「今までミュージシャンとして培ったものを生かして一生懸命、アナウンサーを演じているところです」トータス松本(河西三省)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年8月11日 / 20:50

-河西は田畑と一緒の場面が多いですが、阿部サダヲさんの印象は?

 最初にご一緒したのが、僕が司会をするラジオ番組に田畑が出演する場面。そこで「一言お聞かせください」と話を振ったら、一気にまくし立ててきたんです。僕も台本は読んでいたので、田畑が話す内容は知っていましたが、阿部くんは細かい部分を気にせず、「確かこんな内容だったはず」という感じでグワーッとくる。それが、カットがかかるまで止まらない上に、メチャクチャ面白い。阿部サダヲという俳優はすごいな…と、改めて思いました。

-今後は、歴史に残る「前畑ガンバレ!」の名文句を披露するベルリンオリンピックも、河西の見せ場になりますね。

 大役だったので、撮影前はものすごいプレッシャーがありました。だから、「楽しみ半分、憂鬱(ゆううつ)半分」という感じで…(笑)。音声が残っている河西さん本人の「前畑ガンバレ!」も聞きましたが、どうせ同じようにはできないと思って、途中でやめました。撮影は、実際に目の前で(前畑秀子役の)上白石(萌歌)さんがライバル選手とデッドヒートを繰り広げる様子を見ながらという、本物さながらの状況。もう自分なりの「前畑ガンバレ!」をぶちかますしかないと覚悟を決め、全身全霊で叫び倒しました。しかも、一緒にいた阿部くんも、ものすごく声がデカかったので、さらにテンションが上がってしまい…(笑)。

-かなり盛り上がったようですね。

ただ、テンションが上がりすぎて、ろれつが回っていない部分があったので、後日、大根(仁)監督から「撮り直し」と言われましたが(笑)。大根監督もそれだけこだわったシーンらしく、撮り直したらさらに良くなっていたので、僕自身も放送が楽しみです。

(取材・文/井上健一)

河西三省役のトータス松本(左)と田畑政治役の阿部サダヲ

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第十八回「岐路」女にすがる男たちの姿と、その中で際立つまひろと道長の絆【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年5月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。5月5日に放送された第十八回「岐路」では、藤原道長(柄本佑)の兄・道兼(玉置玲央)の死と、それによって空席となった関白の座を巡る道長と藤原伊周(三浦翔平)の争いが描かれた。  妻・定子(高畑充希 … 続きを読む

【週末映画コラム】映画館の大画面で見るべき映画『猿の惑星/キングダム』/“お気楽なラブコメ”が久しぶりに復活『恋するプリテンダー』

映画2024年5月10日

『猿の惑星/キングダム』(5月10日公開)    今から300年後の地球。荒廃した世界で高い知能と言語を得た猿たちが、文明も言語も失い野生化した人類を支配していた。そんな中、若きノア(オーウェン・ティーグ)は、巨大な帝国を築く独裁 … 続きを読む

「場所と人とのリンクみたいなのものを感じながら見ると面白いと思います」今村圭佑撮影監督『青春18×2 君へと続く道』【インタビュー】

映画2024年5月9日

 18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)はアルバイト先で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、恋心を抱く。だが、突然アミの帰国が決まり、落ち込むジミーにアミはあることを提案する。現在。人生につまずいた3 … 続きを読む

田中泯「日本の政治に対する僕自身の憤りに通じる部分も多かった」世界配信となる初主演のポリティカル・サスペンスに意気込み「フクロウと呼ばれた男」【インタビュー】

ドラマ2024年5月9日

 あらゆるスキャンダルやセンセーショナルな事件を、社会の陰に隠れて解決してきたフィクサー、“フクロウ”こと⼤神⿓太郎。彼は、⼤神家と親交の深かった次期総理候補の息⼦が謎の死を遂げたことをきっかけに、政界に潜む巨悪の正体に近づいていくが…。先 … 続きを読む

海宝直人&村井良大、戦時下の広島を舞台にした名作漫画をミュージカル化 「それでも生きていこうというエネルギーをお見せしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月9日

 太平洋戦争下の広島県呉市に生きる人々の姿を淡々と丁寧に描いた、こうの史代氏による漫画「この世界の片隅に」がミュージカル化され、5月9日から上演される。主人公の浦野すず役をWキャストで務めるのは、昆夏美と大原櫻子。すずが嫁ぐ相手の北條周作を … 続きを読む

Willfriends

page top