【インタビュー】映画『カイジ ファイナルゲーム』福士蒼汰 インテリジェンスを武器に“キラキラ王子”からの脱却を狙う

2020年1月9日 / 17:15

 まるで漫画の世界から飛び出してきた王子様のようなルックス、さわやかスマイル、柔らかな物腰で、女の子なら誰もがときめいてしまう俳優・福士蒼汰。それ故に、恋愛ドラマや青春映画のイケメン役は彼の真骨頂ともいえるが、最近は演じるキャラクターや心境に変化があるようで…。

福士蒼汰

 典型的な駄目人間だが、極限状態に追い込まれると勝負強さを発揮するカイジが、命懸けのゲームに挑むさまを描いた人気漫画が原作の映画シリーズ『カイジ』。その最新作で最終話の『カイジ ファイナルゲーム』は、2020年のオリンピックを終えて不景気の日本を舞台に、カイジ(藤原竜也)が人生の一発逆転を狙い過激なゲームに挑戦する。

 本作で政府がもくろむプロジェクトの中心人物・高倉浩介役を演じる福士は、オファーを受け、「二つ返事で引き受けました。藤原さんの作品に出てみたいとずっと夢見ていましたし、それが『カイジ』でかなうなんて、とてもうれしかったです」と満面の笑みを浮かべた。

 カイジと敵対する役柄だが、それさえも「藤原さんが僕にエネルギーをぶつけてきますが、仲間役では得られない感触なので、それもうれしいなぁ…と興奮しました」と目を輝かせた。

 「思っていた以上の収穫もあった」そうで、「カイジに追いつけ追い越せと必死で、それが自分の成長につながると感じました」と充実した表情を浮かべる。

 とりわけ、カイジがハイテンションになるシーンを挙げると、段取り・テスト・本番という撮影の流れがある中、「段取りが一番テンションが高いのか!とびっくりすると同時に、徐々に焦点を絞っていく役作りもあると勉強になりました」と芝居の糧になる発見を喜んだ。

 高倉役については、「一見、悪役に見えますが、カイジと同じように自分の信念・正義を貫いている青年です」と説明すると、「本当はすごく弱い心をよろいで固めている感じがします。それはカイジに大声で迫られたときに、ちょっとビビってしまうところに表れていると思います」と自分なりの見解も示した。

 役へのアプローチでは、「常に魂を燃やして、強気でいること」を意識し、「高倉はまだ若いからこそ上っ面だけの人間になりたくないとか、低い声の方が説得力があるだろうと考えていそうなので、演じているときは呼吸が苦しくなるぐらい、腹の底から声を出していました」と声色を変えた理由も明かした。

 そんな福士は、特撮ヒーロードラマ「仮面ライダーフォーゼ」に主演した“ライダー出身俳優”で、本人の印象通りの“さわやか好青年”“キラキラ王子様”といったキャラクターはハマリ役だ。しかし近年は、ドラマ「愛してたって、秘密はある。」(17)での殺人者の人格を持つ二重人格者・奥森黎役、映画『無限の住人』(17)での主人公の敵で野心に燃える剣士・天津影久役、『ザ・ファブル』(19)での殺し屋フード役など、イメージを覆すキャラクターに挑戦し続けている。

 役者である以上、似たようなキャラクターばかりを演じるわけにもいかず、振り幅の広さは重要だ。だから、あえてのシフトチェンジなのかと聞いてみると、「以前は少女漫画が原作の企画が多かったので、そこに年齢の若い自分がフィットしただけじゃないでしょうか」と分析。

 その一方、「悪役とか敵役、ちょっと変わった役は演じていて楽しいです。撮影中にもこうしたら面白いんじゃないかな? といろんな発想が浮かんできます」と期せずして訪れたイメージチェンジを楽しんでいる様子を見せた。

 さらに、「ヒーローは悪がいないと存在すらできないし、悪を倒す理由が必要だったり、自分に悪を倒す素質があるのか葛藤があったり、ちょっと複雑です。でも、悪役って極めてシンプルな信念を持っていて、悪に染まった理由も分かりやすくて大好きです」と熱弁をふるい、「最近はダークな役をやりたいと思っています」と声を弾ませた。

 
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