エンターテインメント・ウェブマガジン
ヨーロッパを中心に広く知られる「ドン・ジュアン伝説」を、フェリックス・グレイ作曲による情熱あふれる名曲でミュージカル化した「ドン・ジュアン」。世界各国でフレンチミュージカルとして大好評を博し、2016年には本作でも潤色・演出を務める生田大和の演出により宝塚歌劇で日本初上演されて大きな話題を呼んだ。物語の舞台はスペイン。ドン・ジュアンは女と酒、そして快楽を求め続け、数多の女たちを魅了していくが、やがて「愛の呪い」に苦しんでいく…。ドン・ジュアンを演じるのは初ミュージカルとなるKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔。そして、ドン・ジュアンが一瞬にして恋に落ちるヒロインのマリアを蓮佛美沙子が演じる。今回は、蓮佛に本作に懸ける思いや、演じる役についてなどを語ってもらった。
ここまでのラブストーリーを映像のお仕事でもやったことがなくて、それにスペインの人たちのように情熱的に動いていく役をやったことがなかったですし、フラメンコなどのダンス経験があまりないので、大変そうだなと思いました。
単純な動きは覚えればできるんですけど、やっぱり先生が踊ると手首のしなやかさとか、内からあふれ出る情熱がすごかったです。フラメンコは悲しみを忘れるための踊りだったそうなんですけど、そういう根本的なことも教えていただきました。もちろん振りも大事ですけど、パッションなどの気持ちを大事にすべきだとレッスンで感じました。
ダンスは大変だけれど、家でも勉強したり、なんとか付いていくようにしています。共演者の方々がいい人たちなので、体を動かすことが楽しいというのが救いです(笑)。稽古で、みんなとコミュニケーションを取るようになるにつれて、より良いクオリティーのものにできるように頑張りたいという気持ちになってきています。
もう気合しかないぐらいです(笑)。本読みでも、生田さんが「挑戦できる人たちと一緒に新しい『ドン・ジュアン』を作りたかった」とおっしゃっていて、藤ヶ谷さんも初めてのミュージカルで、彼にとっても挑戦だし、私にとっても挑戦です。みんなそれぞれ越えなきゃいけないものがあることで、より勇気づけられていますし、本当に素晴らしい作品なのでその良さがそのままお客さまに届けられるように頑張らなきゃいけないという気合はあります。
ラファエルという婚約者がありながら、ひどい女性だなと思いながら見ていました(笑)。亡霊の呪いによって、マリアもそうなってしまったという解釈もできますけど、そこまでドン・ジュアンを愛しきることができるのはちょっとうらやましいです。芸術家として自立した女性という印象を受けたので、今までドン・ジュアンが出会ってきた女性たちとは違う、母と子の関係にも見えなくもない、それぐらい自立した女性というところは大事にしたいです。
彼の根っこにある寂しさとか、本当は甘えたかった気持ちとか、本人すら気付いていない愛を渇望している感じに引かれてしまうのは分からなくもないです。「本当はそんな人じゃないのかな?」と思うことがあるんですけど、その時点で私はだまされるタイプだなと思います(笑)。頭では拒絶するけど、ありとあらゆる女性が求めにいってしまう男性としてそれぐらい魅力的で、踏み入れたくなる何かはあると思います。
藤ヶ谷さんとは連ドラで2回共演していて、人となりも分かっていたつもりなんですけど、稽古を一緒にやってみると、ものすごくピュアなんです。好青年で真面目だし、プレッシャーを感じているそうなんですけど、稽古場では全然そんなふうには見えなくて、軽やかに悩んでいる感じが座長として頼れる存在です。
藤ヶ谷さんは形容しがたい色気がある人だなと思っていましたけど、そういう天性の、出そうと思って出せるものじゃない色気みたいなものが、それこそ立ち姿みたいなものからある方です。いろんな女性に囲まれるシーンの稽古ではすごくうれしそうにしていて、「全然、プレーボーイじゃないじゃん」と思いましたけど(笑)。でも、役に入ったときには色気や孤高さが出ていてすてきです。
2025年9月18日
朝鮮の文化を近代日本に紹介した民藝運動家の柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎。彼らが1930年代に見た朝鮮の風景に憧れ、1970年に韓国の農村を訪れたのが写真家の藤本巧さんだ。以来50年以上にわたり、韓国の人々と文化をフィルムに刻み続けてきた。 … 続きを読む
映画2025年9月18日
世界的なスター指揮者のティボ(バンジャマン・ラべルネ)は、突然白血病を宣告され、ドナーを探す中で、生き別れた弟のジミー(ピエール・ロタン)の存在を知り、彼の隠れた音楽的な才能にも気付く。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボ … 続きを読む
映画2025年9月16日
東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む
映画2025年9月12日
ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年9月12日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む