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NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。9月20日放送の第二十四回「将軍の器」では、各地で戦乱が続く中、主人公・明智光秀(長谷川博己)が支えようとしてきた室町幕府第13代将軍・足利義輝がついに非業の最期を迎える。“剣豪将軍”と呼ばれながらも、乱世に運命を翻弄(ほんろう)された義輝を好演してきた向井理が、撮影の舞台裏、本作を通じて感じたことなどを語ってくれた。
久しぶりの大河ドラマということで、充実した日々を過ごすことができました。
長く続く足利の時代にあって、その終焉(しゅうえん)の始まりに当たる人物だと思います。当時は、重んじてきた伝統と、時代とともに押し寄せる新たな勢力の狭間で揺れる難しい情勢。その中で、将軍として懸命に生きていたのではないでしょうか。しかも、争いごとのない世の中を願っていた。そんなところが魅力的ですよね。その姿を見て、光秀も何かを感じたのではないかと思います。
将軍家の没落を実感しつつも、武家の棟梁としてのプライドを持ち併せているところは大事にしました。13代目まで続いてきた将軍家の重みと、いずれ滅びるというはかなさ。それを両立させることを意識しました。
新しい時代が訪れるということは、古い時代が終わるということ。義輝はその中心にいた人物で、自分の力や思いだけでは抗うことができず、時代にからめとられたような人だったのではないでしょうか。ただ、かわいそうという気持ちはありません。義輝なりに懸命に生きることで、彼の生き方を踏襲する人物もいたはずです。そういう意味での功績はあったのかな…と。
義輝は、将軍という立場上、周りから意見されることも少なく、みこしに担がれている状態だったはずです。その中で、将軍の権威失墜もあり、息苦しさを感じていたところに、自分でも感じていた「将軍とはかくあるべき」ということをスパッと言ってくれた。その光秀の誠実さと勇敢さに心打たれたのではないでしょうか。
初めての共演だったので、こちらがいろいろと吸収させてもらえれば…と思っていました。長谷川さんとご一緒するシーンでは、私の話に対して長谷川さんがリアクションをすることが多かったのですが、実はリアクションはとても難しいんです。リアクション一つで、そのシーンが左右されますから。それをとても丁寧に演じてくださったので、大変助かりました。
とても実直で、裏表がありませんね。もちろん、本能寺の変を起こす張本人ではありますが、やること全てに説得力があるので、今までの光秀像を根本から変えてくれるのではないか…。そんな期待を抱きながら拝見しています。
谷原さんは、ドラマでの共演は初めてでしたが、お芝居はもちろん、普段の会話もとても多彩で、スタッフ、キャスト、分け隔てなく接する姿が印象的でした。眞島さんとは10年振りの共演でしたが、相変わらず誠実な性格とお芝居で、役柄上とはいえ、ものすごく支えていただきました。
聞かせるところは聞かせ、早く展開するところはとてもテンポが良く、作品にのめり込んでしまいます。登場人物も喜怒哀楽がふんだんな上に、情景描写も、そのスケールが頭に浮かんでくるようで、読んでいるだけで楽しくなりました。
主人公だけでなく、周りの人間にも人生があります。いろいろな角度からこの時代を切り取ることで物語が重厚になり、深みが増すところが群像劇の魅力だと思います。
習わしや伝統など、大事なことも多かった反面、抗えないことも多々あったのではないでしょうか。命の重さは今とは全く違ったはずですが、その根底にある意識は、現代にも少なからず流れているのではないかな…と。また、実力次第でのし上がれる一方、切られるのも一瞬。その渦に飲み込まれた人は、ギャンブルのような人生を送ったに違いありません。
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