「明智光秀を中心に、英傑たちが台頭してくる戦国時代の始まりを描く」落合将(制作統括)【「麒麟がくる」インタビュー】

2020年1月18日 / 12:00

-従来とは異なる光秀像、信長像が描かれるようですが、そのあたりは挑戦と捉えていいのでしょうか。

 「従来のイメージを壊す」ことが先にあるのではなく、あくまでも今現在の池端さんの中にある光秀像、信長像を描いていくことが第一です。池端さんは従来のイメージにとらわれず、資料をものすごく読み込んで準備をされています。その中には、最新の研究や新しく発見された資料も数多く含まれている。その中からつむがれる物語が、史実を基にしつつも、今までになかったオリジナルなものになる…ということです。

-4Kの高画質撮影で戦国時代を描くのは初めてとなりますが、その見どころは?

 今までのハイビジョン撮影では、あえて映像をぼかして、フィルム的なルックにするという方向でやってきました。しかし、4Kになった今、それでは時代に逆行することになり、今回は色味をくっきり出す方向で映像を作っています。実際、戦国時代は服装もかなり派手な色使いだったという説もあるので、そういうリアリティーも取り入れ、黒澤和子さんにお願いして、色鮮やかな衣装を作っていただいています。

-今の時代における大河ドラマの意義をどんなふうに考えていますか。

 大河ドラマでは、日本の歴史を描いてきました。日本がどんなふうに出来上がってきたのか、その歴史の中で今がどんな時代なのか。そういう座標のようなものを、想像を交えつつエンターテインメントとして、若い方や子どもたちも含めた幅広い世代に提示する。それが、大河ドラマの意義ではないかと思っています。現在のように時代が揺れ動いている時には、特にそういうものが求められるのではないでしょうか。ただ、それにはしっかりした脚本が必要になります。今回は、池端さんが十分その期待に応えてくださっています。ぜひご期待ください。

(取材・文/井上健一)

明智光秀役の長谷川博己

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

-実際に福士さんと共演してみていかがでしたか。  とてもすてきな方で、待ち時間にちょっとお話できたんですけど、すごく温厚な方でした。お芝居に関してはすごく真面目でストイックで、「このせりふはこうやって言ってみるのもありかも」というような優し … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

-ご自宅でも絵の練習をされたそうですね。  台本が来るたびに絵を担当するチームとの打ち合わせがあり、練習用の絵が並んだ計算ドリルのようなプリントを数十枚いただくので、それを自宅に持ち帰り、宿題のように繰り返し描いて練習していました。 -歌麿 … 続きを読む

「べらぼう」ついに完結! 蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月14日

-治済役が大きな話題となった生田さんについて、撮影を通じて感じた俳優としての魅力を教えてください。  生田さんで印象に残っているのが、何事にも動じないことです。常に泰然自若として、変なクセを出さない。ある意味、視聴者に想像させるようなキャラ … 続きを読む

稲垣吾郎「想像がつかないことだらけだった」ハリー・ポッターの次は大人気ない俳優役で傑作ラブコメディーに挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月13日

 稲垣吾郎が、2026年2月7日から開幕するPARCO PRODUCE 2026「プレゼント・ラフター」で傑作ラブコメディーに挑む。本作は、劇作、俳優、作詞、作曲、映画監督と多彩な才能を発揮したマルチアーティスト、ノエル・カワードによるラブ … 続きを読む

Willfriends

page top