「鈴木(亮平)さんが本当の兄妹のような雰囲気を作ってくれたので、毎日楽しかったです」桜庭ななみ(市来琴)【「西郷どん」インタビュー】

2018年12月15日 / 12:00

 12月16日、いよいよ最終回を迎える大河ドラマ「西郷どん」。英雄・西郷隆盛(鈴木亮平)の激動の生涯がついに幕を下ろす。日本各地を飛び回り、誰もが幸せに暮らせる世の中を目指した西郷だが、その偉業を支えたのが家族の存在だ。中でも忘れてはならないのが、幼い頃から兄・隆盛を見守り、市来家に嫁いだ後も西郷家を支え続けた妹・琴。演じた桜庭ななみがクランクアップ直後、役に込めた思い、妹役として間近に接してきた鈴木亮平の印象などを語ってくれた。

市来琴役の桜庭ななみ

-クランクアップを迎えた今のお気持ちを。

 私は鹿児島出身なので、地元の英雄の物語で1年間、一人の女性の人生を演じ切ることができ、すがすがしい気持ちと同時に、1年以上も一つの役を演じたのは初めてなので、琴という役から離れることにものすごく寂しさも感じています。ただ、家族思いの女性として琴を演じられたことについては、とても満足しています。

-琴は長い間、西郷家を支えてきました。演じる上で心掛けたことは?

 最初の頃、西郷家を支えていたのは、母親の満佐(松坂慶子)さんや祖母のきみ(水野久美)さんという女性たちでした。その頃から、私もいずれ年を重ねた琴を演じるときはこういうお芝居がしたいと思って、お二人を近くで見ながら勉強させてもらっていました。だから、心の中には常に、満佐さんときみさんの存在がありました。

-どんどん出世していく兄・隆盛を叱ることができたのも、琴だけでしたね。

 兄は、困っている人を放っておけず、家族のための食糧まで渡してしまうような人。それを叱るのが琴の役割でしたが、次第にその割合が大きくなり、年を重ねるうち、家族を引き締める立場になっていきました。後半は、吉之助(=隆盛)さんに喝を入れる機会がどんどん増え、満佐さんやきみさんというより、父親のようになっていましたけど…(笑)。でもその分、キャラクターを立ててくださったので、演じていてとても楽しかったです。ただ、鈴木さんの顔を見ると、どうしてもほほ笑ましい気持ちになってしまい、たんかを切るせりふを言えなくなりそうになったことが何度もありました(笑)。

-琴は途中で市来家に嫁いでいきました。心境の変化はありましたか。

 嫁いだ後は西郷家を離れることも多かったのですが、その間に新しい西郷家ができていくのがとても寂しかったです(笑)。その分、「琴がいないと西郷家じゃない」と思ってもらいたくて、「もっと西郷家でお芝居がしたい」という意欲が湧いてきました。

-西郷家の男たちは、次々と外に出ていきました。どんな気持ちで家を守っていましたか。

 外ではいろいろな出来事が起きるので、帰ってきたときには「ああ、帰って来た…」とほっとしてもらえる雰囲気を作ることを心掛けていました。両親が亡くなった後は、琴も西郷家を支えていかなければならない人だと思っていたので、「しっかりしなきゃ」という気持ちが強くなると同時に、プレッシャーも感じました。その一方で、江戸や京都に行ったときは、そこに吉之助さんの新しい場所ができているのではないかと、ちょっと嫉妬もしました(笑)。

-終盤の琴は母親として、息子の宗介(前川優希)を海外留学や西南戦争に送り出す場面もありました。演じてみた感想は?

 その頃の琴は45、6歳なので、落ち着いた雰囲気を出すため、声のトーンを落とすように心掛けました。息子に対する目線も、西郷家の人たちと向き合うときとは違うはずなので、その辺りも意識しています。ただ、母親としての気持ちについては自分も体験していないので「自分だったらどう感じるだろう?」と一生懸命考えました。戦争に送り出すときは、宗介の姿を見るだけで涙が出そうになりました。

-西南戦争では、兄・吉之助と政府側の弟・従道(錦戸亮)が敵味方に分かれることになりました。 琴にとってもつらい戦いだったと思いますが…。

 すごく切なかったです。信吾(=従道)に「戦争をやめて!」と強く言う場面もありますが、言われた信吾もつらいでしょうし…。私自身も、そのせりふを言うのがとてもつらかったです。そういう意味では、琴を演じてみて、当時の女性の強さを実感しました。兄弟が対立し、命を落とすような危険な場所に送り出すなんて、私には耐えられそうにありません。

 
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