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1941年製作のディズニー・アニメ映画『ダンボ』を実写化したファンタジーアドベンチャー『ダンボ』が3月29日から公開される。サーカス団に飼われ、大きな耳を使って空を飛ぶことができる小さなゾウの子どもが、サーカス団の家族の力を借りて引き離された母親を救うために活躍する姿を描く。本作のティム・バートン監督が来日し、映画製作の裏側を語った。
オリジナルは作られた昔の時代を反映しているので、時代が変わった今はさまざまな事情からそのままリメークすることはできません。ただ、自分が好きだったオリジナルの感覚や感情の部分は取り入れたいと思いました。今の世の中はとても混沌としていて、日々いろいろなことが起きています。だからこそ、こうした単純な感情の物語を伝えることができればと思いました。
おっしゃる通りです。だからこの映画を撮りました。私自身、ダンボというキャラクターをとてもよく理解することができました。周りから奇妙に見られたり、他の者とは違う、合わないと思われているという…。ただ、他者からは欠点に見えることを肯定的に捉えることによって、それは美しさに変わるという点で、とても大きなインスピレーションを得ました。
もともとあるものを作り直す場合は苦労や難しさがあります。なぜなら、人々にはそれに対するイメージがあり、それぞれの思いや解釈があるからです。『ダンボ』も例外ではありません。ですから今回私が作ったことを残念に思う人もいるでしょう。オリジナルの作品ならば、比べるものがないので人々はそんなふうには思わないのです。ただ、良いところは、自分がインスピレーションを受けたものであるだけに、強いつながりを感じたり、それを通して自分なりの解釈で人々に語り掛けられるものがあるところで、描かれたテーマをさらに発展させられる可能性があると思うのです。
今回、彼らが参加してくれたことはとても重要なことでした。この映画は奇妙な家族の姿を描いていますが、それは映画作り自体にも通じるものがありました。もう20年ぐらい会っていなかったマイケル・キートンとまた一緒に仕事ができてとてもうれしかったですし、ダニー・デビートはいつも本当に素晴らしいのですが、彼とはこれが3本目のサーカス映画になったので「これでサーカス3部作は終わりだよ」という話をしました。またエバはもちろん、アラン・アーキンや、初めてのコリン・ファレルまでが、まるで奇妙な家族のように集まってくれて、この映画を素晴らしいものにしてくれました。彼らがいたからこそ、この映画が出来上がったのだと思います。
ダンボのフォルムは、有機的な理由で出来上がったものです。この映画には、実写でありながらアニメーションの部分もあり、リアルでありながらファンタジー的なところもあります。その組み合わせで作っていくと、奇妙なものになりかねなかったのですが、いろいろと試行錯誤をしながら出来上がったのが、ハートのようなあのフォルムでした。ダンボ自体に、とてもオープンで、単純で純粋な性質があるので、あまり擬人化せず、感情が素直に伝わる感じにしました。ただ、野生動物を扱うのは難しいので、ダンボはアニメーションで処理しました。
今回は素晴らしい俳優が集まり、セットも立派でしたが、肝心な主人公がそこにいないという現場でした(笑)。ただ、そこに相手がいるふりをするのは、映画作りでは珍しいことではありません。今回はダンボの動きを代わりにしてくれた人もいましたし、俳優にはテープや絵やテニスボールをダンボに見立てて演技をしてもらいました。私も俳優も想像力を使ったのですが、それがまた楽しい作業でした。
それは物理的なものではなく、誰もが心に持っているシンボルのようなものです。空を飛ぶゾウというのは、それだけでいろいろなテーマが伝わると思います。私自身も魔法の翼を持つ瞬間を体験したことがあります。私は絵を描くことが好きなのですが、うまく描けずに諦めかけたときに、「とにかく楽しもう」と気持ちを切り替えてみました。すると自信があふれてきました。魔法の翼を持った瞬間です。皆さんにも、飛ぶことができたと思う瞬間がきっとあると思います。
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