【インタビュー】映画『記憶屋 あなたを忘れない』山田涼介「現場でみんなと話し合いながら作った映画。自分としても満足いく出来になりました」

2020年1月18日 / 12:00

 刊行以降の累計が50万部を超える織守きょうやの小説を原作に、豪華キャストが集結した映画『記憶屋 あなたを忘れない』が、1月17日(金)から全国ロードショーとなる。大学生の遼一は突然、恋人の杏子(蓮佛美沙子)が自分との記憶を全て失うという事態に遭遇。その原因が「人の記憶を消すことができる」とうわさされる都市伝説“記憶屋”にあるとにらんだ遼一は、幼なじみの真希(芳根京子)や、弁護士の高原(佐々木蔵之介)と共に記憶屋を探すが…。主人公・遼一を演じるのは、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)、『鋼の錬金術師』(17)など、主演作が続くHey! Say! JUMPの山田涼介。公開を前に、撮影の舞台裏や、本作のテーマでもある「記憶」に対する思いを語ってくれた。

(C)2020「記憶屋」製作委員会

-最初にオファーを受けたときの印象は?

 オファーを頂いて、まず原作の小説を読んでみました。すごく温かい作品だな…というのがそのときの印象です。映画は2時間にギュッと圧縮しないといけないので、小説の良さがちゃんと出せるかなと、若干の不安もあり、台本を4回ぐらい読み直しました。そんなことは、初めてです。最終的には、現場で(平川雄一朗)監督と話し合いながらやっていこうという気持ちで臨みました。

-現場では、どのように作品と向き合ったのでしょうか。

 監督を含めてキャストのみんなと「もっとこうした方がいい」「ああした方がいい」と話し合いながら作っていきました。最終的に完成した作品を見たら、「こうしたかったんだな」という監督の意図がすごく明確に見えたし、小説のよさもちゃんと引き継いでいた。「この原作を映像化するとこうなるよね」というものもちゃんと表せていたので、自分としても満足できたし、すてきな作品になったんじゃないかと思います。

-そんなふうに、ご自身で意見を出すようなことは、今までもあったのでしょうか。

 自分の役に対して、「ここはどういうことですか」「こうじゃないんですか」と言うことはあったんですけど、脚本に対して意見を言ったのは、初めてかもしれません。監督と、とことん話し合うことで意思疎通がしっかりできました。それが納得のいく作品に仕上がった大きな要因の一つじゃないかと思います。

-遼一を演じる上で心掛けたことは?

 作品全体を見たとき、ものすごく温かい物語なんだけど、僕次第で、すごくトーンが落ちるな…という印象があったんです。普通にやると、物語が重くなり過ぎてしまうな…と。でも、監督から「それは避けたい。できる限り、遼ちゃんがこの映画を明るくしてほしい」というオーダーがあったので、僕もそれを最後まで意識して演じました。ただ、中には「このせりふの言い方だと、杏子に対する思いが軽く見えてしまうのでは?」という部分もあったので、「この物語をどうライトに伝えていくか」というバランスについては、現場で監督と何度も話し合いました。

-劇中には、記憶屋の存在を巡って「つらい記憶も消しちゃいけない」と主張する遼一と「本当のつらさは当事者じゃないと分からない」という真希の会話があります。作品のテーマに直結する重要なやり取りですが、この作品を通じて、記憶について改めて考えるようなことはありましたか。

 それはなかったです。僕は基本的に過去を振り返らない主義なので。だから、遼一と真希の会話については、完全に遼一派です。でも、真希の言っていることも、すごく理解できる。これは本当に捉え方次第。考え方は人それぞれだと思います。それがこの映画の良さでもあり、どの登場人物にフォーカスを合わせても見ることができる。きっと“どっち派”みたいな意見も出てくると思うんです。でもそれは、その人の生き方によるので、正解はありません。だから、そこは自由に見てほしいです。

-山田さんが「つらい記憶も消すべきではない」と考える理由は?

 僕は、過去の記憶が人を構築していくと思っています。だから、過去につらいことがあろうと、やっぱり記憶は消すべきものではないな…と。記憶を消してしまうと、今の自分を否定しているみたいで。

-なるほど。

 つらいことがあるから、みんなそれを乗り越えようとして強くなると思うんです。逆に言うと、言い方は悪いかもしれませんが、そういうつらい経験を全くせず、楽しいことだけで生きている人って、空っぽじゃないのかな…と。それは確かにハッピーな人生かもしれないけど、僕はそれよりも「つらい経験を乗り越えている人の方が強い」と思ってしまいます。楽しいことだけで生きてきた人が、急につらい目に遭ったら、それこそ立ち直れなくなっちゃいますよね。だったら、何かしらの挫折を味わっている人の方が強くなれるし、魅力的な人間になるんじゃないかな…と。

 
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