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周囲からは「特別な女性」と見られていましたが、前畑さん自身は、試合直前に「勝てへん!」と不安になって控え室を歩き回ったり、「この男子選手がカッコいいよね」みたいな話を女子同士で繰り広げたりする普通の女の子。そういう一面に、すごく共感できました。「こんなにすごい選手でも、プレッシャーを感じ、期待や不安を胸に秘めて戦っていたんだ」と考えたら、役に懸ける気持ちがどんどん膨れ上がって…。私自身も平泳ぎが大好きだったので、「水泳に対する気持ちがリンクすればいいな」と思い、「誰よりも水泳を愛そう」という気持ちで練習に取り組むことができました。
知っていました。祖母が水泳をやっていたので。出演が決まったことを報告したら、ものすごく喜んでくれました。祖母の世代にとって、前畑さんはものすごく輝いた女性だったようです。元々私が苦手だった水泳を始めたのも、祖母がきっかけです。水泳が得意な祖母を見て「なぜ、おばあちゃんのように泳げないんだろう」と悔しくなり、小学4年生の時から祖母と同じスイミングスクールに通わせてもらいました。おかげで今回は、いい恩返しができました。
とても楽しかったです。オリンピックのシーンは、ずっと水の中にいたので、体力的にも精神的にも大変でしたが、水泳チームの仲の良さに支えられました。あのメンバーと一緒でなかったら、乗り越えられなかったかもしれません。「『いだてん』の中で、水泳チームが一番仲がいい」と言われるくらい絆が深まったので、撮影が終わっても、ずっとこの関係が続いていったらいいな…と思っています。
(取材・文/井上健一)
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