「せわしなく動き回る田畑と、落ち着きがあって重心の低い河野の対比が面白い」桐谷健太(河野一郎)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年10月6日 / 20:50

-田畑だけでなく、陸上選手として活躍した河野にとっては、金栗四三(中村勘九郎)も縁のある人物です。2人をそれぞれどんな人物だとお考えでしょうか。

 金栗さんは、河野にとって陸上の大先輩でもあり、「先生」と呼ぶほど尊敬する人物。思いやりがあって優しく、周囲に気を配る方です。それに対して田畑は、考えるより先に行動するタイプ。思いやりがないわけではありませんが、行動がストレート。だからこそ、頼もしく感じられる部分もある。高橋是清(萩原健一)に直談判して、お金をもらってくるなんてことは、金栗さんにも嘉納さんにもできなかったことですから。一見、まったく違って見える2人ですが、自分の思いを貫こうとする点は共通しているので、「いだてん」の主人公としては、きちんとバトンを手渡すことができているのではないでしょうか。

-戦後、河野はオリンピック担当大臣を務めますが、その心情はどんなふうに理解しましたか。

 オリンピック担当大臣に就任する際は、「河野が何をいまさら、との声もあるだろうが」と演説する場面も出てきますが、戦前、オリンピックを返上したことを後悔する気持ちもあったはずです。だから、担当大臣にはやりがいを感じて、胸が熱くなったに違いありません。東京オリンピック終了後間もなく、河野さんは亡くなっていますが、そのことを考えると、最後は「やり切った。報われた」という気持ちだったのではないでしょうか。

(取材・文/井上健一)

河野一郎役の桐谷健太

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