【インタビュー】『旅猫リポート』福士蒼汰「猫や犬と一緒にいるときは、普段の自分がかなり出ていると思います(笑)」

2018年10月27日 / 14:45

 『図書館戦争』などで知られる人気作家・有川浩のベストセラー小説を映画化した『旅猫リポート』が10月26日に全国公開された。有川自身が脚本を手掛けた本作は、猫のナナと飼い主の青年・悟の旅を描いた心温まるロードムービーだ。主人公の悟を演じるのは、「あまちゃん」(13)、『曇天に笑う』(18)などで活躍する人気若手俳優・福士蒼汰。自ら“動物好き”と話し、劇中でも役と自身が重なるような好演を披露した福士が、撮影の舞台裏を語ってくれた。

(C)2018「旅猫リポート」製作委員会 (C)有川浩/講談社 ヘアメイク:髙橋幸一(Nestation)スタイリスト:小松嘉章(nomadica)協力:ZOO動物プロ

-猫のナナと悟の絆が心に残る作品でした。初めて会ったときのナナの印象は?

 (三木康一郎)監督と最初にお会いしたときがナナとも初対面だったのですが、かわいかったです。ただ、自分は犬を飼ったことはあったのですが、猫は初めてで。最初はどう接したらいいのか分からず、緊張しました。

-そこからどのように距離感を詰めていきましたか。

 毎日、撮影で会っているうちに慣れていったことに加えて、猫のトレーナーの方がナナを扱う様子を見て勉強しました。

-ナナとのお芝居は、人間相手と違って苦労も多かったのでは?

  もちろん、猫が台本を読んでその通りに動くわけではないので、人間が相手のお芝居とは違います。ただ、自分は普段から動物を見ると話し掛けてしまうような性格なので、それほど大変ではありませんでした。現場全体も、ナナからいい表情を引き出そうと一つになっていたので、気分が乗らずにナナがそっぽを向いてしまうようなときでも、苦にせず待つことができました(笑)。

-優しいイメージのある福士さんが悟に重なって見えました。役作りという意味で、ご自身と悟の距離感はどんなものだったのでしょうか。

 半分ぐらいは自分です(笑)。そういう意味では、最近演じることが多かったキャラクター性の強い役とは全く違います。というのも、初めてお会いしたときに監督が「普段の福士くんを役に近づければいい」とおっしゃってくださったんです。だから、役を作り込むよりも、自分自身の動物好きな部分や普段の人との接し方をベースに、他のキャラクターとの関係性を深めていくことを重視しました。

-その点、演じる難しさもあったのでは?

 普段だったら難しかったと思います。キャラクターを背負った場合はそれを成り立たせればいいのですが、自分をベースにするとなると、逆にどうすればいいのか…。ただ今回は、ナナが一緒にいてくれたので助かりました。ナナのおかげでリラックスできて、ネガティブな要素を取り除くことができたんです。だから、変な緊張感もなく、自然に演じることができました。

-逆に、ナナのかわいらしさにテンションが上がる部分はありましたか。

 はい。ナナや出演している動物たちと一緒にいるときは、普段の自分がかなり出ていると思います(笑)。

-ナナの声は高畑充希さんが演じていますね。

 高畑さんの声質やしゃべり方が完全にナナになじんでいて驚きました。ナナはオスですが、高畑さんの声がぴったりハマっていて、さらにかわいく見えました。

-監督からは役作りに関してどんなお話が?

 最初に「そのままでいいよ」とおっしゃってくださったこともあり、現場で細かい指示はなく、広い視野でお芝居を見てくださって、その枠内に収まっていればOKという感じでした。とてもやりやすい環境を作ってくださいました。

-物語が進むにつれ、悟の秘密が明らかになり、心情的にも次第に変化していきます。その辺りは演じる上でいかがでしたか。

 あまり意識しないようにしました。物語の進行に合わせてそういう変化は自然と見えてくるものなので、演じる上では意識しない方がいいだろうと。だから、悟の変化は踏まえつつ、基本的には常に前向きな気持ちでいることを心掛けました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

 小瀧望が主演する舞台「ロックンロール」が、11月6日から上演される。本作は、世界的な劇作家トム・ストッパードが祖国チェコスロバキアを舞台に、20年以上にわたる歴史のうねりを描きながら、自由の尊さをうたう物語。愛するロックンロールと母親を守 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

page top