【インタビュー】『劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説』葵わかな「遠い世界だと思っていたアフリカに行ってみたくなりました」

2019年1月16日 / 08:00

 2006年の放送開始から世界中の動物たちを紹介してきたNHKの人気自然番組「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」がついに映画化され、1月18日から全国ロードショーされる。今回の舞台は、野生動物の宝庫アフリカ。ライオンやゴリラの家族を中心に、数多くの生き物たちの貴重な生態を収めた本作のナレーターを担当したのは、連続テレビ小説「わろてんか」(17~18)で主演を務めた葵わかな。映画の見どころやナレーターの感想を聞いた。

ナレーターを担当した葵わかな

-ナレーターを担当した感想は?

 初めて映画のナレーターに挑戦できたことがうれしかったです。ナレーションは今まで何度かやらせていただいたことがあり、好きな仕事だったので。特にこの作品では、きちんと三つのストーリーがあったので、台本を読んでいるうちに、動物たちにものすごく感情移入してしまいました。テレビのドキュメンタリー番組より時間が長かったこともあり、収録が終わったときは、私も映画を一本演じ切ったような達成感がありました。

-ナレーターをする際に心掛けたことは?

 場合によっては、あまり感情を込めない方がいいこともあると思うのですが、この作品はお子さんも楽しめるように、分かりやすくポップな内容になっています。台本も「○○だよ!」みたいな話し言葉で書かれていたので、親しみが持てるように気持ちを込めて、一緒に見ている隣の人に聞かせるような話し方を心掛けました。

-映画の感想は?

 とても見やすかったです。動物ドキュメンタリーには、もっと難しくて、少し怖さを感じる部分があるイメージを持っていました。でも、この作品はテレビ版のいいところを生かして、動物を名前で呼んだり、ネズミの行動を「だるまさんが転んだ」に例えてみたり、親しみが感じられるようにいろいろな工夫がされています。だから、ものすごく遠いところで生きている動物たちが、とても身近に感じられました。

-映画は、シングルマザーのライオンのナイラや、争いで片腕を失ったゴリラの子どもドド、育った群れを離れて自らの力で生き抜こうとする若いライオン、ウィリアムという三つの家族を中心に物語が進行します。その点については、どんなことを感じましたか。

 「家族の物語」というテーマがはっきりしているので、とても感動しました。みんな一度は不遇のときがありながらも、最終的にはそれぞれ成長していきます。それが、すごくたくましいなあ…と。それを見て私たちも勇気づけられたり、「自分ももう少し頑張ろう」と思えたり、そういったメッセージを受け取ることができるのではないでしょうか。

-お気に入りのシーンは?

 私もネコを飼っているので、ライオンのウィリアムが子どもから大人に成長する様子を見ていたら、自分が親になったような気になりました(笑)。だから、「木に登れるようになったんだね」みたいなナレーションは、自分のネコを褒めているような気持ちで読むことができました。

-三つの家族以外にもさまざまな動物たちが登場します。その中でお気に入りは?

 知らない珍獣がいっぱい出てくるのも面白いですよね。私はお猿さんが好きなので、珍しいお猿さんが出てくるのが楽しかったです。かわいかったのが、ものすごく小さなカメレオン。葉っぱの上で生活していて、雨粒が落ちてきただけでひっくり返ってしまうんです。もうちょっとうまく着地できたらいいのに…とじれったくなりました(笑)。でも、本当にかわいかったので、実物を見てみたいです。

-女優のお仕事をしていると、こういうドキュメンタリー作品の舞台裏も気になるのではありませんか。

 動物ドキュメンタリーは、小さいころから学校などで当たり前のように目にしてきましたが、今まで、撮影している人のことを考えたことはありませんでした。でも、誰かが撮影しないとこの映像はここにないんだな…と気付き、何日もかけて現地で撮影している人がいることを考えたら、「すごいなあ…」と。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

 40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

Willfriends

page top