【インタビュー】「連続ドラマW オペレーションZ ~日本破滅、待ったなし~」草刈正雄「『こういうことが現実に起こるかもしれない』と感じてもらえたら」溝端淳平「草刈さんは、まさに総理の雰囲気」

2020年3月13日 / 18:00

 国の借金が1000兆円を超えた日本。あるとき、突如“デフォルト=国家破綻”の危機に直面する。新たに総理大臣に就任した江島隆盛は、この難局を乗り切るため、特命プロジェクト“オペレーションZ”を開始。だがそれは、「国の歳出を半分にする」という限りなく不可能に近い改革だった。果たして江島は、エリート財務官僚・周防篤志ら4人のメンバーと共に、この困難なプロジェクトを成功に導き、日本を救えるのか…? 3月15日からWOWOWで放送開始となる「連続ドラマW オペレーションZ ~日本破滅、待ったなし~」は、『ハゲタカ』シリーズで知られる真山仁の小説を原作にした超大型政治経済エンターテインメントドラマだ。主人公・江島を演じる草刈正雄と周防役の溝端淳平が、撮影の合間を縫って作品の魅力や撮影の舞台裏を語ってくれた。

(左から)溝端淳平、草刈正雄、高橋メアリージュン

-最初にオファーを受けて台本を読んだときの印象は?

草刈 珍しい題材だと思いました。こういったシリアスな政治ものは最近、あまり多くないですから。緊張感のある話でもあったので、ぜひ挑戦してみたいと。

溝端 大好きな『ハゲタカ』の真山先生が原作ということで、最初に小説を読ませていただきました。今の日本の情勢がとても身近に感じられ、夢中になってしまいました。読み進むたびに手が震えて、恐怖すら感じるほどで。フィクションとは思えない説得力があり、衝撃的でした。これをドラマ化するのであれば、ぜひやらせていただきたいと思いました。ちょうど30代に突入した節目の年に、真山先生の社会派ドラマで官僚という役に初挑戦ができることを、とても光栄に思いました。

-総理大臣を演じる上で、役作りはどのように?

草刈 僕は普段から、役作りのようなことはあまりしていません。台本を読んだときのインスピレーションを大事にしているので。その代わり、政治に詳しい友人から、いろいろな話を聞き、そこからイメージを膨らませていきました。ただ、最初はせりふの多さに衝撃を受けました(笑)。とはいえ、やっているうちに総理大臣らしいせりふを言うことが、だんだん快感になってきましたが(笑)。

-溝端さんから見て、草刈さんの総理ぶりはいかがですか。

溝端 ぴったりです。僕が言うのもおこがましいのですが、草刈さんが現場に入ってくるときの立ち姿や歩き姿は、まさに総理の雰囲気。空気もピリッと締まるし、とにかく威厳があって、立っていても、座っていてもカッコいいです。

-草刈さんは最近、比較的コミカルなお芝居の印象が強かったと思いますが、今回は「国家の危機に立ち向かう総理大臣」役ということで、やや雰囲気も変わるのでしょうか。

草刈 そうですね。ただ、台本には「堅物の政治家」というより「人間味のある総理」といった雰囲気で書かれています。溝端くん演じる周防のことも「篤志」と下の名前で呼びますし。だから、単なる「総理大臣」ではなく、緊張感のある物語の中で、人間味を含めたいろいろな面を出していけたら…と思っています。

-一方、草刈さんから見た溝端さんの官僚ぶりは?

草刈 成り切っていますよね。政治に詳しい方に聞いてみると、官僚というのは「侍」なんだそうです。本気で日本のことを考えていて、いい上司の下では命さえも捨てられるのだとか。それほど優秀ですごい人たちなんだと。そういう役に、ばっちりはまっています。

溝端 ありがとうございます。

-とてもリアリティーのある物語ですが、演じる中で現実とドラマがリンクしていると感じる部分はありますか。

溝端 嫌でも感じざるを得ません。先日、「消費税を10年以内に15パーセントに引き上げるよう、IMFが日本に提言した」というニュースを聞いたときは、「15パーセントでいいの?」と思ってしまったほどで。僕たちはドラマの中で「消費税を20パーセントに」みたいな話をやっているので、完全に感覚がまひしてきました(笑)。

草刈 「こういうことが現実に起こるかもしれない」と、皆さんに感じてもらえたらいいですね。そこから、いろんなことを考えてほしい。

溝端 国の予算は、あまりにも莫大(ばくだい)過ぎてその状況が想像しにくいんです。でも、このドラマでは「1億以上の借金があるのに、500万の年収で、毎年1千万を使う人」といったように、一般家庭に置き換えて説明してくれます。そんなふうに例えてくれると、スッと入ってきますよね。

草刈 財政再建については「病気なら、治ると分かっていれば、どんなにつらくても誰もが手術する」と人間の病気に例える場面もあります。確かにその通りだなと、すごく納得しやすい。このドラマの意義は、そういうところにあるのではないでしょうか。

 
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