【インタビュー】ドラマ「来世ではちゃんとします」内田理央 特撮ヒーローに負けない活躍の原動力は反骨精神

2020年1月7日 / 19:25

 「仮面ライダー」「スーパー戦隊」などの特撮テレビドラマは、若手俳優の登竜門と呼ばれ、横浜流星、志尊淳、竹内涼真、佐藤健など、今を時めく人気俳優を多数輩出している。そんな中、特撮ヒーローに負けない飛び抜けた活躍を見せ、ドラマ「来世ではちゃんとします」に主演する“特撮ヒロイン”出身の内田理央。今も昔も、彼女を支えているのは反骨精神だ。

内田理央

 おじさんたちの恋愛模様を描き、社会現象を巻き起こしたドラマ「おっさんずラブ」(18)で、主人公・春田(田中圭)の幼なじみ・ちず役を好演した内田。他にも数々のドラマや映画に出演し、近年ではドラマ「将棋めし」(17)、「向かいのバズる家族」(19)など主演作にも恵まれている。

 女優として名前が知られるきっかけとなったのは、竹内が主演した平成仮面ライダーシリーズ16作目の「仮面ライダードライブ」(14)。ヒロイン詩島霧子役を演じた内田は「子どもの頃からかライダーやレンジャーを見ていて、特撮ドラマは憧れの作品だったので、ヒロインに決まったときはすごくうれしかったです」と笑みをこぼす。

 そんな内田の芸能界のスタートは「日テレジェニック」だが、「当時は性格も暗くて、スカウトがきっかけでトライしようと思ったけど、芸能界で熱心にやりたいことも見つからず、いつ辞めてもいいやぁみたいな感じで、底辺でくすぶっていました」と振り返る。

 そのため、同ドラマのオーディションには「特撮ドラマ好き」という安易な気持ちだけではなく、「落ちたら芸能界を辞めて就職する覚悟」も持って挑戦した。

 その気概でたぐり寄せたビッグチャンス。内田は「大好きなヒーローたちと一緒に戦いたい!」という情熱とともに、「特撮ヒーロー出身の俳優だけでなく、特撮ヒロイン出身の女優も芸能界で成功できるんだ!という反骨精神がありました」とオーディション時や撮影時を回顧する。現場では共演者たちと「みんなで頑張って大きくなって、いつかまた一緒に仕事がしたいね」などと互いに鼓舞し合うこともあったのだとか。

 言葉通り飛躍する内田だが、「まだまだ大成しているなんて言えないので頑張りたい気持ちが強いです」と謙虚な姿勢。とはいえ、「性格的にスターになりたいとか、ビッグになりたいとか、主役をたくさんやりたいとは思っていない」と打ち明ける。

 そもそもマイナスからのスタートだった女優人生。内田にとっては仕事をもらえることだけでありがたく、「主役をやらせてもらえることはうれしいし、仕事は精いっぱいやりますが、細く長く生きていくことが理想だし、今はどんな現場にいてもとても幸せです」とはにかんだ。

 また、「おっさんずラブ」に携わることで、仕事に対する向き合い方が一変。「今までは皆さんに付いていくのに必死で、せりふを間違えちゃいけない、迷惑をかけちゃいけないとか、期待に応えよう、頑張ろうという意識が強過ぎて、楽しむことを忘れていました。でも、あの現場は芝居を楽しむことを優先していたので、こんなに楽しくやっていいんだ、自分の思いをこんなにも役に乗せていいんだと学びました」と新発見を喜んだ。

 気持ちに余裕が生まれ、一皮むけた内田が今回主演するドラマは、性をこじらせ、生き方をこじらせ、それでも毎日をしぶとく生きていくイマドキ男女によるラブエロコメディー。内田は、本命に振り向いてもらえず、5人の男性と肉体関係を持つ自分の人生を「まーいっか。来世ではちゃんとしますということで」とクールに考えている主人公・大森桃江役を演じる。

 かなり攻めた内容だが、作品の印象を聞くと、「きわどいせりふやストーリーだけど、恋愛や性についてめちゃめちゃ共感できます。生きていれば寂しさやむなしさを感じることは誰にでもあるから、こじらせ方の違いはあっても、根本的にはみんな一緒なんでしょうね」と役に寄り添っている様子で、「男女を問わず、心にグサッとくる部分があるんじゃないかな。とても面白いですよ」とアピールした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

田中真弓「70歳、新人のつもりで頑張っています」憧れだった朝ドラレギュラー出演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年7月26日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。新潟地家裁三条支部に赴任し、娘・優未(竹澤咲子)と2人だけの暮らしに苦労する主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)を助けるため、かつて花江(森田望智)の家で女中として働き、第7週で故郷の新潟に帰った稲が … 続きを読む

真彩希帆、憧れの「モーツァルト!」でコンスタンツェ役 「この作品を見に来て良かったと感じていただきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年7月26日

 「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”の35年の生涯に迫る、ミュージカル「モーツァルト!」が、8月19日から帝国劇場にて上演される。2002年の日本初演以来 … 続きを読む

【週末映画コラム】歴史の「if」を描いた2本『もしも徳川家康が総理大臣になったら』/『お隣さんはヒトラー?』

映画2024年7月26日

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(7月26日公開)  新型コロナウィルスがまん延した2020年。首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死した。かつてない危機に直面した政府は、最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活 … 続きを読む

鈴木梨央「特撮映画の魅力を実感しました」子役時代から活躍してきた若手俳優が、ファンタジー映画に主演『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』【インタビュー】

映画2024年7月25日

 高校生の時宮朱莉は、謎の男・穂積(斎藤工)と出会い、特殊美術造形家だった亡き祖父・時宮健三(佐野史郎)が制作を望んだ映画『神の筆』の世界に入り込んでしまう。怪獣ヤマタノオロチによって、その世界が危機にひんしていることを知った朱莉は、同級生 … 続きを読む

児玉すみれ、『怪盗グルーのミニオン超変身』で声優初挑戦「アグネスになりきれるのが楽しかった」【インタビュー】

映画2024年7月24日

 怪盗グルーとその相棒ミニオンたちが活躍する「怪盗グルー」シリーズの最新作『怪盗グルーのミニオン超変身』が7月19日から全国公開された。本作は、グルーとその家族に息子が生まれ、新たな町で身分を隠しながら奮闘する姿を描く。日本語吹替版で主人公 … 続きを読む

Willfriends

page top