてあげたいという強い意志を持っていて、絶対にそれを諦めない強さのある女性です。私は、舞台で演じる上で、その意志の強さを大事にしていたのですが、今回、この作品を見て(ジョーを演じた)シアーシャ・ローナンさんにも同じものを感じました。そういう意味では、ジョーというキャラクターの根本的な部分についてはしっかりと捉えることができていたと思います。ただ、吹き替えの場合は、自分が演じるというよりは、シアーシャさんに気持ちも沿わせていくという作業が必要だと感じました。
ジョーは変わっていってしまうことへの恐れが強い女性で、四姉妹でずっと一緒に過ごしていたいし、ローリーとはずっと友達でいたい。でも、若草の頃を過ぎれば、みんな大人になってしまって、そのままでいることはできません。だから、多くの人が、大人になるにつれて、いろいろなことを受け入れたり、あるいは手放したり、諦めていくのですが、ジョーは、周りが変わっていっても諦めず、自分の意志を貫きます。ジョーを演じていて、そうした彼女の生き方には勇気をもらいましたし、私もそうやって生きていかないといけないなと感じました。
そうですね。(原作の)『若草物語』が執筆された時代は、女性にはさまざまな権限がなく、働くよりも、結婚をして家庭に入るという時代でしたが、今、女性の社会進出が当たり前になっても、女性の権利の問題や女性蔑視などの問題は、ずっと続いている課題なんだと思います。
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