「『西郷を主役として見ない』が、僕のテーマだった気がします」青木崇高(島津久光)【「西郷どん」インタビュー】

2018年11月4日 / 20:50

-久光に関しては、大久保利通との関係も重要でした。瑛太さんと共演した感想は?

 楽しかったです。第40回では久光の下から大久保が去っていく場面がありましたが、いい緊張感で演じることができました。面白いと思ったのは、1年間やっていると自分の心の中でキャラクターが育っていくんです。だから、キャラクター同士がお別れするときは、それを個人的にも消化したくなる。「卒業」みたいな感覚でしょうか。そういう儀式めいた気持ちにもなったので、最後に大久保が出ていくだけのカットを撮るときも、そのシーンの頭から全部やらせてもらいました。久光は激怒していましたが、僕自身は穏やかな気持ちで、瑛太くんへの感謝も込めて「ありがとう」と送り出すことができました。

-若い頃から今演じている晩年まで、久光は大きく変化してきました。

 変化を描くことこそ、大河ドラマの醍醐味(だいごみ)ではないかと改めて思いました。こんなふうに1年も放送する作品は他にありません。その中で、どんな出来事と出会い、どう変化していくのか。強くなっていくのか、弱くなっていくのか…。そういうところを見せられるのはやっぱり面白いなと。

-今回、3度目の大河ドラマ出演とのことですが、今までとの違いは感じますか。

 今までは大河がどんなものか分からなかったので、台本を読み、先輩方の芝居を見て勉強しながら、とにかく一つ一つのシーンを頑張る、と必死についていくだけでした。今回は、「こう演じたい」という自分の意見も出しつつ、演出の意図を踏まえて話し合い、それぞれのシーンのテーマを一緒に考えながら、芝居をすることができました。この1年、そういう形で携われたことは、僕の大きな財産になっています。

-ここまで久光を演じてきた感想は?

 「天国の久光公が見たら、どう思うかな…?」という心配はありますが、僕としては失礼のないようにきちんと向き合ってきたつもりです。だから、次に鹿児島を訪れる機会があれば、お墓にきちんと手を合わせてこようと思っています。先日、イベントで現地の資料館を訪問させていただいた際、久光公に関する研究が改めて盛んになっているというお話も伺いました。今までのように「陽の斉彬、陰の久光」といった捉え方ではなく、その業績が見直されているのだとか。小学6年生の女の子からも、島津久光を夏休みの自由研究のテーマに選んだという手紙を頂きました。僕の演技がそういうきっかけになったのなら、うれしいです。

(取材・文/井上健一)

島津久光役の青木崇高

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

安田章大、『髪結いの亭主』の初めての舞台化に「人間たちの退廃感がより響くのではないか」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月9日

 1990年に公開されたパトリス・ルコント監督の代表作『髪結いの亭主』が、安田章大主演で初めて舞台化される。原作となる映画は、一人の男の純粋で偏愛的な恋心を描いたフランス映画の傑作。今回の舞台化では、原作映画を大胆にアレンジし、物語を195 … 続きを読む

【映画コラム】8月の公開映画から

映画2026年9月4日

「ミニオンズ&モンスターズ」(8月7日公開)★★★ 映画のパロディーが満載  最強最悪のボスを求めて旅を続けるミニオンズがたどり着いたのは、1920年代のハリウッド。西部劇の撮影に乱入したことから映画スタジオに入り込み、人気スターと … 続きを読む

山口馬木也 柴田勝家の最期は「不思議な体験でした」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年8月30日

-劇中では、秀長と秀吉に対する「認めたくないが、認めざるを得ない」という勝家の複雑な心情が見事に表現されていました。秀吉役の池松壮亮さんとのお芝居はいかがでしたか。  仲野太賀さんと池松壮亮さんは、周囲に対する気配りを欠かさない素晴らしい俳 … 続きを読む

パク・ジョンミン「一人二役は想像以上に大変でした」韓国のヒットメーカーが「ガス人間」に続いて送り出すサスペンス・ミステリーで熱演『顔 -かお-』【インタビュー】

映画2026年8月28日

-劇中ではそんなご苦労を感じさせない名演でした。  実は、最初にオファーをいただいたのは、ドンファン役だけだったんです。でも、脚本が面白かったためについ欲が出てしまい、僕の方から「ぜひヨンギュもやらせてください!」とヨン監督にお願いしたんで … 続きを読む

【映画コラム】「生き残る」とは何か『ラスト・サバイバー』『シェルター』が描く極限の人間ドラマ

映画2026年8月28日

『シェルター』(8月28日公開)  スコットランド沖の孤島に建つ灯台を隠れ家にして、愛犬と共にひっそりと暮らす元特殊部隊員マイケル・メイソン(ジェイソン・ステイサム)。  ある日、週に一度、叔父と共に船で生活物資を届けに来る少女ジェシー(ボ … 続きを読む

page top