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朝鮮への使節派遣を巡って大久保利通と対立した西郷隆盛(鈴木亮平)は、派遣の中止を受けて政府に辞表を提出し、鹿児島へ帰郷。以後、幼い頃から友情で結ばれた2人はすれ違い、西南戦争へ向かっていくこととなる。その意味で、第43回の西郷と大久保の対面は、大きなターニングポイントとなった。ここまで、撮影開始から1年以上にわたって大久保を演じてきた瑛太が、改めて今の思いを語ってくれた。
あの場面、台本にはいろいろな受け止め方ができる余白がありました。ある種の冷徹さを持って、西郷をはねのけなければいけない部分もあるし、その逆もある。さらに、西郷の言葉を受けた大久保にも感じるものがある。どう演じるべきか、非常に悩みました。しかも、2人はもう一生会えなくなるとは思っていないわけですから。最終的には、今まで亮平くんが積み上げてきたものの重さや大久保に対する西郷の愛情など、いろいろなものを感じて思わず涙腺が緩み、想定とは違った形になりましたが…。ただ、このドラマでは、2人の友情を示すものとして、こういう形もありではないかと。見ている方にも、そのあたりの心情が伝わればうれしいです。
明治編に入ってからは、これまで芽が出ずに積み重なってきた大久保の中の“毒素”や“人間くささ”みたいなものが強く表れています。ただ、僕は敬意を持って大久保利通という人物を演じているので、決してダークヒーローのようにはしたくありませんでした。そのためにはどう演じればいいのか、ものすごく葛藤しました。それと同時に、月と太陽のような大久保と西郷の関係性は、終盤に入ってより色濃くなり、今まで以上にドラマチックです。お互いに憎み合っているわけではないのに、思想の違いで離れていく…。台本を読んでいても、そこに面白さを感じます。
大久保は、青年時代から理不尽な理由で謹慎処分を受けるなど、物事がなかなか自分の思ったように運ばず、もどかしさを感じながら「いつか見ていろ」という気持ちを抱えて生きてきました。言ってみれば、ものすごく硬いバネを縮めたような状態がずっと続いていたわけです。それは、僕自身にとっても非常に負荷のかかることでした。演じていても自分の感情を吐き出せず、とても窮屈。消化不良で大久保のように胃痛にもなりましたし、撮影に行く足が重くなることもありました。
ただその一方で、改めてこれまでを振り返ってみると、西郷と一緒になって目を潤ませるようないいシーンもたくさんある。そういうものを見ると、「一生懸命やってきてよかったな…」とも思います。そういう振り幅の大きさが、大久保の魅力です。
あえて言うなら、「孤独感」でしょうか。スタジオに入る前、みんなの憩いの場になっている「前室」という場所があるのですが、今回、僕は一度も立ち入りませんでした。休憩中に顔を合わせても、みんなの話を聞いているだけ。雑談は一切しないようにしました。1人で控室にこもり、呼ばれた瞬間にスイッチを入れて、スタジオに向かう…。そんなことも多かったです。そういう孤独感は、大久保の中にも絶対にあったはずですから。ただそれは、役作りをしようと意識したものではなく、自然とそうなっていった感じです。
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