エンターテインメント・ウェブマガジン
しかし、撮る理由はいたずらっ子感覚だけではない。そこにあるのは「役と、それを演じる人への愛情」だ。とりわけ、「主役を格好良く見せるために存在する“負け役”に加担してしまう」そうで、「主役を演じる人間は放っておいても大丈夫だけど、そうじゃない人たちにも家族が待つ家に帰って飲むビールがうまくて、『役者やっていて良かった~!』と思ってほしい。そんな人たちが頑張ると、主人公に倒されても立ち向かうから殺すしかなく、自然とバイオレンスになるよね」と説明。
「“愛情”と“バイオレンス”は僕にとって同義語。守るものがなければ闘わないし、怒りもない。愛のないバイオレンスはないでしょ」と言われると、確かにその通りと合点がいった。
そして、全ての作品は「なぜ生まれて、どう生きていいか分からないけど、何かをつかみたくてもがいている登場人物」の物語であることも告白。恋愛映画もやくざ映画も、生まれてから死ぬ瞬間まで人生を楽しく全うしたいという、人間としての普遍的な思いがその根底に流れている。
そんな三池監督は昨年からサモ・ハン・キンポーとタッグを組んで中国映画に取り組んでいる。進捗具合は「唐の時代の超大作から、火星に行く話とか、企画だけがどんどん膨らんで、全部で7作品、製作費は総額300億円を超える大プロジェクトになっている」という。
あくまでも企画段階で、全てが実現するかは未定だが、今年撮影した映画は『ラプラスの魔女』のみ。「やたら撮る監督」にしては寂しい実情に、三池監督は「そのしわ寄せは来年、再来年にくるから」とニヤリ。次の落とし穴は想像以上に深いかもしれない…。
(取材・文・写真/錦怜那)
ドラマ2025年7月1日
ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む
ドラマ2025年6月29日
-それが変わってきたということでしょうか。 物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む
映画2025年6月27日
-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。 やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む
映画2025年6月27日
-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む
映画2025年6月27日
『アスファルト・シティ』(6月27日公開) 犯罪と暴力が横行するニューヨークのハーレム。クロス(タイ・シェリダン)は医学部への入学を目指し勉学に励む一方で救急救命隊員として働き始める。 ベテラン隊員のラット(ショーン・ペン)とバディを組 … 続きを読む