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「家族がいてこそ人間だ」と、改めて思いました。どんなに大変なときでも家には帰るわけですが、家族の前でそのつらさを見せるわけにもいかない。とはいえ、そこにいるだけで癒やされるものがあります。僕も、翌週に戦争のシーンを撮らなければいけないとき、西郷家のシーンがあるとリラックスして「これがずっと続けばいいのに…」という気持ちになりました。それはすごくリアルな感覚でした。そんなふうにいろいろな面を描いてくれたおかげで、「自分が西郷吉之助、西郷隆盛という人間なんだ」と信じ込むことができました。家族をきちんと描いた「西郷どん」という大河ドラマに主演として巡り合えたことは、本当に良かったです。
いや、無理でしょう(笑)。かなりまれな人ですし、相当な覚悟と忍耐と精神力がないとあんな人生は送れません。ただ、受けてきた教育や世の中の価値観が現代とはまるで違うので、もし自分があの当時の薩摩の郷中教育を受けていたら、どうだったかは興味があります。でもやっぱり、僕があの時代にいたら、西郷さんのような人に付いていくでしょうね(笑)。
大河ドラマがすごいのは、本当にその人の人生を生きているような錯覚を信じこませてくれること。35歳の僕が、あれほどの人物の49歳までの人生を疑似体験させてもらったことで、演技以外の部分で人間としての大きさを高めてもらった気がしています。
今回、大河ドラマが役者にとってどれほど素晴らしいものであるか実感しました。僕も違う場所で経験を重ね、成長してからまた戻ってきたいと思っています。もしご縁があれば、「麒麟がくる」(2020年の大河ドラマ)の次ぐらいでも大丈夫です(笑)。
(取材・文/井上健一)
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