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あのイングリッシュ・コンサーティナーの演奏は、とても難しかったです。鍵盤ではなく、ボタンで音を出すため、その位置を体が覚えるまで練習しなければならなかったので…。練習期間も1カ月ぐらいしかなく、指が筋肉痛になりました(笑)。フランス語で歌も歌うので、撮影の前日は緊張して眠れませんでした。ただ、先生に聞いてみたら、日本中で演奏できる人は10人ぐらいしかいないとか。おかげで僕が11人目になることができました(笑)。
最終回でもイングリッシュ・コンサーティナーを弾く場面があります。戦いの中で唯一、救いになるのが音楽。その音楽で癒やされる人もいるので、「きちんとやらなければ」という責任を感じながら演奏しました。
とても貴重な経験をさせていただきました。1年でどんなものが見えてくるのか、最初は全く分からなかったのですが、素晴らしい先輩役者の方々の、現場での姿をたくさん目にすることができました。亮平さんのストイックな姿勢や、常に工夫を怠らない有起哉さんからも多くのことを学びました。僕自身、最初の頃はいろいろ考えないとお芝居ができなかったのですが、1年続けていたら、考えなくても体が勝手に動くことを実感して驚いています。この経験を今後、どう生かしていけるのか、自分でも楽しみです。
(取材・文/井上健一)
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