「せわしなく動き回る田畑と、落ち着きがあって重心の低い河野の対比が面白い」桐谷健太(河野一郎)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年10月6日 / 20:50

-田畑だけでなく、陸上選手として活躍した河野にとっては、金栗四三(中村勘九郎)も縁のある人物です。2人をそれぞれどんな人物だとお考えでしょうか。

 金栗さんは、河野にとって陸上の大先輩でもあり、「先生」と呼ぶほど尊敬する人物。思いやりがあって優しく、周囲に気を配る方です。それに対して田畑は、考えるより先に行動するタイプ。思いやりがないわけではありませんが、行動がストレート。だからこそ、頼もしく感じられる部分もある。高橋是清(萩原健一)に直談判して、お金をもらってくるなんてことは、金栗さんにも嘉納さんにもできなかったことですから。一見、まったく違って見える2人ですが、自分の思いを貫こうとする点は共通しているので、「いだてん」の主人公としては、きちんとバトンを手渡すことができているのではないでしょうか。

-戦後、河野はオリンピック担当大臣を務めますが、その心情はどんなふうに理解しましたか。

 オリンピック担当大臣に就任する際は、「河野が何をいまさら、との声もあるだろうが」と演説する場面も出てきますが、戦前、オリンピックを返上したことを後悔する気持ちもあったはずです。だから、担当大臣にはやりがいを感じて、胸が熱くなったに違いありません。東京オリンピック終了後間もなく、河野さんは亡くなっていますが、そのことを考えると、最後は「やり切った。報われた」という気持ちだったのではないでしょうか。

(取材・文/井上健一)

河野一郎役の桐谷健太

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

唐沢寿明「原点回帰をした感じがしました」『トイ・ストーリー5』【インタビュー】

映画2026年7月3日

-唐沢さんがこのシリーズに感動するポイントはどこにありますか。  やっぱりおもちゃにも出会いと別れがあるという、人間の世界と同じようなストーリーを入れているところかな。愛されていたのに捨てられたとか、おもちゃの側に立つとそれは悲しいことだろ … 続きを読む

【映画コラム】6月の公開映画から

映画2026年7月3日

「シラート」(6月5日公開)★★★ スペイン産の異色ロードムービー  砂漠でのレイブパーティー(音楽イベント)に参加したまま行方が分からなくなった娘を捜すため、ルイスは息子のエステバンと共にモロッコの山岳地帯から砂漠の奥地へと車を走らせる。 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第25回「変事の予兆」家臣を追放した信長の孤独【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年7月2日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。6月28日放送の第25回「変事の予兆」では、天下統 … 続きを読む

ケナ・ハリス共同監督&リンジー・コリンズプロデューサー「おもちゃたちがデバイスのことをどう思うのかという視点がとても面白い」『トイ・ストーリー5』【インタビュー】

映画2026年7月1日

-今回は、子どもたちにとって、友達という存在は何なのか、相手はデバイスでもいいのか、それともやっぱり人間がいいのかなど、いろいろと考えさせられるところがありました。 コリンズ 今回は、友情の形みたいなものが物語を開発していく上での鍵になりま … 続きを読む

山下リオ「それぞれの愛の形を、まざまざと見せつけられるような映画になっていると思います」『遺愛』【インタビュー】

映画2026年6月30日

-「愛か呪いか」が、この映画のキャッチコピーになっていますが、それについて、演じながらどのように感じましたか。  本当にその通りだと思います。愛とか呪いとか、一応名前は付いていますけど、それって、立体造形にしたら同じものができる可能性がある … 続きを読む

page top