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楽しかったです。第40回では久光の下から大久保が去っていく場面がありましたが、いい緊張感で演じることができました。面白いと思ったのは、1年間やっていると自分の心の中でキャラクターが育っていくんです。だから、キャラクター同士がお別れするときは、それを個人的にも消化したくなる。「卒業」みたいな感覚でしょうか。そういう儀式めいた気持ちにもなったので、最後に大久保が出ていくだけのカットを撮るときも、そのシーンの頭から全部やらせてもらいました。久光は激怒していましたが、僕自身は穏やかな気持ちで、瑛太くんへの感謝も込めて「ありがとう」と送り出すことができました。
変化を描くことこそ、大河ドラマの醍醐味(だいごみ)ではないかと改めて思いました。こんなふうに1年も放送する作品は他にありません。その中で、どんな出来事と出会い、どう変化していくのか。強くなっていくのか、弱くなっていくのか…。そういうところを見せられるのはやっぱり面白いなと。
今までは大河がどんなものか分からなかったので、台本を読み、先輩方の芝居を見て勉強しながら、とにかく一つ一つのシーンを頑張る、と必死についていくだけでした。今回は、「こう演じたい」という自分の意見も出しつつ、演出の意図を踏まえて話し合い、それぞれのシーンのテーマを一緒に考えながら、芝居をすることができました。この1年、そういう形で携われたことは、僕の大きな財産になっています。
「天国の久光公が見たら、どう思うかな…?」という心配はありますが、僕としては失礼のないようにきちんと向き合ってきたつもりです。だから、次に鹿児島を訪れる機会があれば、お墓にきちんと手を合わせてこようと思っています。先日、イベントで現地の資料館を訪問させていただいた際、久光公に関する研究が改めて盛んになっているというお話も伺いました。今までのように「陽の斉彬、陰の久光」といった捉え方ではなく、その業績が見直されているのだとか。小学6年生の女の子からも、島津久光を夏休みの自由研究のテーマに選んだという手紙を頂きました。僕の演技がそういうきっかけになったのなら、うれしいです。
(取材・文/井上健一)
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