【インタビュー】『輪違屋糸里 京女たちの幕末』松井玲奈「皆さんに時代劇を見ていただくための窓口の一つになれたら」

2019年1月7日 / 12:00

 ベストセラー作家・浅田次郎の時代小説を映画化した『輪違屋糸里 京女たちの幕末』が、12月15日から有楽町スバル座ほかで絶賛上映中だ。本作は、幕末の京の色街を舞台に、新選組の志士を愛した女たちの生きざまを端正な映像美と共につづった本格派時代劇。本作で、主人公・糸里(藤野涼子)と共に、過酷な運命に翻弄される芸妓・吉栄を演じるのは、NHK連続テレビ小説「まんぷく」(18~19)などで活躍する若手女優の松井玲奈。撮影の舞台裏や時代劇に対する思いなどを聞いた。

芸妓・吉栄を演じた松井玲奈

-出演が決まったときの感想は?

 これまで、テレビの時代劇には何度か出演したことがありますが、なかなか機会のない中、初めて、映画という形で時代劇に参加できることがとてもうれしく、ありがたかったです。作品としては、新選組からの視点ではなく、女性から見た幕末を描いている点が今までの“幕末もの”と違って新鮮に感じました。

-演じた吉栄という女性に対する印象は?

 主人公の糸里は、自分が身を置いた花街という世界で、女としての人生を選んでいく。それに対して、吉栄も一度は同じ選択をしようとするけれど、平山五郎(佐藤隆太)という愛する男性がいたために、自分がしてしまったことへの償いも含めて、最終的には違った道を選ぶ。そこに、強さも感じました。

-吉栄も糸里も、新選組と関わったことで過酷な運命に翻弄されますが、その中でも強さを感じさせる部分がありますね。

 どちらにも強さはあると思います。初め、吉栄は糸里のお姉さん的な存在ですが、糸里がどんどんたくましい女性に成長していき、やがて立場が逆転する。そうやって最終的に夢を貫き通せたのが糸里で、折れてしまったのが吉栄ではないかと。そういう意味では、クライマックスに近づくに従って、糸里と吉栄、それぞれの選択が明らかになって行く過程がこの作品の見どころです。

-そんな吉栄という女性を演じる上で、心掛けたことは?

 現場に入る前に、(藤野)涼子ちゃんと一緒に着物の作法やふすまの開け方などを勉強させていただきました。演じる上では、糸里の一番の友だちで理解者であることと、愛する五郎のことを強く思う女性としての気持ちを大切にしました。糸里とのコントラストもきちんと出したかったので、頼るところは頼り、引っ張っていくところは引っ張っていくという、2人のバランスにも気を付けて演じました。

-加島幹也監督から演技についての指導などは?

 口頭で指示されることもありましたが、加島監督が実際に演じて見せてくれることも多かったです。例えば、糸里が怒るとき、「こういうふうに怒ってほしい」と涼子ちゃんの前でやって見せてくださったり…。時代劇には現代劇とは違う決まりごとも多いので、一つ一つの表現に対して、「どうしてこう動くのか」、「なぜこう見せてほしいのか」ということを丁寧に教えてくださいました。時代劇の中では伝統的なことだと思いますが、私にとっては新しいことばかりだったので、そういうふうに教えていただけたことは、とても分かりやすく、ありがたかったです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「東京オリンピックの聖火リレー最終ランナーという重要な役。プレッシャーを感じています」井之脇海(坂井義則)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

ドラマ2019年12月8日

 いよいよ大詰めを迎えた「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」。次回、最終回でついに田畑政治(阿部サダヲ)らの悲願であった1964年東京オリンピックが開幕する。その開会式の見せ場となる聖火リレー最終走者に抜てきされたのは、広島に原爆が … 続きを読む

【インタビュー】「本気のしるし」土村芳「オーディションに受かったときは驚きました」深田晃司監督「男をドキッとさせるようなせりふを、土村さんはナチュラルに言ってくれた」唯一無二のヒロイン誕生の舞台裏!

ドラマ2019年12月6日

 虚無的な日々を送る会社員の辻一路(森崎ウィン)はある日、葉山浮世という女性と出会う。だが浮世には、無意識のうちにうそやごまかしを繰り返し、男性を翻弄(ほんろう)する一面があった。そんな浮世にいら立ちながらも、なぜか放っておけない辻は、次第 … 続きを読む

【2.5次元】松岡充「華やかで優しくて男らしいステージをお届けしたい」 舞台「私のホストちゃん THE LAST LIVE」~最後まで愛をナメんなよ!~ インタビュー

舞台・ミュージカル2019年12月6日

 人気モバイルゲームからドラマ化、そして2013年には舞台化された「私のホストちゃん」。ホストのきらびやかで厳しい世界を、歌やダンス、実際に観客を口説くシーンなど、臨場感あふれる演出で描き、大きな話題を呼んだ作品だ。以降、シリーズ化され、こ … 続きを読む

【映画コラム】1980年代の車とヒット曲が彩る『ジョン・デロリアン』と『ラスト・クリスマス』

映画2019年12月3日

 1980年代の車とヒット曲が彩る2作が、今週末に相次いで公開される。まずは7日公開の『ジョン・デロリアン』から。  『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)でタイムマシンに改造されて登場し、世界的に有名になったデロリアン。この伝説的な車 … 続きを読む

【インタビュー】映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ジェイコブ・バタロン「ネッドを演じる上で大切にしていることは、ピーターとの関係を一番に思っているというところ」 

映画2019年12月3日

 『アベンジャーズ』シリーズのサノスとの最終決戦から8カ月後の世界を描いた『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』。本作でトム・ホランド演じるピーター・パーカーの同級生で、親友のネッドを演じているジェイコブ・バタロンに、世界中で人気のある … 続きを読む

page top