現役アニメーターが語る制作裏話とアニメーション業界の知られざる現状 舘野仁美・刈谷仁美【「なつぞら」インタビュー】

2019年8月21日 / 15:09

-刈谷さんも苦労されているのでしょうか。

刈谷 今はある程度食べていけるようになりました。でも、新人アニメーターは正社員ではなく、個人事業主として出来高制で入社する人がほとんどで、動画1枚200円程度です。だから、ほとんどの人は一人暮らしなんてできません。そんな人たちのためにクラウドファンディングで成り立っている新人アニメーター用の寮があって、私も半年前まではそこに住み、支援してくれる方々にリターンとして絵を描いたり、WEB上の日記を更新したりしていました。

-それでも目指す人はいると思いますが、アニメーターにとって最も必要なことはなんでしょうか。

舘野 アニメーターは不器用な人が多く、絵だけ描ければ幸せという人が多いけど、歴史や地理など、いろいろなや知識や雑学は持っていた方がいいと思います。私の尊敬する先輩は何でも知っていました。絵が上手だと、アニメーターとしてヒエラルキーの高い方に行けるけど、そこに知性がプラスされればさらに上に行けるので、若い人にはいろんなことに興味を持ち、知性を磨いてほしいです。

-アニメ草創期になつたちがこだわった「アニメーションにしかできない表現」。お二人はどう考えますか。

舘野 あらゆるすてきなアニメーション表現はディズニーがやり尽くしていると思います。画力と教養のあるアニメーターが描く白雪姫やシンデレラは、美しくて品があって完璧で、そんな女性は実際にはいないですよね。でも、アニメーションの中にはいるんです。そういう面白い動きや、あり得ない場面設定も含めて、頭に描いた理想のキャラクターを生き生きと動かすことだと思います。

刈谷 実写ではできないことがアニメーションでは実現できることですかね。タイトルバックで少女が野生動物と仲良くすることも普通はあり得ないですよね。う~ん、でも難しい質問です。私はまだ研究中なので、これから答えを見つけていきたいです(笑)。

(取材・文/錦怜那)

(C)NHK

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