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NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。物語も中盤を迎え、6月7日放送の第二十一回では、歴史に名高い“桶狭間の戦い”が描かれた。この戦いの主役となった織田信長(染谷将太)と今川義元(片岡愛之助)の間で翻弄されたのが、松平元康(後の徳川家康)だ。演じる風間俊介が、当時の元康の心境を語ってくれた。
「このたびの家康は、皆さんがよく知る家康になる前の話です。私も、天下人になる家康を忘れて演じていこうと思います。まだ何者でもない家康、元康を見守ってください」と語る風間の言葉通り、今川軍の一員として織田軍と戦うため、桶狭間の戦いに参戦した元康。
ところが、大高城に入った後、鳴海城、桶狭間へと次々に出陣を命じられ、ついに「本日はここを一歩も動きませぬ!」とたんかを切ることに。このときの元康の心情について風間は「どのような感情なのか、いろいろと考えながら現場に向かったのですが…」と前置きしつつ、「その場で感じたのはシンプルな怒りでした」と打ち明けた。
続けて、「三河を、そして自分を軽んじられていることに対してなど、ひも解けばいろいろあるのでしょうが、ただただ腹立たしかったので、そのまま演じさせていただきました」と解説。
さらに「晩年の家康ではそのような対応はしないでしょうが、若さ故なのだと思います」と、後に“家康”を名乗って戦国に幕を引く元康の成長をにおわせる言葉も飛び出した。
また、「桶狭間の戦いの後、勝者・信長は元康にとってどんな存在になったのか」という問いに対しては、「主君を討った敵であると同時に、母との再会をかなえ、三河をわが元に戻すきっかけを与えてくれた。幼き頃に慕っていたこともあり、一筋縄ではいかない」と複雑な胸中を告白。
そして、こう結論づけた。「尊敬と畏怖、憎しみと親しみ、全てが混ざったまがまがしい存在になったと思います」。
戦国時代の大きな転換点・桶狭間の戦いを終えた「麒麟がくる」。ここでいったん、放送休止となるが、信長、元康(家康)が台頭し、さらにヒートアップしていく物語からまだまだ目が離せない。一日も早い放送再開を楽しみに待ちたい。
(取材・文/井上健一)
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