エンターテインメント・ウェブマガジン
「家族がいてこそ人間だ」と、改めて思いました。どんなに大変なときでも家には帰るわけですが、家族の前でそのつらさを見せるわけにもいかない。とはいえ、そこにいるだけで癒やされるものがあります。僕も、翌週に戦争のシーンを撮らなければいけないとき、西郷家のシーンがあるとリラックスして「これがずっと続けばいいのに…」という気持ちになりました。それはすごくリアルな感覚でした。そんなふうにいろいろな面を描いてくれたおかげで、「自分が西郷吉之助、西郷隆盛という人間なんだ」と信じ込むことができました。家族をきちんと描いた「西郷どん」という大河ドラマに主演として巡り合えたことは、本当に良かったです。
いや、無理でしょう(笑)。かなりまれな人ですし、相当な覚悟と忍耐と精神力がないとあんな人生は送れません。ただ、受けてきた教育や世の中の価値観が現代とはまるで違うので、もし自分があの当時の薩摩の郷中教育を受けていたら、どうだったかは興味があります。でもやっぱり、僕があの時代にいたら、西郷さんのような人に付いていくでしょうね(笑)。
大河ドラマがすごいのは、本当にその人の人生を生きているような錯覚を信じこませてくれること。35歳の僕が、あれほどの人物の49歳までの人生を疑似体験させてもらったことで、演技以外の部分で人間としての大きさを高めてもらった気がしています。
今回、大河ドラマが役者にとってどれほど素晴らしいものであるか実感しました。僕も違う場所で経験を重ね、成長してからまた戻ってきたいと思っています。もしご縁があれば、「麒麟がくる」(2020年の大河ドラマ)の次ぐらいでも大丈夫です(笑)。
(取材・文/井上健一)
ドラマ2025年7月5日
-そのほか、撮影を通じて特に印象に残ったことがあれば教えてください。 安田 撮影が終盤に差し掛かった頃、原作者のキム・スジンさんにお目にかかる機会があったんです。キム・スジンさんは、それぞれのキャラクターに、ものすごく細かいバックボーンを作 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
-松本さんとは初共演ですね。現場での印象は? 「はい、行くよ!」って声をかけて引っ張っていってくださる兄貴肌です。スタッフの皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃる姿も見ますし、松本さんの存在で撮影現場全体が活気づいている … 続きを読む
映画2025年7月4日
-陽彩はいわゆる“毒親”の母と2人で暮らすうち、自分の人生に期待を持てなくなってしまった人物です。そういう役と向き合うお気持ちはいかがでしたか。 南 陽彩にとって、親や家族は、居場所であると同時に、自分を縛る呪いのようなものでもあったと思う … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月4日
2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。 物語の舞台は歌舞 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月3日
▽長い時を刻む、大衆文化とは異なる魅力 -Kカルチャーが世界で注目される今、今回のような舞台表現はKカルチャーの中にどう位置づけられると思いますか? K-POPや映画などの大衆文化も素晴らしいですが、伝統芸術はそれよりもはるか以前から続い … 続きを読む