【インタビュー】舞台「ピサロ」宮沢氷魚、渡辺謙との初共演に「謙さんの持つ強さや覚悟を間近で見て学んでいきたい」

2019年11月23日 / 12:00

 新たに生まれ変わるPARCO劇場のオープニング作品として、渡辺謙が主演する舞台「ピサロ」が2020年3月13日から上演される。本作は、太陽を父とする帝国2400万人を従えるインカの王を、粗野な成り上がりのスペイン将軍ピサロとならずもの167人が生け捕りにしてしまうという、インカ帝国征服を主軸とした物語で、1985年に山崎努主演で上演された作品だ。当時、渡辺はインカの王アタワルパを見事に演じ切り、世に名を知られるきっかけを作った。今回、その渡辺の後を継いで、アタワルパ役を演じるのは宮沢氷魚。壮大なスケールで展開する本作への意気込み、そして渡辺との初共演への思いを聞いた。

アタワルパ役の宮沢氷魚

-まずは、本作への出演が決まったときの心境を教えてください。

 PARCO劇場のこけら落とし公演に出演できることはとても光栄で、それだけでも幸せなことなのに、役を聞いて本当に驚きました。僕が演じるアタワルパは、今回主演される渡辺謙さんが以前に演じられていた役で…。夢のような不思議な感覚になりました。

-プレッシャーも感じましたか。

 最初にこのお話を聞いたときには、プレッシャーよりも楽しみがありました。今ももちろん、そうなのですが、ただ、台本を読んでその重厚さは感じています。

-台本を読んだ感想は?

 この作品は、フィクションではありますが、歴史上の出来事を描いているので、とても勉強になりましたし、もっと知りたいという好奇心が湧きました。本当はどんなことが起こったのかをリサーチしながら台本を読んだのですが、新しい発見も多く、ある意味、教科書を読んでいるような感覚になりました(笑)。台本を読むことでその時代にタイムスリップできるので、稽古が楽しみです。

-宮沢さんが演じるアタワルパという役のどんなところに魅力を感じますか。

 アタワルパは自分を「太陽の子ども」だと考えていて、インカ王国は彼をひたすら信じてついていきます。今の時代、そういったことは、なかなかないことですよね? アタワルパも、そしてピサロも多くの人から愛されて、信用されている。そこまで慕われているのは、決して太陽の子どもだからというわけではなく、彼らの人間性や存在感からだと思います。だからこそ、演じる上では、包容力や自信を出していければいいなと思います。台本を読めば読むほどアタワルパの偉大さが伝わってきて、それがアタワルパを構成する上で大事なことだと思うので、僕はそれに挑戦していかなければならないと思っています。

-本作に限らず、役作りにおいて心掛けていることはありますか。

 見た目から作っていくと、自然とそこから何かが生まれてくると思うので、見た目も大切にしています。今回は、体を大きくしようと思っています。そうすることで、自然と自信が出てくると思うので…。これまで、健康的に見せるという意味で筋トレをしたことはあるのですが、体をがっつり大きくしたことはないので、まずはそこからかなと思っています。

-具体的にはどのようなことをする予定ですか。

 まずは筋トレ。それから、普段から走ってはいますが、さらに走り込もうと思っています。劇中では、アタワルパは立っているだけの時間も多いのですが、実は立っているだけって難しいんですよね。動いているほうが圧倒的に楽だと思います。その立ち姿にスタミナや忍耐力が必要になるので、走ります(笑)。

-今回、渡辺謙さんとは初共演になりますね。

 緊張しかないのですが、今回、僕は謙さんとのシーンが多いので、本当に光栄なことだと思っています。

-アタワルパは、85年の公演で渡辺さんが演じた役です。今回、その渡辺さんを目の前にして同じ役を演じることになりますが、それについてはどのようなお気持ちですか。

 すごくありがたいことだと思っていますが、謙さんがアタワルパを演じられた1985年の公演とは演出家も違いますし、キャストも謙さん以外は全員違いますから、全く新しい作品だというふうに捉えています。当時の映像もあるらしいのですが、それに引っ張られてしまいそうなので僕は見ないようにしています。僕と今回のキャスト、スタッフの皆さんで作ったアタワルパを演じたいと思っているので、分からないところは謙さんに助けてもらいつつも、新たに、自分で作っていけたらなと思います。

-渡辺さんと共演することで、どんなことを吸収していきたいですか。

 学ぶことばかりだと思います。謙さんはハリウッドでもご活躍されていて、キャリア的にもさまざまなことを経験されて、それを乗り越えてこられた方だと思うので、謙さんの持つ強さや覚悟を間近で見て学んでいきたいと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【大河ドラマコラム】「青天を衝け」第九回「栄一と桜田門外の変」見事なバランス感覚で描かれた“桜田門外の変”

ドラマ2021年4月14日

 4月11日に放送された大河ドラマ「青天を衝け」第九回「栄一と桜田門外の変」では、タイトル通り、幕末の世を揺るがした大事件「桜田門外の変」が描かれた。  これまで、主人公・渋沢栄一(吉沢亮)や、後にその主君となる徳川慶喜(草なぎ剛)を中心に … 続きを読む

タイトルバック制作秘話「渋沢の人生の軌跡を描くため、最先端の映像技術のタブーを破りました」柿本ケンサク(タイトルバック映像)【「青天を衝け」インタビュー】

ドラマ2021年4月14日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。激動の幕末から昭和を生き、“日本資本主義の父”と呼ばれた実業家・渋沢栄一の生涯を描くダイナミックな物語の幕開けを毎回、華麗なテーマ曲とともに彩るのが、印象的なタイトルバックだ。水墨画風のタッチ … 続きを読む

【大河ドラマコラム】「青天を衝け」第八回「栄一の祝言」栄一や慶喜の姿に見る「思いやりと優しさ」

ドラマ2021年4月8日

 4月4日に放送された大河ドラマ「青天を衝け」第八回「栄一の祝言」は、その名の通り、親戚や友人、知人に囲まれた、栄一(吉沢亮)と千代(橋本愛)のにぎやかな結婚式でクライマックスを迎え、揺れる幕府内とは対照的に、和やかな幕切れとなった。  こ … 続きを読む

【インタビュー】ドラマ「高嶺のハナさん」泉里香、ドラマ初主演で挑む二面性のある主人公を「大切に演じていきたいと思います」

ドラマ2021年4月8日

 モデルとして活躍し、女優としても次々と話題作に出演している泉里香がドラマ初主演を果たす、真夜中ドラマ「高嶺のハナさん」が4月10日からBSテレ東ほかで放送される。本作は、ムラタコウジの同名コミックを連続ドラマ化したラブコメディー。会社では … 続きを読む

【映画コラム】恋愛を描いた対照的な2本の映画『アンモナイトの目覚め』と『パーム・スプリングス』

映画2021年4月8日

 今週は4月9日から公開される対照的な2本の映画を紹介する。  まずは、19世紀イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジスを舞台に、女性同士の恋愛を描いた『アンモナイトの目覚め』から。  古生物学者のメアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット … 続きを読む

amazon

page top