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日本のアニメーション界の草創期を舞台にしたアニメーターの成長記であり、ヒロインなつと家族のホームドラマでもある「なつぞら」。数十年にもわたるなつの人生を生きる中で、結婚・育児を疑似体験した広瀬すずは、働く女性として生きる難しさを痛感したという。撮影を終えた今、本作との出会いによる成長や変化、終盤の見どころなどを語ってくれた。
ありがとうございます。二十歳になったタイミングで、一人の女性の人生を何十年にもわたって演じる朝ドラのヒロインを任され、さまざまな演技を求められたことは、女優として試されているようでした。「朝ドラ100作目」ということで、世間から大きな注目を浴びていたことも伝わってきました。
「朝ドラのヒロインは大変」と聞いていたので、楽しんだもん勝ち!と思っていました。もちろん体力的には大変でしたが、精神的に追い詰められることはなく、「大変」より「楽しい」が勝っていました。途中からは周りの人から心配されることがなくなりました(笑)
大したことは何もしていません。皆さんに現場に来ることが楽しいと思ってもらえるように、普段は人見知りですが、なるべくいろんな方と話すようにしていたぐらいです。
台本は荷物になるから持ち歩かなかっただけです。せりふを忘れたら、現場に置いてある台本を読んでいました(笑)。ただ、せりふ覚えはいい方で、リハーサルの時点で完璧にしておきたいタイプではあります。あとは、せりふや動きを忘れそうな頃に本番に挑む方が新鮮味があるし、長ぜりふも話しているうちに思い出していく方がライブ感があって、役として感情も乗るので楽しかったです。
過去に共演した中でも特に仲のいい方々なので、支えてもらっているという安心感がありましたが、実の姉(広瀬アリス)と一緒にお芝居をするぐらいやりづらかったです(笑)。リリー(・フランキー)さんは中学生の頃から知っていて、今回が5回目ですが、ちゃんとした絡みのお芝居は初めてだったので、すごいやりづらかったです(笑)。(中川)大志くんは唯一同い年で、普段は天陽くん(吉沢亮)となつみたいな同志のような関係なので、「わたしたちで夫婦役って不思議だね」と話していました。特別感のある大好きな方々に囲まれて幸せだったから、楽しい感じが勝っていたのかもしれませんね。
演じる年齢の幅が広がりました。役の年齢に合わせてしゃべり方やトーンを変化させることは今まで経験がなかったので勉強になりました。あとは、何でもできる自信がついたし、体力なら誰にも負けない気がします!
なつのベースは北海道・十勝の柴田家で作られたから本当の家族のように思っていたけど、やはり血がつながっていない故の壁があって、普通だったら家族に対していちいち抱かない“感謝”の念があり、少しかしこまっていた気がします。東京・新宿の風車は、実のお兄ちゃん(岡田将生)がいたから楽で、多少乱れても大丈夫だったから、立ち居振る舞いが一気に変わったと思います。亜矢美さん(山口智子)のハイテンションもあって、気持ちのいい環境でした。でも、一番居心地がよかったのは、自分で選んだ男性と開拓した坂場家です。言いたいことも遠慮なく言えるし、感情も出せるし、ここが自分の帰る場所なんだな…と実感しました。
本来、子どもができてからの生活をちゃんと考えてから子どもを作らなければいけないのに、なつは妊娠が分かってからも「仕事を辞めたくない」とか言っていて、それに対してどういう反響があるのか気になっていました。私は、母親なのに自分がやりたいことを優先するのはどうだろう? と考えていたので、なつに共感する方がいて驚きました。でも今は、やっぱり自分のやりたいことを捨てるのは勇気がいるし、自分もできるかなんて想像がつきません。そういう状況で、どちらが正しいかなんて一生考えても答えが出ないような難しい問題だと思いました。だから、全国のお母さんはすごいなぁと思います。劇中、「子どもを犠牲にしてでも働きたいか?」と投げ掛けられるシーンがありますが、「犠牲かぁ…」とその言葉の重みを数日引きずりました。
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