【インタビュー】「炎上弁護人」真木よう子 初挑戦の弁護士役は「演じやすい」 ネット社会に対する憂いも吐露

2018年12月4日 / 19:03

 アウトローな弁護士・美帆と、火事の映像をネットにアップしたことで炎上し、彼女に助けを求める主婦・朋美が世間に立ち向かいながら、やがて固い絆で結ばれていく姿を描いたヒューマンドラマ「炎上弁護人」。本作で主人公・美帆役を演じる真木よう子が、初の弁護士役に挑戦する思いや、世間を騒がせるSNSの炎上など、ネット社会に抱く素直な気持ちを語ってくれた。

アウトローな弁護士・美帆を演じる真木よう子

-今の時代を象徴したインパクトのあるタイトルですが、本作のオファーを受けたときの率直な感想は?

 今はSNSで事件が発覚して炎上することが多いので、一般の方でも身を正して生きていかなければいけない世の中になったと思います。だから、この題材は注目を浴びるだろうし、共感を得られる面白いドラマになる気がしました。

-弁護士役は初めてだそうですね。

 専門用語とかが難しそうだなぁと、ずっと避けていた弁護士役がついにきたか…という感じです。やりたくないなぁと思いましたが(笑)、話を聞いたらお堅い弁護士ではないということでやらせていただくことにしました。

-確かに、宅弁(自宅を連絡先にする弁護士)で、スーツを着用せず、法廷シーンもないということなので、通常の弁護士役とは違いますね。美帆とはどのようなキャラクターですか。

 以前は大手の事務所で企業のリスクマネジメントを担当するやり手の弁護士でしたが、ある炎上案件をめぐり、人間関係のこじれなどもあって辞めて、今はネットをめぐる案件を主に担当しています。とても正義感の強い女性です。

-制作統括の高橋練さんは、真木さんについて「芝居の力があり、せりふを言わないときのたたずまいや存在感が力強く、炎上に立ち向かう弁護士役にピッタリ」と話されていましたが、美帆役はしっくりきましたか。

 私も正義感は強い方だと思っているので、演じやすかったです。

-その中でも演じる上で意識されたことはありますか。

 最初は、ネットの世界は嫉妬と悪意に満ちあふれたえたいの知れない人ばかりいるんでしょと思っている美帆と、ネットの世界にどっぷりはまっている朋美が対立しますが、美帆が朋美を身をていして守ったり、朋美も自分のことをいろいろと話したりしているうちに、だんだんバディものになっていきます。そういうこともあって、美帆にとって朋美はただの依頼人ではなく、面倒な妹みたいに接するようなせりふ回しを心掛けました。

-印象的なシーンを教えてください。

 ものすごい数の記者に囲まれるシーンで、マイクが目の前にぶわっと出てくるのですが、昼のワイドショーでよく見る、悪いことをしたお偉方がやられているみたいで、実際にあったらすっごいイヤだなぁと思いました。逃げ場がないですからね。迫られる怖さというか、新しい気持ちを感じさせられました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

Willfriends

page top