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金栗さんは、河野にとって陸上の大先輩でもあり、「先生」と呼ぶほど尊敬する人物。思いやりがあって優しく、周囲に気を配る方です。それに対して田畑は、考えるより先に行動するタイプ。思いやりがないわけではありませんが、行動がストレート。だからこそ、頼もしく感じられる部分もある。高橋是清(萩原健一)に直談判して、お金をもらってくるなんてことは、金栗さんにも嘉納さんにもできなかったことですから。一見、まったく違って見える2人ですが、自分の思いを貫こうとする点は共通しているので、「いだてん」の主人公としては、きちんとバトンを手渡すことができているのではないでしょうか。
オリンピック担当大臣に就任する際は、「河野が何をいまさら、との声もあるだろうが」と演説する場面も出てきますが、戦前、オリンピックを返上したことを後悔する気持ちもあったはずです。だから、担当大臣にはやりがいを感じて、胸が熱くなったに違いありません。東京オリンピック終了後間もなく、河野さんは亡くなっていますが、そのことを考えると、最後は「やり切った。報われた」という気持ちだったのではないでしょうか。
(取材・文/井上健一)
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