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新たに生まれ変わるPARCO劇場のオープニング作品として、渡辺謙が主演する舞台「ピサロ」が2020年3月13日から上演される。本作は、太陽を父とする帝国2400万人を従えるインカの王を、粗野な成り上がりのスペイン将軍ピサロとならずもの167人が生け捕りにしてしまうという、インカ帝国征服を主軸とした物語で、1985年に山崎努主演で上演された作品だ。当時、渡辺はインカの王アタワルパを見事に演じ切り、世に名を知られるきっかけを作った。今回、その渡辺の後を継いで、アタワルパ役を演じるのは宮沢氷魚。壮大なスケールで展開する本作への意気込み、そして渡辺との初共演への思いを聞いた。
PARCO劇場のこけら落とし公演に出演できることはとても光栄で、それだけでも幸せなことなのに、役を聞いて本当に驚きました。僕が演じるアタワルパは、今回主演される渡辺謙さんが以前に演じられていた役で…。夢のような不思議な感覚になりました。
最初にこのお話を聞いたときには、プレッシャーよりも楽しみがありました。今ももちろん、そうなのですが、ただ、台本を読んでその重厚さは感じています。
この作品は、フィクションではありますが、歴史上の出来事を描いているので、とても勉強になりましたし、もっと知りたいという好奇心が湧きました。本当はどんなことが起こったのかをリサーチしながら台本を読んだのですが、新しい発見も多く、ある意味、教科書を読んでいるような感覚になりました(笑)。台本を読むことでその時代にタイムスリップできるので、稽古が楽しみです。
アタワルパは自分を「太陽の子ども」だと考えていて、インカ王国は彼をひたすら信じてついていきます。今の時代、そういったことは、なかなかないことですよね? アタワルパも、そしてピサロも多くの人から愛されて、信用されている。そこまで慕われているのは、決して太陽の子どもだからというわけではなく、彼らの人間性や存在感からだと思います。だからこそ、演じる上では、包容力や自信を出していければいいなと思います。台本を読めば読むほどアタワルパの偉大さが伝わってきて、それがアタワルパを構成する上で大事なことだと思うので、僕はそれに挑戦していかなければならないと思っています。
見た目から作っていくと、自然とそこから何かが生まれてくると思うので、見た目も大切にしています。今回は、体を大きくしようと思っています。そうすることで、自然と自信が出てくると思うので…。これまで、健康的に見せるという意味で筋トレをしたことはあるのですが、体をがっつり大きくしたことはないので、まずはそこからかなと思っています。
まずは筋トレ。それから、普段から走ってはいますが、さらに走り込もうと思っています。劇中では、アタワルパは立っているだけの時間も多いのですが、実は立っているだけって難しいんですよね。動いているほうが圧倒的に楽だと思います。その立ち姿にスタミナや忍耐力が必要になるので、走ります(笑)。
緊張しかないのですが、今回、僕は謙さんとのシーンが多いので、本当に光栄なことだと思っています。
すごくありがたいことだと思っていますが、謙さんがアタワルパを演じられた1985年の公演とは演出家も違いますし、キャストも謙さん以外は全員違いますから、全く新しい作品だというふうに捉えています。当時の映像もあるらしいのですが、それに引っ張られてしまいそうなので僕は見ないようにしています。僕と今回のキャスト、スタッフの皆さんで作ったアタワルパを演じたいと思っているので、分からないところは謙さんに助けてもらいつつも、新たに、自分で作っていけたらなと思います。
学ぶことばかりだと思います。謙さんはハリウッドでもご活躍されていて、キャリア的にもさまざまなことを経験されて、それを乗り越えてこられた方だと思うので、謙さんの持つ強さや覚悟を間近で見て学んでいきたいと思います。
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