「西郷と2人のシーンは、いつも楽しみでした」瑛太(大久保利通)【「西郷どん」インタビュー】

2018年11月18日 / 20:50

 朝鮮への使節派遣を巡って大久保利通と対立した西郷隆盛(鈴木亮平)は、派遣の中止を受けて政府に辞表を提出し、鹿児島へ帰郷。以後、幼い頃から友情で結ばれた2人はすれ違い、西南戦争へ向かっていくこととなる。その意味で、第43回の西郷と大久保の対面は、大きなターニングポイントとなった。ここまで、撮影開始から1年以上にわたって大久保を演じてきた瑛太が、改めて今の思いを語ってくれた。

大久保利通役の瑛太

-第43回、大久保との一対一の話し合いを経て、西郷は政府を去ることになりました。これが2人の別れとなったわけですが、演じた感想は?

 あの場面、台本にはいろいろな受け止め方ができる余白がありました。ある種の冷徹さを持って、西郷をはねのけなければいけない部分もあるし、その逆もある。さらに、西郷の言葉を受けた大久保にも感じるものがある。どう演じるべきか、非常に悩みました。しかも、2人はもう一生会えなくなるとは思っていないわけですから。最終的には、今まで亮平くんが積み上げてきたものの重さや大久保に対する西郷の愛情など、いろいろなものを感じて思わず涙腺が緩み、想定とは違った形になりましたが…。ただ、このドラマでは、2人の友情を示すものとして、こういう形もありではないかと。見ている方にも、そのあたりの心情が伝わればうれしいです。

-今までと変わってきた明治編の大久保を、どんなふうに捉えて演じていますか。

 明治編に入ってからは、これまで芽が出ずに積み重なってきた大久保の中の“毒素”や“人間くささ”みたいなものが強く表れています。ただ、僕は敬意を持って大久保利通という人物を演じているので、決してダークヒーローのようにはしたくありませんでした。そのためにはどう演じればいいのか、ものすごく葛藤しました。それと同時に、月と太陽のような大久保と西郷の関係性は、終盤に入ってより色濃くなり、今まで以上にドラマチックです。お互いに憎み合っているわけではないのに、思想の違いで離れていく…。台本を読んでいても、そこに面白さを感じます。

-ここまで演じてきた大久保の印象は?

 大久保は、青年時代から理不尽な理由で謹慎処分を受けるなど、物事がなかなか自分の思ったように運ばず、もどかしさを感じながら「いつか見ていろ」という気持ちを抱えて生きてきました。言ってみれば、ものすごく硬いバネを縮めたような状態がずっと続いていたわけです。それは、僕自身にとっても非常に負荷のかかることでした。演じていても自分の感情を吐き出せず、とても窮屈。消化不良で大久保のように胃痛にもなりましたし、撮影に行く足が重くなることもありました。

-大変なご苦労をされたのですね。

 ただその一方で、改めてこれまでを振り返ってみると、西郷と一緒になって目を潤ませるようないいシーンもたくさんある。そういうものを見ると、「一生懸命やってきてよかったな…」とも思います。そういう振り幅の大きさが、大久保の魅力です。

-そんな大久保を演じる上で、大事にしてきたことは?

 あえて言うなら、「孤独感」でしょうか。スタジオに入る前、みんなの憩いの場になっている「前室」という場所があるのですが、今回、僕は一度も立ち入りませんでした。休憩中に顔を合わせても、みんなの話を聞いているだけ。雑談は一切しないようにしました。1人で控室にこもり、呼ばれた瞬間にスイッチを入れて、スタジオに向かう…。そんなことも多かったです。そういう孤独感は、大久保の中にも絶対にあったはずですから。ただそれは、役作りをしようと意識したものではなく、自然とそうなっていった感じです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「それぞれの年代で、あの時これをやっていたなという見方ができるのも面白いです」渡辺いっけい『月影のゴールデン街』【インタビュー】

映画2026年10月29日

 長年にわたり、テレビ界で活躍してきた錦信次監督が63歳にして長編映画監督デビューを果たし、新宿ゴールデン街を舞台に描いた人間ドラマ『月影のゴールデン街』が、10月30日から全国順次公開される。本作の主人公でスナックのマスター青木を演じた渡 … 続きを読む

UTA「ぜひ映画館でこの恐怖を肌で感じてほしいです」『クレイフェイス』【インタビュー】

映画2026年10月28日

 犯罪と腐敗がはびこるゴッサム・シティ。新進ハリウッドスターのマット・ヘーゲンは事故で美しい顔を失う。再起への執念から禁断の治療に手を出した彼は、元の顔を取り戻すが、その副作用で体に恐ろしい異変が起こり、心身ともに狂気にむしばまれていく。D … 続きを読む

【映画コラム】世界が揺らぐとき、人間は何をするのか…『DIGGER/ディガー』『ディスクロージャー・デイ』

映画2026年10月20日

『DIGGER/ディガー』(10月9日公開)  石油採掘会社のCEOとして君臨するディガー・ロックウェル(トム・クルーズ)の、利益しか考えない強欲な行動によって氷河に亀裂が生じ、地球規模の環境災害が発生する。コンプソン大統領(ジョン・グッド … 続きを読む

堂本光一演出「百鬼夜鏡」、「期待を超える作品を作っていけたら」川﨑皇輝×内村颯太×元木湧×北川拓実×安嶋秀生×松尾龍【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月20日

 堂本光一が構成・演出を務める舞台、EX THEATER ARIAKE OPENING LINEUP「百鬼夜鏡」が、11月3日からEXシアター有明で上演される。本作は、 “人ならざる力”を持ち、恐怖や災いを象徴する鬼と、室町時代にタイムスリ … 続きを読む

芦田愛菜、努力を続けるコツは「一度に大きく飛躍しようと頑張り過ぎない」【インタビュー】

ドラマ2026年10月19日

 芦田愛菜が主演するドラマ「南田南弁護士は天才肌」(カンテレ・フジテレビ系)が、10月19日22時からスタートする。世界的にヒットした韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を日本版にリメイクした本作は、自閉スペクトラム症(ASD)の新人弁護 … 続きを読む

page top