【インタビュー】映画『シライサン』飯豊まりえ 若手女優の登竜門“ホラー映画”主演も気分は急下降!?「ついに来てしまった…」

2020年1月9日 / 17:40

 昨年はドラマ6本、映画6本、舞台1本に出演し、人気女優の仲間入りを果たした飯豊まりえ。彼女の芸能活動のスタートはモデルで、現在もファッション誌『Oggi』の専属モデルとして活躍しているが、最近は女優としてのイメージが定着したことが素直にうれしいと笑みをこぼす。しかし、若手女優の登竜門と呼ばれる“ホラー映画”の主演は手放しに喜べないようで…。女優・モデルとして飛躍する飯豊に、今後の展望や初のホラー映画挑戦への思いなどを聞いた。

 小説家・乙一の顔も持つ安達寛高監督による完全オリジナルの映画『シライサン』は、その名を知ると鈴の音とともに現れ、目をそらした者を殺す怨霊“シライサン”の恐怖を描いたホラー。飯豊は親友の謎の死の真相を探る女子大生・瑞紀役を演じた。

飯豊まりえ

-ホラーが苦手だそうですが、オファーを受けた時の感想は?

 ついに来てしまった…と思いました(笑)。お化けが本当に嫌いで、以前から事務所スタッフには「ホラー映画に出ると呪われそうなので、オファーは受けないでください」とお願いしていたのに、「行ってこい」と(ロケ地の)福島に送り出されました…。

-できればやりたくなかった?

はい…(笑)。でも、知り合いに「ホラー映画のオファーは出演したい人のもとには行かなくて、出演したくない人のもとに行くんだよ。お化けも嫌だ嫌だといっている人のところに行くんだよ」と言われて、じゃぁ立ち向かうしかない!と腹を決めました。「目ヲソラシタラ、死ヌ。」という映画のキャッチコピーも、自分に直接言われている気がしたので頑張りました。

-初体験のホラー映画ですが、演じる上で大変だったことを教えてください。

 寄りのカットが多くて、目だけでお芝居をしなければいけないところは苦労しました。絶叫シーンも安達監督から「過呼吸っぽくならないように」と言われていたので気をつけました。でも、普通の作品とは違う特殊な感じはホラー映画を撮っているんだ…と実感できたし、新しい挑戦をしているという点では楽しくもありました。

-ホラー映画はアイドルや若手女優の登竜門的存在でもありますが、その意味で「怖いけど出演したい」という思いは持っていましたか。

 そういう存在であることは知っていましたけど、出演したいとは思わなかったです…。でも、『暗黒女子』(17)に主演させてもらったとき、共演者のみんなが泣き叫ぶ演技がとても上手で、なぜだろうと考えていたら、みんなホラー映画出身者でした。

-では、飯豊さんも同作を通して、恐怖の芝居は得意になったのでは?

 ホラー映画での体験が生きたな!と感じることはありました。この映画の後に撮ったドラマ「サイン -法医学者 柚木貴志の事件-」(19)で犯人に追われて殺されかけるシーンがあったんですが、そのときは見ている人を怖がらせてやろうとノリノリでできました。ドアが開かなくてろうばいするシーンも気合が入っちゃいました(笑)。

-呪うまではいかなくても、これまでに悔しいとか、負けたくないという強いエネルギーを放出したことはありますか。

 今、タクフェス第7弾「流れ星」(19)で本格的な舞台に初参加させていただいていますが、演出家の宅間孝行さんが厳しい方として有名で、駄目出しのことを「ギフト」と言って、すごくたくさん渡してくるんです。それを全部克服したいと思っています。(※インタビューは昨年11月)

-舞台、ドラマ、映画にと最近の活躍ぶりには目を見張りますが、これまでの作品や役柄で強く印象に残っているものはなんでしょうか。

 初めてヒロイン役を頂いたドラマ「MARS〜ただ、君を愛してる〜」(16)は、私の中でとても大きな作品になりました。キラ(役名)は「誰にでも人生を変える出会いがある」と言っていて、それは私の芸能人生にも当てはまります。また、それ以前から連続テレビ小説「まれ」(15)をはじめ、いろいろな作品に出演させてもらっていましたが、この作品をきっかけに仕事が増えて、多忙な日々を過ごさせてもらっています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

Willfriends

page top