エンターテインメント・ウェブマガジン
刊行以降の累計が50万部を超える織守きょうやの小説を原作に、豪華キャストが集結した映画『記憶屋 あなたを忘れない』が、1月17日(金)から全国ロードショーとなる。大学生の遼一は突然、恋人の杏子(蓮佛美沙子)が自分との記憶を全て失うという事態に遭遇。その原因が「人の記憶を消すことができる」とうわさされる都市伝説“記憶屋”にあるとにらんだ遼一は、幼なじみの真希(芳根京子)や、弁護士の高原(佐々木蔵之介)と共に記憶屋を探すが…。主人公・遼一を演じるのは、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)、『鋼の錬金術師』(17)など、主演作が続くHey! Say! JUMPの山田涼介。公開を前に、撮影の舞台裏や、本作のテーマでもある「記憶」に対する思いを語ってくれた。
オファーを頂いて、まず原作の小説を読んでみました。すごく温かい作品だな…というのがそのときの印象です。映画は2時間にギュッと圧縮しないといけないので、小説の良さがちゃんと出せるかなと、若干の不安もあり、台本を4回ぐらい読み直しました。そんなことは、初めてです。最終的には、現場で(平川雄一朗)監督と話し合いながらやっていこうという気持ちで臨みました。
監督を含めてキャストのみんなと「もっとこうした方がいい」「ああした方がいい」と話し合いながら作っていきました。最終的に完成した作品を見たら、「こうしたかったんだな」という監督の意図がすごく明確に見えたし、小説のよさもちゃんと引き継いでいた。「この原作を映像化するとこうなるよね」というものもちゃんと表せていたので、自分としても満足できたし、すてきな作品になったんじゃないかと思います。
自分の役に対して、「ここはどういうことですか」「こうじゃないんですか」と言うことはあったんですけど、脚本に対して意見を言ったのは、初めてかもしれません。監督と、とことん話し合うことで意思疎通がしっかりできました。それが納得のいく作品に仕上がった大きな要因の一つじゃないかと思います。
作品全体を見たとき、ものすごく温かい物語なんだけど、僕次第で、すごくトーンが落ちるな…という印象があったんです。普通にやると、物語が重くなり過ぎてしまうな…と。でも、監督から「それは避けたい。できる限り、遼ちゃんがこの映画を明るくしてほしい」というオーダーがあったので、僕もそれを最後まで意識して演じました。ただ、中には「このせりふの言い方だと、杏子に対する思いが軽く見えてしまうのでは?」という部分もあったので、「この物語をどうライトに伝えていくか」というバランスについては、現場で監督と何度も話し合いました。
それはなかったです。僕は基本的に過去を振り返らない主義なので。だから、遼一と真希の会話については、完全に遼一派です。でも、真希の言っていることも、すごく理解できる。これは本当に捉え方次第。考え方は人それぞれだと思います。それがこの映画の良さでもあり、どの登場人物にフォーカスを合わせても見ることができる。きっと“どっち派”みたいな意見も出てくると思うんです。でもそれは、その人の生き方によるので、正解はありません。だから、そこは自由に見てほしいです。
僕は、過去の記憶が人を構築していくと思っています。だから、過去につらいことがあろうと、やっぱり記憶は消すべきものではないな…と。記憶を消してしまうと、今の自分を否定しているみたいで。
つらいことがあるから、みんなそれを乗り越えようとして強くなると思うんです。逆に言うと、言い方は悪いかもしれませんが、そういうつらい経験を全くせず、楽しいことだけで生きている人って、空っぽじゃないのかな…と。それは確かにハッピーな人生かもしれないけど、僕はそれよりも「つらい経験を乗り越えている人の方が強い」と思ってしまいます。楽しいことだけで生きてきた人が、急につらい目に遭ったら、それこそ立ち直れなくなっちゃいますよね。だったら、何かしらの挫折を味わっている人の方が強くなれるし、魅力的な人間になるんじゃないかな…と。
舞台・ミュージカル2021年1月28日
1920年代に実際に起こった、凶悪な伝説的犯罪を土台とした綿密な心理劇「スリル・ミー」が、2021年4月に上演される。出演者は、“私”と“彼”のたった2人。舞台上には、1台のピアノが置いてあり、その美的なメロディーとともに、濃厚な時間がつ … 続きを読む
ドラマ2021年1月27日
「恵比寿学園男子部(EBiDAN)」とマルチクリエーター「まふまふ」、漫画家「おげれつたなか」という布陣で2020年に始動した総合エンターテインメントプロジェクト「FAKE MOTION」。これまでにドラマ「FAKE MOTION-卓球の … 続きを読む
ドラマ2021年1月26日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。放送は残り2回となり、最終回で描かれると公表されている本能寺の変に向け、いよいよ準備が整ってきた。現在、番組公式サイトで公開されている次回予告には、「ときは今あめが下知る五月かな」という、明智 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2021年1月26日
映画『ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた』をベースに制作された、ブロードウェーミュージカル「ウェイトレス」が、高畑充希の主演で3月9日から上演される。本作は、グラミー賞にノミネート歴があり、楽曲を手掛けたサラ・バレリスをはじめ、脚本、 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2021年1月26日
渡辺えりと八嶋智人が喜劇で初共演する「喜劇 お染与太郎珍道中」2月1日から都内の新橋演舞場で上演される。本作は、作家の小野田勇が喜劇俳優・三木のり平とタッグを組み、落語や歌舞伎のエピソードを加えて作り上げた作品。江戸の街を舞台に、米問屋の … 続きを読む