「西郷隆盛という人を『演じるのではなく、生きたい』と思っていました」鈴木亮平(西郷隆盛)【「西郷どん」インタビュー】

2018年12月16日 / 21:10

-波乱の生涯を歩む西郷隆盛のそばには、常に西郷家がありました。西郷家に対する思いをお聞かせください。

 「家族がいてこそ人間だ」と、改めて思いました。どんなに大変なときでも家には帰るわけですが、家族の前でそのつらさを見せるわけにもいかない。とはいえ、そこにいるだけで癒やされるものがあります。僕も、翌週に戦争のシーンを撮らなければいけないとき、西郷家のシーンがあるとリラックスして「これがずっと続けばいいのに…」という気持ちになりました。それはすごくリアルな感覚でした。そんなふうにいろいろな面を描いてくれたおかげで、「自分が西郷吉之助、西郷隆盛という人間なんだ」と信じ込むことができました。家族をきちんと描いた「西郷どん」という大河ドラマに主演として巡り合えたことは、本当に良かったです。

-1年にわたるドラマの中で、鈴木さんと西郷さんが重なって見える瞬間が何度もありました。もし、鈴木さんがあの時代に生きていたら、西郷さんのような人生を送れたでしょうか。

 いや、無理でしょう(笑)。かなりまれな人ですし、相当な覚悟と忍耐と精神力がないとあんな人生は送れません。ただ、受けてきた教育や世の中の価値観が現代とはまるで違うので、もし自分があの当時の薩摩の郷中教育を受けていたら、どうだったかは興味があります。でもやっぱり、僕があの時代にいたら、西郷さんのような人に付いていくでしょうね(笑)。

-大河の主役を1年務めて、ご自身の変化や成長を感じたことは?

 大河ドラマがすごいのは、本当にその人の人生を生きているような錯覚を信じこませてくれること。35歳の僕が、あれほどの人物の49歳までの人生を疑似体験させてもらったことで、演技以外の部分で人間としての大きさを高めてもらった気がしています。

-この作品に出演された渡辺謙さんや西田敏行さんは、大河ドラマの主演を複数回務めています。鈴木さんも再び主演を務める意欲は?

 今回、大河ドラマが役者にとってどれほど素晴らしいものであるか実感しました。僕も違う場所で経験を重ね、成長してからまた戻ってきたいと思っています。もしご縁があれば、「麒麟がくる」(2020年の大河ドラマ)の次ぐらいでも大丈夫です(笑)。

(取材・文/井上健一)

「西郷どん」から

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第21回「風雲!竹田城」小一郎を際立たせる2人の軍師の知恵比べ【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年6月4日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月31日に放送された第21回「風雲! … 続きを読む

穂志もえか「かなりユニークな、今までに見たことがないような映画になっていると思います」『Never After Dark/ネバーアフターダーク』【インタビュー】

映画2026年6月4日

-ジョーダン・ピールの映画は、アメリカではブラックコメディーとして捉えられていますね。その点は日本人とは感覚が違うと思います。穂志さんはドラマシリーズの「SHOGUN 将軍」にも出ていますが、外国人の監督やスタッフと一緒に仕事する時に違いを … 続きを読む

伊藤健太郎&GACKTの人生を変えた出会いを語る 「連続ドラマW コンサルタント―死を執筆する男―」で初共演【インタビュー】

ドラマ2026年6月3日

 韓国発のダーク・サスペンス小説を実写化したドラマ「連続ドラマW コンサルタント―死を執筆する男―」が、6月7日からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信される。本作は、ミステリー小説家志望の冴えない男・伊崎耀が謎の組織“カ … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第20回「本物の平蜘蛛」不思議な印象を残した松永久秀の最期【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月28日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月24日に放送された第20回「本物の … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(14)梅は飛び

舞台・ミュージカル2026年5月28日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼太宰府天満宮の「梅ヶ枝餅」  前 … 続きを読む

page top